世界まる見え!テレビ特捜部
10/10/18 OA
2100年 奇跡の眠り

1971年<中国・湖南省長沙市>で、今から2100年以上前に亡くなった女性の
遺体が発見された。肌にはまだ弾力があり、腕の関節も曲がる。死んだ人間の
体はみるみる腐敗し、あとかたもなく無くなってしまうハズだが、この遺体は何故、
瑞々しい状態を保つことが出来たのだろうか?



遺体の正体は、紀元前168年に死亡した『辛追』(しんつい)という女性。
当時の権力者の妻であった。遺体の驚くべき保存状態の良さは、身体の内部も
同様で、頭蓋骨を切開すると、ほぼ完全な状態の脳ミソを取り出すことが出来た。
更に臓器も全て正確な場所に収まっており、赤い血液まで残っていた。
また胃の中からは死亡直前に食べたと思われる「瓜の種」も見つかったと言う。



そして、驚くべき新事実が明らかになった。贅沢な生活をしていた『辛追』の
体重は約70s。かなり肥満で、血液の流れる動脈の中にはタップリ"脂肪"
が溜まっていた。そして死因はコレステロールなどが原因で出来る胆石が胆管
に詰まった事で引き起こされる"激痛"に、肥満で弱っていた心臓が耐えられ
なかったと考えられている。



では、【2000年以上前の遺体】は何が原因で、信じられない程の長い間、
瑞々しさを保って来る事が出来たのだろうか?
遺体が発見された場所は地下に16m掘られた巨大な穴の底。冷蔵庫の中の
様に冷たい所で、遺体は"20枚の絹の布"でキツク巻かれていた。
その"絹の布"が肉体を腐らせるバクテリアを死滅させたと考える説もある。



一方で"古代の埋葬方法"について書かれた『古文書』の中には、こんな記述
が発見された。『遺体は洗浄した後冷やし、絹で何重にも巻いて棺に納める。
その後特別な液体を注ぎ込む』。この特別な液体とは一体何なのか? 実は
『辛追』の遺体が発見された時も、棺の中に"赤茶けた水"があり、その水の中
からは古代中国で【不老不死の秘薬】と考えられていた『辰砂(水銀)』が見つかっ
たのだが、その「水銀」が、遺体を2000年以上もの間、瑞々しく保存してきた
原因かどうか、科学的な解明には至っていない。



携帯サイト