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珍味!?イソギンチャク
#680 (2003/05/04)
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磯遊びに海に出かけることが多くなるこの季節。そんな時見かけるのがイソギンチャク。海外では“海の花”という表現がされる人気者。いったい何物なのでしょう?
イソギンチャクは、エビや小魚をエサにして食べます。ではどのようにして食べるのでしょう?そこでイソギンチャクのいる水槽の中にこれらの生物を入れてみました。すると、イソギンチャクの手のような器官、触手に触れたとたん生物は動かなくなったのです。この後イソギンチャクは体の中央にある口に生物を持って行き食べてしまいました。実はこの触手の表面には、刺胞という触れると針を出し毒を注入する器官が有ったのです。この刺胞、クラゲやサンゴにも有ります。イソギンチャクはこれらの仲間、刺胞動物なのです。
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イソギンチャクは刺胞動物。その形から逆さまにしたクラゲとも呼ばれている!
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イソギンチャクと仲がいいのが、小さな魚クマノミ。イソギンチャクの触手の中に身を潜めている映像をご記憶の方も多いはず。いったいなぜクマノミは、食べられてしまうこともなくこうしてイソギンチャクの中に入っていることが出来るのでしょう?
あのしま模様が目印?ということでクマノミの模型をイソギンチャクに近づけてみました。すると模型はしっかり刺胞に刺されていました。見た目ではないようです。
そこで今度はクマノミの表面の粘液をふき取ってみました。するとクマノミはイソギンチャクに全く近づかなくなりました。クマノミの粘液を調べてみると、その粘液は酸性多糖類、これはイソギンチャクとも同じです。これに対し大半の魚の粘液は中性多糖類。クマノミはイソギンチャクと同じ粘液を持つことで、身を守っていたのです。
イソギンチャクと共生しているのはクマノミだけではありません。イソギンチャクをハサミに挟んでいる体長1.5cmのキンチャクガニ。挟まれているのはカニハサミイソギンチャク。キンチャクガニは敵が来るとこのイソギンチャクを差し出し、その刺胞の毒で自らを守るのです。
そしてヨコスジヤドカリもイソギンチャクを背負い、やはりその毒で身を守ります。そしてヤドカリは引っ越しの時、イソギンチャクを古い殻から引っぺがし、共に引越しするのでした。
なんとイソギンチャクを食べている地方があったのです。それは福岡県柳川市。食べているのはイシワケイソギンチャク。このイソギンチャクを、唐揚げ、湯びき、味噌煮、味噌汁などにして食べるのです。なんとスタジオでもイソギンチャク料理が登場しました。所さんが果敢に試食、なんと磯の香りがして、歯ごたえも良く、結構おいしいとのリアクションでした。
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イシワケイソギンチャクはアサリの稚貝などをエサにしていることもあり、磯の香りがしておいしかった!
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