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化学賞W杯’02名珍場面
#662 (2002/12/22)
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2週に渡ってこの1年間の名珍場面を振り返る総集編、2週めの今回は“目テン!の出来事”と題して、この1年のニュースと「目がテン!」の取り上げたネタの意外な共通点(!?)をご紹介します。スタジオにはなんと、ニュース解説の橋本五郎さんまで迎えてしまいました。
まずは“今年の政治と目がテン!”編。鈴木宗男被告の一連の疑惑は記憶に新しい所。まさにこれは“身から出たさび”そこで「さび」の回。実はルビーは、アルミニウムのさび(酸化物)が地中で結晶化してできたものだったのです。そこで「目がテン!」はアルミニウムのさびから、なんとルビー刀を作ってしまいました。
さらに今年は小泉首相が北朝鮮を訪問ました。歴史的な“訪朝(ほうちょう)”。そこで取り上げるのが「包丁」。実は包丁は、硬い鋼と軟らかい軟鉄の2種類の徹で出来ていたのです。「目がテン!」ではそれぞれ1種類の鉄だけの包丁を作ってみましたが、軟鉄だけは折れ曲がり、鋼だけはボキっと折れそう。2種類使う事で、刃が丈夫で、かつ折れにくい包丁が出来るのです。
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ほとんど政治には関係ないかもしれませんが、戦後最大級の台風21号が日本を直撃したのも今年でした。「湿気」の回では、シリカゲルの恐ろしい威力が明らかになりました。今回スタジオでは、びしょ濡れの新聞紙がシリカゲルの中に1分入れただけでカラッカラに。これには所さんもゲストの橋本さんもビックリ!
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シリカゲルで、ウェットティッシュは30秒、新聞紙は1分、Tシャツも5分で乾く!
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続いては“今年のスポーツと目がテン!”編。今年はやはりサッカーワールドカップ!「目がテン!」も「ゴールキーパー」を科学しました。キーパーはボールが蹴られる前にすでにボールの方向がわかっているのです。これは蹴る人の目線と軸足の方向を読んでいるからだったのです。
野球界では巨人の日本一。就任1年めにして頂点に立った原新監督の目には涙が…ということで「涙」。目の上を流れる涙はその後どこに行く?という謎に矢野さんが体を張って答えました。鼻の中に内視鏡を入れ、赤い目薬を垂らすと、なんと鼻の中から出てきたのです。涙は鼻へと抜けていたのでした。
最後に“今年の人気者と目がテン!”。今年のヒット「おさかな天国」。確かに「目がテン!」も色々な魚を科学しました。その中でも記憶に新しい「タラ」の回から、“鱈腹(たらふく)食う”の語源の謎をご紹介。同じ大きさのサケと比べてきてもタラ(マダラ)の胃袋は倍以上の大きさがあったのです。タラはこの巨大な胃袋で、なんでも丸飲みにしていたのでした。
そしてノーベル化学賞田中さん。田中さんといえば、いったいどんな研究でノーベル化学賞を受賞したのでしょう。カンタンにご説明します。
人体の、水分を除いた部分の半分を占めるタンパク質。その種類はなんと10万種類にもなります。この分析のためには、タンパク質にレーザーを当て、電気を帯びたタンパク質が検出器にくっついていく、その時間差を測ったのです。軽いたんぱく質に比べ、重いタンパク質は時間がかかるのです。
しかしタンパク質にレーザーを当てると、タンパク質が壊れてしまうので、衝撃を防ぐ緩衝剤を加えなくてはなりません。この緩衝剤を発見したのが田中さんだったのです。しかもそれは、コバルトに、誤ってグリセリンを加えたため発見できたという、いわば偶然の産物だったのです。
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タンパク質の分析が進めば、医学も進歩する!これからはタンパク質の時代とも言われている。田中さんはそこにひと役買ったわけなのだ。
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