10/11/22 OA
コロンビア オンボロ飛行機 危険な漫遊記
コロンビアの『サデルカ航空』では、70年以上も前に製造された機体がいまだに
運行されている。飛行中でも、窓の隙間から雨が吹き込み、高度計は故障し、
通信無線まで途絶える始末。こんな時、彼らは市販の地図で方向修正する。
飛行中でもコックピットの後部では、整備士が勝手に修理をする始末。
それでも機体は、なんとか危機を乗り越えることが出来た。
機長にはさらなる負担がのしかかる。着陸しようにも、この村には管制塔も
滑走路もなく、あるのは距離の短い荒地だけ。なんとか無事に飛行を終えても、
暗くなると飛行が困難になるため、荷物を降ろし終えると休む間もなくすぐに
出発の準備にとりかかる。
この国では危険を承知の上で飛行機を利用している者も少なくない。時には
突然右側のエンジンが停止したり、動いたりと不安定な動きをみせ始める。
乗客たちは動揺するが、幸いにも大事に至る事はなく、無事着陸。
こうしたアクシデントがあっても事故慣れしている整備士の「ホゼ」は、ただ
のオイル漏れなのですぐに飛べるようになると余裕しゃくしゃく。
だがエンジンの故障具合は深刻だったためフライトを中止し、工場で修理する
ことに決定、乗客は足止めされることに。しかし客だけではなく、困るのは
機長も一緒。なぜなら、彼の給料は歩合制で、多くのフライトをこなさなけれ
ば生活していけなくなるからなのだ。
結局3日も足止めを食らった後、飛行機はようやく出発を迎えた。
運ぶのは人間だけではない。可燃性の高い『ガソリン』を運ぶフライトは
危険度大! 入れ物は単なるプラスチック製のポリタンクで、蓋も手で閉めて
いるだけ。引火でもすれば機体ごと丸焦げになることは間違いない。機内では
ガスが充満しないよう扉を開けながら飛行。今回はどうにか無事だった。