<カリフォルニア州・サンディエゴ> 。この付近では、ある奇妙な生物が数多く目撃
されているという。ここで入手した一枚の写真には、超巨大生物が映し出されていた。
「トロイ・ティニー」 は朝、家から海を見ていた時に、大きな物が動いているのを発
見。現場に急行し、知人とともにその写真を撮影したという。幅60センチほど、長さ
4メートル以上のそれは、かなり弱っていながらも力強くウネウネと動き、不気味だっ
たという。
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謎の生物の正体を探るべく、カリフォルニア大学、スクリプス海洋研究所の 「ウォー
カー教授」 を訪れた。教授によると、それらは 『オールフィッシュ』 という魚。大き
い物では6メートル以上にもなる巨大な深海魚で、日本近海にもオールフィッシュの
仲間である 『リュウグウノツカイ』 と呼ばれる魚が生息。巨大魚は地域により2種類
存在したのだ。世界中で目撃例はあるものの、それはすでに死んでいるか、瀕死の状
態がほとんどで、その生態の多くは謎に包まれたまま。
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スウェーデン南西部の港町<リセキル>。地元の博物館で働く生物学者 「エマ・ノレ
ン」 は、ある日の早朝、漁師から変なものが見つかったという連絡を受け、現場へ駆
けつけた。するとそこには体が半分切れたオールフィッシュ。標本にして博物館で一
般公開すると、瞬く間に多くの人が詰めかけ大盛況となった。
その評判を聞きつけ連絡を取ってきたのが、タイに住む魚類学者 「タイソン・ロバー
ツ博士」 。彼は、10メートルはあろうかという巨大なオールフィッシュが、アメリカ
海軍の屈強な隊員達に抱えられている一枚の写真を見て、その圧倒的な存在感に魅了
され、オールフィッシュに関する世界中の専門書を調べあげ、いまやエキスパートと
なったのだった。
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そして、タイソンはオールフィッシュを研究する課程で、ある驚くべき説を発表した。
それは、「オールフィッシュがトカゲの尻尾のように体の一部を自ら切り離す」 とい
うこと。トカゲが尻尾を残して逃げるのと同じように、オールフィッシュも自己防衛
のために身体を切断しているというのだ。確かに、写真や映像には、体が切れている
オールフィッシュの姿が多く残されているが、オールフィッシュに関する多くは、い
まだ謎に包まれている。というのも、タイソン博士をはじめとする生物学者たちが、
泳いでいる所を実際に見たことがないからだ。
しかし、<アメリカ・ルイジアナ州バトンルージュ> でオールフィッシュの姿をカメ
ラに捉えることに成功していた。
2009年2月16日、それはあの巨大魚オールフィッシュが泳いでいる姿。体を斜めに傾
け、前へと進んでいくオールフィッシュ。体は光沢のある銀色。さらに綺麗に波打つ
しなやかな背びれ。わずか数分ほどの遭遇ではあったが、それは深海およそ130メー
トルで、太陽の光を受けながら泳ぐオールフィッシュの美しい姿を捉えた貴重な映像
となった。この極めて貴重な映像は、知られざるオールフィッシュの生態を解明する
上で、生物学的にも大きな手がかりになるに違いない。
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