11/12/26 OA
世界を震撼させた男 ビンラディンの正体
今年5月2日。911テロ事件の首謀者とされるイスラム過激派テログループ『アルカ
イダ』の「ウサマ・ビンラディン」がアメリカ軍奇襲部隊によって射殺された。
彼は1958年<サウジアラビア>に生まれた。大学では経済を学ぶが、22歳の時ソビエ
ト軍が同じイスラムの国である<アフガニスタン>への侵攻を始めると、イスラム戦
士として戦いに参加することを選択。そのカリスマ性と財力により、高い地位へと登
り詰めていった。「ビンラディン」は次第に<アメリカ>に背を向けるようになり、
過激派テログループ『アルカイダ』を創設。イスラムの聖地<サウジアラビア>にア
メリカ軍がいることを非難し、<アメリカ>に恐怖をもたらすことを誓うようになる。
そんな「ビンラディン」にアルカイダ幹部の一人「ハリド・シェイク・ムハンマド」
が『飛行機を使って、アメリカの標的に衝突する』という計画を持ちかける。まさし
く後に『911テロ』へと発展する提案だった。
アルカイダの一員でハイジャック犯育成訓練を受けたインドネシア人の「リズ・ファ
リヒン(45)」によると、テロの標的は、当初アメリカ本土だけではなく、日本やシン
ガポール、韓国にあるアメリカの施設までもが含まれていたという。しかし「ビンラ
ディン」はこの計画に乗り気ではなく、結局アジアへの攻撃を取りやめ、911同時多
発テロが本格的に始動したのだ。「ビンラディン」が求めた人材は『信頼がおけて、
忍耐強くスタミナのある人物』であった。
1999年春、911テロ事件のおよそ2年半前。「ビンラディン」は「アル・ミフダール、
(24)」と「アル・ハズミ(22)」の2人の若者にテロの実行犯として、毎日身体中がア
ザだらけになるほど厳しい肉体訓練させ、すすんで自らを犠牲にすることを求めた。
2000年1月。911テロ事件の1年半前。ハイジャックする飛行機のパイロットとして
「モハメド・アタ(31)」が選ばれた。後にワールドトレードセンタービルへ最初に衝
突するアメリカン航空11便を操縦する男だ。もう一人は「ジアド・ジャッラー
(24)」。ペンシルべニアに墜落するユナイテッド93便を操縦する男だ。
2000年10月12日、911テロの11か月前。<アラビア半島、イエメンのアデン湾>で、
アルカイダのテロリスト2人が、<アメリカ>のミサイル駆逐艦コールにゴムボート
で突っ込み、自爆した。アメリカ側に多数の死傷者を出し、これにより「ビンラディ
ン」は、自爆攻撃こそが最高の武器であることを確信した。
その約1年後の2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ。「ブッシュ元大統領」の指
揮の元、戦争が勃発。アルカイダと関連テロ組織は、世界中でテロ活動を続けた。
しかし、今年、アメリカ軍が<パキスタン、アボタバード>の要塞と化した家に身を
潜めていた「ビンラディン」を発見、殺害したことで、ひとつの終止符がうたれた。