徳島県の鳴門海峡に発生する鳴門のうず潮。その大きさは日本一であるのみならず、世界でも最大規模とうたわれているほどです。そのうず潮は春と秋の大潮の時期にもっとも大きくなるとか。まさにこれからが旬!そこで、矢野リポーターが訪れたのは、4月22日にオープンする、鳴門大橋の下部に有る"渦の道"。ここでは真上からうず潮を見ることが出来るのです。直径20メートルにも及び、海面のへこみも2メートルになるそのダイナミックな姿に魅せられた矢野さん、渦が出来るのは、日中に2回だけと聞き、時間を見計らって船をチャーターし、うず潮のすぐ近くまで行ってみました。
巨大で複雑なうず潮を目の前にして、矢野さんが取り出したのは、ダミー人形。なんと矢野さん、「人間がうず潮にはまるとどうなるか?」を知りたいと言い出したのです。そこで命綱を付け人形が投下されました。5分たっても上がって来ない人形…水中から探そうとしても、かき回される気泡しか見えず、全くどうなっているかわかりません。そこで、2人がかりで命綱を引っ張り、無理矢理人形を引き上げてみたところ、人形は片腕を失うなど、見るも無惨な状態に!鳴門の渦潮のパワーは恐ろしい!
どうしても渦潮の仕組みが知りたい!そこで、矢野さんが思ったのは、「お風呂の栓を抜いて出来る渦で、鳴門のうず潮の再現は出来ないか?」ということ。
そこで、普通のお風呂の6杯分、1000リットルの水の入った巨大水槽を用意しました。これなら大きな渦が出来るはず。ところが、出来た渦はお風呂の栓を抜いたときと殆ど同じ。さらに、一日じっとさせておいた水の栓をそっと抜くと、なんと渦は出来ないのです。実は、渦が出来るには水の動きが必要。お風呂の水は、入れたばかりのうちは、中で回転するように少しづつ動いています。その動きが底の栓を抜くことで増幅されて、渦になるのです。さらに、もともとの水の動きが大きければ大きいほど、その渦が大きくなるというわけです。
| 渦は水の動きがないと出来ない!
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実は鳴門のうず潮は、お風呂とは違った仕組みで出来ているのです。その秘密は、海峡を挟んで数キロの2つの地点で海面の水位を測ってみると分かるとのこと。そこで測ってみると、あらびっくり。なんと片方が満潮の時もう片方は干潮。これが1日4回繰り返されるのです。そしてこの時の海峡を見ると、本当に海面に1メートルの段差が生じていたのです!鳴門海峡は非常に狭いため、満潮の高い海水面が太平洋からやってきて明石海峡を回り、瀬戸内海側にくるころには、時間差が生じて太平洋側は干潮になってしまっているというわけ。これこそがうず潮を作る原因。つまり、水位の高い満潮から低い干潮の方向へ、狭い鳴門海峡を通じてものすごい勢いで水が流れ込み、干潮側のよどんだ水と混じり合ったとき、激しい渦潮が発生するのです。
| 狭い鳴門海峡が強烈な渦を生み出す原因だった!
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鳴門の渦潮を見ていて、何かに利用できないかと、ふと思いついた矢野さん。その複雑な渦の動きが洗濯機に似ているのに着目して、コニシキもびっくりの超巨大Tシャツを洗濯してみることに。泥でさんざん汚したあと、20分間渦の中に付けて置いたところ、渦潮パワーですっかり汚れが取れてしまいました!
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