知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


夏に活躍!? 二酸化炭素
第745回 2004年8月15日


 今年の夏は猛暑その原因は増え続ける二酸化炭素にあるのではと言われています。その削減が人類にとって今課題の二酸化炭素。しかしうまく使えば結構役に立つんです。人類の敵なのか味方なのか?話題の二酸化炭素の正体を解き明かします。

 夏に大活躍の保冷材、ドライアイス。このドライアイスも実は二酸化炭素を固めたものなのです。ではこのドライアイス、いったいどのように作るのでしょう?
 工場などで燃焼し発生した二酸化炭素に、まずは高い圧力をかけます。すると二酸化炭素は液体に変化します。二酸化炭素は高圧下で液体になる性質があるのです。そしてこの液体の温度だけを下げ、さらに急激に圧力を下げました。すると液体だった二酸化炭素が固体になったのです。圧力が下がったために温度も下がったのです。これがドライアイスなのです。

融け始める酸素の固体  しかし人類の敵といわれている二酸化炭素でなぜわざわざドライアイスを作るのでしょう?どうせなら量も多く害の無い、酸素や窒素で作ってはどうでしょう?そこで「目がテン!」が地上で最も冷たい物質と言われる、約マイナス270度の液体ヘリウムで、これらの気体を固めてみました。すると酸素と窒素のドライアイスが出来たのですが、いずれも常温ですぐ気体になってしまいました。二酸化炭素は液体や固体になりやすい物質、なのでドライアイスにも最適というわけです。

所さんのポイント
ポイント1
二酸化炭素は圧力や温度を変化させることで液体や固体にも変化しやすい物質だった!

悶絶する所さん  炭酸飲料の炭酸、これも実は二酸化炭素なのです。たとえばコーラには、1缶でなんと3.5缶分の二酸化炭素が含まれているそうです。
 しかし人はなぜ炭酸飲料を飲むのでしょう?所さんが普通の2倍の量の二酸化炭素の入った炭酸水をスタジオで試飲しました。すると痛くて飲めません。通常の炭酸の量だと適度な痛みとなり快い刺激となるのです。これが炭酸飲料の飲まれる理由なのです。

 さらに炭酸水は、なんとスポーツ選手の筋肉疲労回復に使われているというのです。サッカーのイタリア代表の選手も使っているのだとか。そこで「目がテン!」では2人の学生さんに30分の運動後、普通の水と炭酸水を飲んでもらいその尿のph値を測定しました。すると炭酸水の方が尿の酸性度が高かったのです。これは筋肉にたまる疲労物質である尿酸が、炭酸水に含まれる重炭酸によって体外に排出されるため、尿が酸性になるのです。尿酸が排出された結果、疲労回復につながるというわけです。

所さんのポイント
ポイント2
炭酸水には筋肉の疲労回復効果が有った!

 とはいえ地球温暖化を防ぐために減らさなくてはならない二酸化炭素、そこに思わぬ秘密兵器が登場しました。なんと二酸化炭素でお湯を沸かし、結果的に二酸化炭素を減らすという給湯器。その名はエコキュート。液体の二酸化炭素を外気温で温め気体に変化させ、これに高圧を加えることでさらに高温にし、この熱でお湯を沸かすというもの。二酸化炭素の三態変化(気体、液体、固体)のし易さを利用したこのシステム、電気の消費量も少なく、引いてはエネルギーの節約、そして二酸化炭素の削除にも繋がるのです。



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