世界まる見え!テレビ特捜部
11/10/03 OA
塀の中の赤ちゃんたち

現在<アメリカ>は女性囚人数が世界一多く、妊娠中に収監され塀の中で出産を迎え
るケースが頻繁に起きている。そこで2007年、インディアナ州女子刑務所で導入され
たのが、『ウィー・ワンズ・ナーサリー』。つまり、ちびちゃん保育所だ。
これは、服役中に出産した受刑者が塀の中でも赤ちゃんを育てられるシステムだ。
受刑者にとっては、なんとも嬉しいシステムだが、「罰を受けている人間が子供と
一緒にいるのはおかしい」と批判する声もある。しかしこの刑務所では、「受刑者が
子育てにしっかり時間をかけ親子のきずなを作ることが、彼女たちの再犯率を下げる
効果的な方法だ」と主張する。

しかし、誰しもが保育所を利用できるわけではない。申請資格は、【1】過去に暴力犯罪
の記録がなく、【2】刑期が残り18か月以下の者、【3】生まれてくる赤ちゃんが健康である
場合、に限られる。またスペースの都合上、一度に利用できるのは10組の親子だけ。
非常に厳しい競争率だ。

麻薬取引の罪で刑に服している「バルビーナ(34)」は、幸運にも保育所を使用する
権利を得ることができた。以前は、ドラッグで何も感じることが出来なくなっていた
彼女も、今は、神様が授けてくれた我が子と一緒に笑うことができるようになった。

一方、窃盗などの罪で逮捕された「ヘザー(31)」は、妊娠39週目を迎える受刑者。
10代の頃に友人を殴り暴行罪で訴えられた過去がある彼女に、保育所での子育てを
申請する権利は与えられない為、赤ちゃんは里親に預けられることになる。

この刑務所では、週に1度、最大4時間まで家族との面会が許されていて、素行記録
の良い受刑者には毎月6時間、プレイルームで家族と過ごす時間が与えられている。
ある日、麻薬取引の罪で刑に服している「タミー」の娘「サバンナ」が、このプログ
ラムを利用するために刑務所にやって来た。2人は、ここで普通の親子のような
かけがえのない時間を過ごした。「タミー」が親子水入らずの生活を手にするには、あと
4年の刑期を務めなければならない。

数か月後、「ヘザー」は里親に預けた赤ちゃんと初めての面会を果たし、
保育所を利用していた「バルビーナ」は、赤ちゃんを連れて出所した。


携帯サイト