世界まる見え!テレビ特捜部
11/07/25 OA
大統領の金を狙った男たち

1971年12月、時の米大統領「リチャード・ニクソン」が次期大統領再選に向け、
選挙運動を開始。その選挙資金は推定3000万ドル、当時の日本円で約92億円。

その金が保管されていると考えられていたのが<カリフォルニア州>にある貸
金庫。そしてその大金に目を付けたのが、オハイオ州の大泥棒「アミル・ディ
ンジオ」。
アミルは100人を超える強盗団の中から、最も腕のたつメンバー6
人と、自分を含めた、計7人で大統領の選挙資金を盗み出そうと計画する。

1972年3月15日、7人の大泥棒は<ロサンゼルス>へ向けて出発。レジャー客
を装い、銀行のすぐ側にあるコンドミニアムで偵察を開始した。調達屋を中心
に、必要な道具を揃え犯行を決行。分厚い鉄筋コンクリートに囲まれた金庫室
に、ダイナマイトを仕掛け一気に爆破。そして金庫室に侵入。
だが彼らは500個ある貸金庫のどれが大統領の金庫か知らなかった。その為、
片っ端から金庫をこじ開けていった。夜が明けるまでに破った金庫は、
およそ200個。それでも大統領の貸金庫を見つからず、一旦アジトへ戻った。
土曜・日曜も、金庫室に侵入し、月曜の朝6時まで、計458個の金庫を開け続
けた。しかし、大統領の金庫を見つけることはできず、一味は逃走。

月曜日8時37分、金庫室が滅茶苦茶になっている事を発見。彼らが盗んだ現金
などは、総額2500万ドル。日本円で77億円にも及んだ。これは当時としては最
高額の銀行強盗事件になった。

FBIは捜査に乗り出したものの、手がかりは得られず事件は暗礁にのりあげた。
ところが、事件から1ヶ月が過ぎた頃、<オハイオ州>で全く同じ手口の銀行
強盗が発生。そこで、アミルが率いる強盗団の名前が浮上し、彼らがカリフォ
ルニアの事件の犯人ならば、移動手段は飛行機と考えたFBIは、各航空会社に
調べてもらうと全員実名で搭乗していたアミル達の名前を発見した。
さらにロサンゼルス空港のタクシー運転手が、彼らを記憶しており、移動先の
一つにハリーの実家があることを発見。
さらにその家の通話記録に、何度も電話をかけている人物がいる事に目を付け、
その人物の家から一味が使っていた車を押収。トランクの底板が改造されたそ
の車には、強盗に使われた道具の数々が入っていた。これが決定的な証拠とな
り、7人の大泥棒を逮捕。
アミルを除く6人はそれぞれ20年以下懲役を受け、今では全員刑期を終えて釈
放されている。そして、この事件の首謀者アミルは、2018年まで服役。


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