10/11/22 OA
もしも石油が一滴も取れなくなったら・・・
果たして、石油が取れなくなった世界はどのように変わっていくのか?
【1日後】
人々はまっさきにガソリンスタンドへ殺到する。待ち時間は数時間にもなる。
どんどん値が上がるガソリン。人々に売られるガソリンはなくなってしまう。
多くの工場は即座に操業を停止。全世界でたくさんの人が職を失うことになる。
【5日後】
食品の多くを輸送してきたトラックはすべて止まってしまう。多くの食料品店の
前には武装した警備員の姿が。棚はほとんどが空。今までは捨てていた痛んだ
ものさえ売り物になる。街では泥棒が食用油を狙っている。なぜなら食用油は、
ディーゼルエンジンの燃料としても使えるからだ。
【30日後】
<ブラジル>では、車の燃料は『エタノール』。この『エタノール』の原料は
なんと、ブラジルが世界1の生産高を誇る『サトウキビ』。実は現在でも、
政府が普及を進めている『エタノール自動車』が国内の9割を超える。この噂
を聞きつけ、世界各地の農家は多くの畑で『大豆』や『とうもろこし』を栽培。
なぜなら、どちらからも石油に変わる『バイオ燃料』が作れるからだ。
【1年後】
『インフルエンザ』など伝染病が蔓延。いざという時のために保管しておいた
ガソリンを使い急いで病院へ向おうとするが…車は動かない。なぜなら、
放っておくとガソリンは1年もたたずに酸化し使えなくなってしまうからだ。
【10年後】
『電池』を作る重要な資源、『リチウム』の世界有数の産出国として、なんと
ボリビアが栄え始める。さらに『アオコ』や『ミドリムシ』などに代表される
『藻類』も石油の代替燃料へと生まれ変わる。藻類から取り出される油分は
植物由来の油分に比べ700倍も効率がよく、しかも収穫の季節に関係ない。
【40年後】
大都市の姿は大きく変わりつつあった。
陽のよくあたる高層ビルは温室として利用。駐車場も農場へと変わった。
ニューヨークは自給自足の街になり、セントラルパークは巨大な畑へ。
石油がなくなったこの時代、空は以前より青く澄んでいる。