長生き?
ポインセチア
第760回 2004年12月12日
クリスマスシーズンを飾る植物
といえば、前回取り上げたモミと、もう1つが
ポインセチア
。赤と緑のコントラストが素晴らしいこの植物、意外な秘密が色々あったのです。
そもそもポインセチアは、1825年に
外交官のポインセットさん
がアメリカに持ち込んだことから、ポインセチアという名前が付きました。冬の寒い時期に、ここまで色鮮やかな赤と緑を持つ植物は貴重なので、またたく間にポインセチアは広がったそうなんです。
しかし、
ポインセチアは春までもたない
というイメージがありますよね。そこで佐藤アナも自宅でポインセチアの栽培に挑戦。ベランダに並んでいるパンジーやキンギョソウの横に置いて観察を始めました。すると数日後、ポインセチアだけ枯れてしまったのです。
実は、
寒い時期にポインセチアを育てるには、温かい部屋に置かないといけなかった
のです。その証拠にポインセチアを気温3℃、5℃、10℃、15℃に設定した環境に置いてみると、3℃、5℃は1晩で、10℃は1週間で葉がしおれ、15℃に置いたものだけが元気に育ったのです。
佐藤アナ、気を取り直して、今度はちゃんと部屋の中で育てました。しかし、こまめに水やりもして大事に育てていたところ、数日後またもや枯れてしまったのです。一体、なぜなのでしょう。
実は、
ポインセチアの原産はメキシコ
で、日本より暑く乾燥した
熱帯サバンナ気候の植物
だったのです。そういうわけで、
ポインセチアには寒さや水のやりすぎは厳禁
だったのです。
ポインセチアは熱帯サバンナ気候のメキシコ原産。
暑さと乾燥を好む植物だった!
ポインセチアは
うまく育てれば越年し大きく成長する
というのです。そこで、日本で一番長寿だと言われているポインセチアを見に、矢野さんが植物園の温室へ。そこにあったのは、幹の長さ5メートル83センチ、幹回り36センチの巨木。驚くべきことに、
ポインセチアは木だった
のです。この巨木は、樹齢およそ30年!
さらにポインセチアは、
他の木に比べて成長が早い
というのです。3年めの木を同じ3年めのスギと比べると、その差は歴然。
しかし、なぜ成長が早いのでしょうか。その理由は、
内部が空洞になっていて
余計な栄養を使わないから。ポインセチアは大きく成長しても約10メートル程度なので、中が空洞でも支えられるのです。これは、
成長の早い竹と同じつくり
なのです。
なんとポインセチアは木だった!
しかも竹と同じように内部が空洞になっていて、その分成長が早いのだ!
ポインセチアといえばあの赤い色。しかし、実は
あの赤い部分は花ではなかった
のです。ポインセチアが緑色から赤くなる過程を観察すると、
赤い花びらのようなものが生えてくる
と同時に、その中心から小さなつぶつぶのようなものも出て来たのです。
実は、この
つぶつぶこそがポインセチアの花
なのです。そして、その周りの
赤い部分は苞(ほう)と呼ばれる葉が変化したもの
。しかし、この赤い苞は、なぜ花と一緒に生えてくるのでしょう。
そこで、赤い苞が出てきたポインセチアとこれを取り外したポインセチアを用意して、そこにチョウを放してみました。すると
赤い苞がついたポインセチアには次々とチョウが寄ってきた
のですが、赤い苞がついていないポインセチアには全くチョウが寄ってこなかったのです。
実は、ポインセチアは
花が小さいので、苞を赤くすることで虫や鳥を受粉のために引き寄せていた
のです。