スリランカ
宝石編
第1190回 2013年8月11日
目がテン夏休み海外特集!今年の国は、スリランカ!
第2弾の今週は、宝石に隠された謎を科学の力で解明しちゃいます!
①青くない!ブルーサファイアの正体とは!?
②なぜ紫外線の中でルビーは赤く発光するの?
③科学の力で目がテン特製宝石はできるのか!?
①青くない!ブルーサファイアの正体とは!?
ブルーサファイアといえば、青く輝く人気の宝石ですが、スリランカの採掘場で見せてもらったのは、ただの白っぽい石。実は、この白い石を釜で焼いて、美しく輝くブルーサファイアに仕上げていくんだとか。職人の方によると、火加減を調節しながら火を強め、1800℃程度になったら、今度は徐々に温度を下げ冷やしていきます。その時間、およそ10時間!その後、この石を研磨することで美しく輝くブルーサファイアになるんです。でも、一体なぜ、加熱すると青い色に変わるのか?
そもそも、ブルーサファイアのほとんどは「酸化アルミニウム」であり、そこにわずか1%の酸化鉄と、0.1%の酸化チタンが混ざる必要があります。さらに、ブルーサファイアになるためには、地中深くの熱や圧力で、そのすべてが溶けて混ざり、ゆっくりと冷えて結晶化し、青い輝きが生まれるんです。しかし、冷え方がうまくいかずチタンや鉄の一部がアルミニウムとうまくくっつかないことがあります。すると、きれいな青色にならないんです。
加熱前の石を顕微鏡で見てみると、石の中に黄色いスジが。実はこれが、別に結晶化した鉄やチタン。実は、それぞれの融点が違うため、溶けるのはチタンと鉄だけ。アルミニウムは溶けないんです。チタンと鉄だけが溶ける温度で一度加熱し、ゆっくり冷やす事で全体が混ざり合って、白からきれいな青に色が変わるんです。
主成分がアルミニウムの宝石は、赤以外はすべて「サファイア」と呼ばれ、赤だけが「ルビー」と呼ばれる。混ざる元素の割合が変わったり、別の元素が混ざることで違う色になるのだ!
②なぜ紫外線の中でルビーは赤く発光するの?
赤く輝く宝石「ルビー」。実はこの宝石について、ある伝説が・・・。それは、「大洪水の中、彷徨っていたノアの方舟。明かりひとつない暗闇の中でノア一家をルビーの赤い炎だけが照らしてくれた」という話。では、伝説通り、本当にルビー自体が発光するのか?実験開始!
ルビーとプラスチック、布など様々な素材でできた赤い物を集め、ここに紫外線ライトを当ててみると・・・なんと!本当にルビーだけが赤く光っている!これは一体どういう事なのか?専門家に伺うと、紫外線のような強い光を受けると、ルビーの中の電子エネルギーが急激に高まります。しかし、その状態は長続きせず、また、元の状態に戻ろうとするんです。その時、余ったエネルギーを光として放出し、ルビーが発光するという事なんです。
ルビーが発光するのは、エネルギーが高まった電子がもとに戻ろうとする時に放出される“光”だったのだ!
③科学の力で目がテン特製宝石はできるのか!?
科学の力で、目がテン特製ルビーを作りたい!ということで向かったのは、人工宝石などを研究する産業技術総合研究所。お願いしたのは、目がテンの「目」の漢字をルビーやサファイアを使ってかたどった宝石。議論すること2時間・・・棒状に結晶化させた宝石を6本組み合わせて「目」という漢字を再現することに決定。ポイントとなるのは、ルビーとサファイアの2種類の色を同じ石で作るところ。2つの色で1つの宝石。不可能を可能にするミッションがスタート!
まずは、それぞれの原料を混ぜ、棒状に固めます。約1000℃で素焼きし、6つの原料のパーツが完成。その後、2000℃を超える温度で、原料を溶かすことができる特別なマシンの中に、原料を吊るします。ここで、地中の奥深くで起きていることを再現し、人工的に宝石を結晶化させます。まずは、約2000℃の熱で原料の棒を溶かしていきます。そして待つこと10分、棒が溶け始めました。さらに、溶けた金属が結晶化を開始。この後、温度を少しずつ下げ、ゆっくり結晶化させていきます。
温度を微調整する難しい作業、ここで失敗することも多いそうです。
そして遂に、目がテン特製宝石が完成!!
しめて、約7カラット、目の文字はルビー、そして目の中の穴は、透明のサファイアで作られています。目がテン特製「目」ジュエリー作りは、見事成功!
番組に対する、ご意見、ご感想等ございましたら、番組メールボックスの方にお寄せ下さい。
宛先は、
megaten@ntv.co.jp
です。
原則、質問にはお答えできませんが、頂いたメールは、番組スタッフが閲覧し、今後の番組作りの参考にさせていただきます。