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 サル vs シチメンチョウ  #660 (2002/12/08) 

 クリスマスまであとわずか。クリスマスといえば、欧米のごちそうはシチメンチョウの丸焼き。そこで今回の「目がテン!」ではこのシチメンチョウを取り上げます。

伸びた肉垂  久々登場の科学の素浪人、矢野左衛門。1000羽のシチメンチョウを飼っている石川県門前町に出向きました。そこでシチメンチョウを見てみると、オスのくちばしの上から、何やら毛の生えた肉の固まりがぶら下がっています。その名も肉垂(にくすい)と言い、なんと伸び縮みするという奇妙奇天烈なものです。
 この肉垂、どういう役割を果たしているのでしょう。矢野左衛門が持参したシチメンチョウを、門前町のシチメンチョウの群れに入れてみました。すると矢野左衛門のシチメンチョウが、激しくほかの鳥を攻撃しているではありませんか。その時肉垂も伸びていました。肉垂は力の象徴だったのです。シチメンチョウは一夫多妻制。強いオスがメスを独占するので、このように強さを肉垂で表さなければならなかったのです。

 さらにシチメンチョウを暖かい部屋に入れ、温度を上げていった所、またもや肉垂が伸びました。サーモカメラで見ても、真っ赤になって放熱していました。もう1つ役割が有ったのですね。

所さんのポイント
シチメンチョウのオスの肉垂は、強さの象徴であり、また温度調節の役割も果たしている。

シチメンチョウ  シチメンチョウという名、それは顔の色が赤や青に変色することから来ていました。しかし血液の色である赤い色はまだしも、青い色はどのようにして出しているのでしょう?皮膚の組織を調べても、なんと青い色素は出てこなかったのです。
 これは空が青く見えることと同じなのです。太陽光のなかで青い色だけが空気中の細かいちりなどにぶつかり散乱するので、空は青く見えます。シチメンチョウの皮膚の中でも、脂肪の層に青色だけが当たり散乱するのです。このような現象をチンダル散乱と言い、外国人の方の青い瞳も同じです。

 シチメンチョウについて調べていたら、新聞で面白い記事を発見しました。なんとシチメンチョウがサル撃退に役立っているというのです。そこで猿を3頭、ひもで縛ってそこにシチメンチョウを3羽連れてきました。するとサルは確かにパニックになったのです!
 これはサルとシチメンチョウの声の、そのピークとなる高さがよく似ているため。サルは自分の姿と似ても似つかないシチメンチョウが自分の声を出すので驚くそうです。なので声だけを録音したのでは自分の声とだけ思うのでダメ。さらにいずれは慣れてしまうのでご注意を。

所さんのポイント
サル退治にシチメンチョウは効果が有った!ただし実物を必ず連れてくること。


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