DIY
の科学
第1235回 2014年7月13日
家具など、家や生活に必要なものを自分で手作りする『DIY(Do It Yourself)』。今回は、誰もが思わずハマっちゃう!魅惑の「DIY」を科学します!
①話題のDIY!なぜハマるのか?
老若男女、広い世代でハマる人が増えているDIY。ハマっている人に話を聞くと、一度やってみたらハマった!という意見が多数!それはどうして?
そこで、こんな実験!今まで、DIYをしたことのない男女4人に初挑戦してもらい、どこに魅力を感じるのか、観察します。作ってもらうのは、30センチ四方のボックス。それぞれのテーブルには、道具と材料の板を用意、もちろん自分一人で作ってもらいます。
普段、触ったこともない工具。やはり、初心者の皆さん、うまく使えないようです。最初の難関、板を切る作業を終え、やすりがけして組み立てると・・・ズレたり、ゆがんだりしてますが、全員完成!
一度やるとDIYにハマるとのことですが、全員「やりたくない」と解答!心理学の専門家に話を聞いてみると…「結果として出来栄えがあまりよくなくて、でも労力はとても掛ってしまっている。その割にはこんな出来になってしまったということで、喜びに繋がらなかった」とのこと。確かに、かなりキビシイ出来上がり。皆さん、出来栄えが悪かったのでもうやりたくないと思ったようです。
そこで、あるものに注目!実は最近のDIYブームの立役者と言われるものがあるんです。それが、電動工具!初心者でも簡単に使えるものがたくさん出ていて、売れているそうなんです。
この電動工具を使って作ると、どうなるんでしょうか?初めての電動工具に、おっかなビックリの様子。ところが…全員、作業中も楽しそう!そして、箱が完成。出来栄えにかなり満足な様子。最初は、ゆがんだ箱を作った女性も電動工具だと、ご覧のようにまっすぐで隙間がありません!
さあ、今度は、またやりたいと思うのでしょうか?なんと、全員が、また「やりたい」と回答。見事、DIYに興味を持ったんです!最近のDIYブームの裏には、初心者でも、最初から一つ一つの成功体験を得ることができ、高い完成度のものを作ることができる電動工具の力があったんです。
簡単に使える電動工具がDIYにハマる理由だったのだ!
②DIY女子はどんな楽しみ方をしている?
今、急増中だという「DIY女子」!女性向けのDIYの本や雑誌もあり、さらに、「DIY女子部」といった教室やサークル活動も行われています。そこで、DIY女子を直撃!DIY大好き女性のサークル「DIY女子部」!全国に4か所あり、10代から60代までが所属、会員数はなんと1700人以上!ほとんどが主婦の方だそうです。
皆さん、おしゃべりしながら、いつも賑やかにDIYを楽しんでいらっしゃるそうです。先生曰く、他にも女性ならではの楽しみ方があるというんです。DIYの女性ならではの楽しみ方って何!?さっそく実験です!
比較のため、まずはDIYをしたことのない男性に、DIYで本立て作りにチャレンジしてもらいました。作る本立ての見本は、見えるところに置いておきます。各自のテーブルには、いろいろな電動工具や、飾り用のアイテムに絵の具やペンキを用意。全て自由に使って作ってもらいます。
真ん中のブース、2番の男性、見本を見ながら、作業してします。3番の男性も、1番の男性も見本を見ています。1番の男性に至っては、見本の寸法を正確に測っていました。そしておよそ1時間で、完成!3人の作品を見てみると、見本とほとんど変わらない、キレイな出来になりました。
続いて今度は女性の番。こちらもDIY初めての3人です。同じく、自由に材料を使ってDIY!皆さん、最初は見本を見ていましたが作業が進むとほとんど見本は見なくなりました。そして1時間半後、完成したのはこちら!
