11/10/31 OA
まさかのハプニング 銃を向けられ初めての出産
アメリカ、ユタ州北部の町<サンディ>で、22歳の妊婦「クリスチャン」は、
予定よりひと月も早く陣痛がきた為、急遽、病院の分娩室に入った。
彼女にとって、これが初めての出産。分娩室を取り仕切るのは、この道20年のベテラ
ン看護師「スーザン」。「クリスチャン」の子宮口が開いていることを確認すると、
すぐさまドクターに連絡した。
ところが、やってきたのはドクターではなく『ショットガンを持った男』。
今にも生まれそうな状態のまま、「クリスチャン」は人質となってしまった。
銃を手に病院に押し入った男の名前は「リチャード」。8人の子を持つ父親である
彼は、妻が自分に内緒で『不妊手術』を受けた事で、今後子供を作ることが出来なく
なったことに腹を立て、手術したドクターを逆恨みしていた。幸い、不妊手術をした
ドクターは難を逃れ、すぐに警察に通報した。
その後「リチャード」は更に銃弾を補充するため、「スーザン」ともう一人の看護師
を連れて自分の車へ向かった。しかし、その途中、看護師が「リチャード」に掴み
かかり激しくもみあいになると、「リチャード」が発砲。看護師は死亡してしまった。
その直後、通報を受けた警察が現場に到着すると、「リチャード」は、看護師の
「スーザン」や、出産途中の「クリスチャン」を人質にとり立て篭もった。
事件発生から約2時間後、警察の人質交渉人「ドン・ベル捜査官」が、電話で交渉を
開始。しかし「リチャード」は『妻を傷物にしたドクターを呼べ!』というばかり。
一方「スーザン」は冷静に「クリスチャン」の容態を心配していた。今のままでは、
母子ともに命の危ない。そこで「スーザン」は「リチャード」に事情を説明。何も
装備の無い中で、出産準備に取りかかった。そして、最悪の環境で初めての出産に
臨んだ「クリスチャン」は、人質状態にもかかわらず、無事、女の子を出産した。
事件発生から18時間以上が経過。
すると、ここで看護師「スーザン」が犯人の「リチャード」に語りかけ始めた。
『あなたの子供を全員知っている。子ども達は皆あなたを愛している。
もう終わりにしましょう』
すると、「リチャード」は素直に銃を手渡し、爆弾の起爆装置も解除してくれた。
そして、約束通り、生まれたばかりの赤ん坊を含めた人質9人全員を開放。
18時間にもおよんだ人質事件は、こうして幕を閉じたのだった。
犯人の「リチャード」は、誘拐と殺人の罪で終身刑となり、後に刑務所内で自殺。
一方、最悪の状況下で生まれた女の子は、「ケイトリン」と名付けられた。
人生最悪の日に出産を迎えた女性、「クリスチャン」は、今、立派に成長した娘と
共に幸せに暮らしている。