年に1回の恒例、「目がテン!」公開録画、7回めの今年、舞台は九州・福岡。
福岡といえば明太子と並んで代表的なのが、博多とんこつラーメン。いまや東京でも東京ラーメンを駆逐するほどの日本で人気ナンバーワンのラーメン!
その福岡に上陸したのが、おなじみ科学の素浪人・矢野左衛門。早速屋台で本場博多ラーメンと御対面です。ところが目を丸くする矢野左衛門。「スープが白い!麺が見えない!」そしてついにはこんな無茶なことを…「博多ラーメンのスープを透明にしてみせるぞ!!」…果たして矢野左衛門の野望(?)は叶うのでしょうか?今回の「目がテン!」博多ラーメンを科学します。そこには意外な科学が…
東京では魚住アナウンサーが、スープの透明な東京ラーメンの謎を探ります。東京ラーメンのスープの材料を探る魚住アナ。すると魚住アナウンサーが思わずびっくり!鶏ガラ、昆布などの他に、なんと東京ラーメンにもとんこつが使われていた!のです。なぜ東京ラーメンは澄んでいて、九州ラーメンは濁っているのでしょう。スープ作りを比べてみると、東京ラーメンは火加減に注意して、沸騰させないようにコトコト煮込んでいるのに対し、とんこつラーメンはグラグラと、思いっきり煮立たせていました。さらに矢野左衛門は福岡県久留米市にある、博多ラーメンの元祖のお店を訪れました。するとスープがあまり白く濁っていないのです!実はこれが博多ラーメンの元々の姿。白く濁ったのは、実は偶然の産物だったのです。あるラーメン屋さんでの出来事、スープをとる最中に火加減を間違えて白く濁らせてしまいました。しかし食べたところ大変おいしく、それが九州中に広まったのでした。
| 白く濁ったとんこつスープは、偶然の産物だった!
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とんこつスープが白く濁るメカニズムを乳化といいます。普段混ざることの無い水と油が、乳化剤と呼ばれる2つを結び付ける物質の働きによって混ざり合い、白く濁るのです。洗剤が油汚れを落とすのも、洗剤が水と油の間で乳化剤の役割を果たしているためで、牛乳が白いのも、牛乳の脂肪分が中の成分カゼインを乳化剤として水分と結びついているためです。とんこつスープはというと、骨髄の主成分、コラーゲンが熱を加えられてゼラチンとなり、グラグラと煮立たせられることでかき混ぜられ、ゼラチンが乳化剤となって脂分を包み込み、スープに混ざり合って白く濁っているのです。
| 白く濁る秘密は、水と油が混ざり合う乳化作用だった!
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そんな白いスープの博多ラーメンにはコラーゲンを沢山含んでいて、肌の美容にいいと言われています。本当なんでしょうか?なんでも確かめてみないと気が済まない「目がテン!」、なんとADの女性1人に、1週間博多ラーメンだけを食べるよう指令!お肌のうるおいを水分計で図ってみました。まず町の女性のお肌の水分を測ってみると、平均57。60以上だと十分にうるおっているのですが、ちょっと乾燥気味。実験前のADの彼女は、更に平均を大きく下回る46!そして彼女は1週間食べつづけること、とんこつラーメン24食。すると水分量は、1週間後には67にまで上がっていたのです。
白いスープの謎が解けた矢野左衛門。早速透明な博多ラーメンスープ作りに挑戦です。その方法は至って簡単。とにかく鍋を煮立てないこと。そうすることでスープがかき混ぜられずに脂分がきれいに分離して、スープは透明になるのです。
一方魚住アナも負けじと挑戦。なんと魚住アナは矢野左衛門とは違う方法を、中華料理に見つけたのです。中華料理で住んだスープを作る時、濁ったスープの中に大量のひき肉を入れるのです。するとひき肉のタンパク質が熱で固まる時に、ゼラチンと脂肪の結びつきが解けて脂分がひき肉に吸収されます。この方法を使い、とんこつスープを作る過程で6kgのひき肉を投入して透明なスープを作りあげました。。果たして軍配はどちらに上がるのでしょう?2つの透明とんこつスープを博多っ子10人、そして所さんが試食!その結果、博多っ子たちは矢野さん作のラーメン、所さんは魚住アナ作のラーメンを選び、両者は引き分けでした。
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