2回目でもおいしい!目がテン!?ライブラリー


太陽 の光でお米炊き!  #570 2001/02/25

 今回の「目がテン!」のテーマは、ずばり“太陽”。実は番組史上、すでに2回テーマになり、さらに、「赤外線」「紫外線」などいろんなテーマでも登場しているテーマです。そこで今回の「目がテン!」では、これまでの放送からもえりすぐりの名場面を紹介、もちろん新ネタも紹介し、いままで見逃した人もこれさえ見ればOK、という“太陽の科学決定版”をお送りしてしまいます!

 太陽からもたらされるものとして、まずは赤外線を取り上げます。赤外線は目に見えない、ものを暖める働きの有る光線なのです。虫眼鏡で光を集め、紙を焼いた経験はどなたにも有ると思いますが、あれも赤外線を集めていたのです。

 そんな赤外線を利用して、なんと太陽光だけでお米を炊くという達人を、「目がテン!」は発見しました。用意するは、「そーらぁ〜ばーど」なる調理器具。アルミ箔を貼ったベニヤ板で赤外線を反射させ、底を黒く塗ったお釜に熱を集めます。太陽が高くなった11時半、ついに実験開始です。するとわずか12分後にはお釜からはコトコトと音がしてきました。それからさらに15分後、見事ご飯が炊けました。光の焦点の温度を測ると、その温度はなんと278℃

そーらぁ〜ばーど全図  さらに過去の「目がテン!」を探ると、今から10年前、凄いものを溶かしていたのです。太陽の光をパラボラアンテナのような集光器で一気に集める巨大な装置で光を集めます。焦点の温度は実に4000℃。ゴルフのパターを置いてみると、あっという間に溶けてしまいました。恐るべし赤外線!

 「目がテン!」の調査によると、50人中30人、6割の方が冬でも日焼け止めを使用していました。実は冬でも紫外線は無視できないのです。特に波長の長い紫外線の量は、一番多い春先に向けて2月の下旬頃から、急激に増加します。街の紫外線量を計測すると、日の当たる場所で32.9、日の当たらない日陰でも3.5もの紫外線が検出されました。実は、太陽から直接やってくる紫外線は約40%で、残りは散乱光といって大気中の微粒子に反射して直射光とは異なる様々な角度から日陰に届くのです。ちなみに、スキー場で日焼けするのは、これらの2つに加えて、雪からの反射があるためなのです。ところで紫外線は、どのように日焼けを起こすのでしょうか?秘密は肌の中にある、メラノサイトという細胞にありました。このメラノサイトに紫外線が当たると、活性化してメラニン色素を作るのです。こうして作られたメラニン色素が、肌の表皮細胞に取り込まれ、肌が黒くなるのです。しかし紫外線を浴びすぎると、肌の角質が痛み老化や皮フガンの原因にもなってしまいます。ご用心。

 また近年、フロンガスなどによってオゾン層が破壊され、地球に降り注ぐ紫外線量が増えていることが問題になっていますが、実は紫外線自体がオゾン層を作っていたのです。紫外線は大気中の酸素分子を分解してオゾンを作り出しているのですが、それよりもオゾン層の破壊されるスピードの方が早いため、オゾンホールが生まれてしまうのです。

所のポイント紫外線から地球をまもるオゾン層を作っていたのはしがいせんだった!


隠し文字の絵葉書  太陽がもたらしてくれるもので意外なものが有りました。それは、なんです。そんなバカな、と考えるあなたにこんな実験。スタッフが、普段はごちゃごちゃした模様にしか見えないのに、トンネルの中で見ると文字が浮かびあがる不思議な手紙を作っちゃいました。トンネルの灯りは、ナトリウムランプというオレンジ色の光を出すものです。するとオレンジ一色の世界では、緑と黒は黒に、オレンジと白はオレンジ色に見えるのです。ここに色の謎を解き明かすヒントが有ったのです。目に見える可視光線は、ご存知のように分光器を使うと7色に分かれます。実はヒトは、物が反射する光の色をモノの色として認識しています。それぞれの色の光のなかでは、赤なら赤、青なら青の光を反射するもの意外は皆黒く見えてしまうのです。私達が住む世界がカラフルなのも、太陽の光に様々な色があるおかげで、これも太陽の恵みの一つだったのです。

 1998年、日本は太陽光発電の導入量で世界一になりました。しかし太陽光発電って、家庭用以外どんな所で使われているのでしょう?矢野リポーターが街に繰り出すと、交差点の地面に埋め込まれた警告灯や、道路標識など意外なところに太陽電池が見つかったのです。これらは昼の間に充電して、夜になると暗さを感知して光りだすというものです。

 ところで太陽電池とは、何から出来ているのでしょう?太陽電池の材料は、石に含まれるシリコンと呼ばれる物です。シリコンはケイ素とも呼ばれる物質で、地殻中に約28%も含まれています。この石から不純物を除き、薄い板状にして太陽電池は作られます。太陽電池は、太陽光の中の、主に可視光線に反応します。シリコン原子には、外側に外れやすい電子があり、これに可視光線が当たると、束縛がはずれて電子が飛び出します。こうして電子が動くことにより、電気が流れるのです。

 自然環境にもやさしく、元手も要らずで、太陽光発電こそ未来のエネルギーのように思えます。しかし太陽光発電には意外な弱点が有ったのです。それは。太陽光発電は天候によって発電量が変動してしまうのです。そのため太陽光発電導入量世界一の日本でも、総発電量におけるそのシェアは、98年に推定0.005%と、大変少ないものです。しかし雲の少ない砂漠地域での発電や、さらには雲の全くない宇宙空間で人工衛星を使って太陽光発電を行い、電波の形で地球に電気を送ろうという壮大な計画など、太陽光発電には大きな期待が寄せられています。なんといっても太陽から地球に降り注ぐエネルギーは、毎秒40兆kcal!40分集めると人類全体の1年間の電力の使用量と同じという莫大なものです。太陽光にはまだまだ無限の可能性があるのです。

所のポイント太陽光発電には、光り輝く未来が待っている!




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