1番は、中央にバラのイラスト。サイドにはタイルの飾り。2番は、パープルとピンクに塗ったサイドには、かわいい猫のイラストが。そして、3番も大きくアレンジ!タイルで描いた目と鼻に。
男女で、できあがりにこんなに差があるのはなぜ?専門家によると、これは、セルフディスクロ−ジャーというものだそう。日本語では自己開示、と言い、自分の内面を人に示すという意味。男性よりも、女性の方がその傾向が強く出ます。今回の実験の場合、男性は箱を箱としか考えないのに対して、女性は箱も、自分を表現している、あるいは自分そのものと捉える傾向がある為に、そうした違いが出たのではないかと考えられるそう。
DIY女子部でも、同じ傾向が見られたんです。作っていたのは、調味料ラック。先生の見本はあるのですが…皆さん、どんどんオリジナルでアレンジしていきます。見本の面影がないほど個性的にアレンジ。ここにも、女性ならではのセルフディスクロージャーが現われていたんです!
女性の方が、自分を作品で表現したいという思いが強い分、個性的なDIYを作るのだ!
③究極のDIY女子のお宅訪問!
こちらが究極のDIY女子、新岡沙季さんのお宅。玄関を入ってすぐに目に飛び込んだのは、カラーボックスを2つ、横にしてつなぎ扉を付けた靴箱。元は茶色のごく普通の玄関が、見違えるような洋風のホールに変身。殺風景な廊下も白く、オシャレに!こちらの階段も、全てDIY!昭和の香り漂う、こちらのトイレが…一転、青い壁と飾りで、ヨーロッパ風のオシャレな空間へ。
実は、こちらは、元は中古の日本家屋。2年ほど前、家一軒を全部DIYしたいとワザワザこちらを購入したそうです。和室の障子は、紙を剥がし、目隠し用のシートを貼って洋風の窓に。プロ顔負けの腕前ですが、実は誰にも教わらず、すべて独学だそうです。キッチンは、メキシコの家庭を勝手にイメージ、黄色で統一しました。鍋や食器を飾って見せる棚も自慢。スゴイ発想力です!
DIY女子、恐るべし!女性のDIYのスゴさは自由さなのだ!
④元・大工見習いのユージが伝授!超簡単DIYのコツ
簡単なテーブルを作ります。
まずは、天板を好きな大きさに切ります。ここで大事なことが!
コツその1「年輪の向きを知れ」
板の切り口を見ると、年輪が見えます。この年輪の向きで、上側を木表、下側を木裏といいます。大事な理由は年月が経つと木表が反っていくからなんです。反りが大きいと、木裏は、割れることもある為、テーブルの天板は、木裏を下にする方がいいんです。
続いては、天板に脚を付けます!
脚は、接着剤を付けてから、ネジで留めていきますが…
コツその2「ネジを入れる前に下穴を開けよ!」
下穴とは、ネジを入れる前にドリルなどであらかじめ開けておく穴のこと。ネジをまっすぐ入れるためには、不可欠なものなんです。下穴の大きさは、ネジの太さの6割から7割くらい。ネジを入れる深さの分だけ開けておきます。さらに、下穴にはもう一つメリットが。木材加工の専門家によると「下穴をあけると、強度が違う」とのこと。下穴を開けずに、ネジを入れ込んだ場合、木を破壊しながらねじ込むようになります。断面を見てみるとこんな感じ。
下穴をあけたものと比較すると、下穴なしは、ネジを入れた場所の木がささくれだっています。こうなると、木が割れてネジが抜けたり強度が小さくなりやすいんです。
ここでひとつ、簡単オシャレな裏技!使うのは、先が尖った太めのドリル。ドリルで深さ1センチ程の穴を開け、そこにネジを入れていきます。するとネジの頭が深めに埋もれます。この方法で、全ての脚を留めたあと、穴に「ダボ」と呼ばれる丸棒を、穴に入れて打ちこみ、のこぎりでスライスするように切ると…とってもオシャレに!仕上げに電動ヤスリで表面を滑らかに整えます。
簡単にまねできるから、みんなも楽しいDIYにチャレンジしてみるのだ!
番組に対する、ご意見、ご感想等ございましたら、番組メールボックスの方にお寄せ下さい。
宛先は、
megaten@ntv.co.jp
です。
原則、質問にはお答えできませんが、頂いたメールは、番組スタッフが閲覧し、今後の番組作りの参考にさせていただきます。