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モノマネ の科学
第1252回 2014年11月16日


①人と機械でW審査…出川哲朗モノマネ選手権

 モノマネ芸の「しゃべり」は本人とどれだけ似ているのか!?第1回・ベスト出川ニスト大会を開催。出川さんをレパートリーに持つプロの芸人さんから、素人の方まで総勢15人が集結し、本人とモノマネがどれほど似ているのか審査を行います。
 出川さん本人が見守る中、大会スタート。最初の「清水たぁ〜」さんは見た目も芸もソックリで出川さん本人も感動の様子。モノマネが終わったところで採点です。判定を行なうのは、審査員10名。1人10点、合計100点で評価。清水さんの得点は86点でした。しかし、今回はそれだけではなく最新の音声認識の機械でも採点。電話機を通じてモノマネの音声をパソコンに送り、事前に採った出川さんの音声サンプルと比較し100点満点で計測します。機械が出した清水さんの点数は…23点!低いようにも思いますが、通常は70点以上で本人と認証され、双子でも50点程度。30点でもかなり似ている方なんです。
 さらに大会が進み、似ている方からそうじゃない方まで皆さん、思い思いの出川モノマネを披露。そして、ここで真打ち「ホリ」さんが登場!出川さんも大爆笑のモノマネクオリティ。こうして大盛り上がりの出川ニスト大会が終了し、結果をみてみると・・・1位と2位はモノマネ芸人のホリさんと花香よしあきさんの2人ががっちりキープです。ところが3位以降で大きな違いがありました。例えば、人間部門で低評価の13位・15位だった大久保さん橋龍さんは、機械部門ではトップ5に。あの出川さん自身が驚いていていた見た目がそっくりな清水たぁ〜さんは、人間では3位だったのに、機械では8位だったのです。なぜ人間の評価と機械の評価にギャップが生まれたのか?人間の音声を研究している、東京工芸大学の森山准教授に協力してもらい、大会出場者の声を分析してみました。
 まずは、比較のために森山先生の声紋を見てみます。すると、ご覧の様に大きく波を打っていました。続いて出川さんの声を分析すると、幅が広く緩やかなカーブを描く声紋となりました。「やばいよ、やばいよ」と同じ言葉を発した声紋なのに、出川さんと先生はまったく違います。
 では、出川さんのマネをして19年、ホリさんはの声は出川さんに似ているのか?測定してみるとホリさんの声紋は出川さんの特徴をとらえ、幅広くゆるやかなカーブを描いていました。そして、人間の評価では3位だったのに、機械の評価では順位を落とした清水さんの声紋を測定すると大きく波打っていることが分かります。これは声の性質が違う事を表わしているのです。一方で、人間では13位だったのに機械では3位にランクアップした大久保さんのグラフを見てみると、出川さん達に近い事が分かります。つまり、大久保さんは清水さんよりも声の性質が出川さんに近かったのです。専門家によると、人は全ての要素を見ているのに対して機械は声だけの特徴を調べているので声が似ていないと機械は似ていると判定しない。そこが機械と人と評価が違った原因とのこと。

所さんのポイント
ポイント1
声が似てなくても、工夫やテクニックで面白いモノマネを似せることができるのだ!

②ざわちんスーパーメイクの秘密

 今をときめくそっくりメイクの「ざわちん」。そのメイクの凄さを検証するべく、日本テレビの女子アナの中で一番そっくりになれそうな人を選んでもらいました。すると…杉野アナウンサーが一番マネしやすいということに。ざわちんによると、杉野アナの特徴は眉毛と涙袋とのこと。眉毛は完コピするだけで本人の印象が出てくるそう。
 でも何故目元を似せるざわちんメイクはホンモノにそっくりだと感じるのでしょうか?専門家に伺うと「脳の中には顔だけを認知するFFAという特別な場所があるんです。そこが特に目に強く反応する。」とのこと。また、「目元は一番最初に見るところであり、非常に重要なところ。脳も反応するのが目の周囲。だから印象がダマされる。」そうなんです。
 では実際にどこまでそっくりになれるのか!?メイクをすること60分…最後にカツラとざわちんのトレードマーク、マスクを着けて完成です!ご対面した杉野アナ本人もビックリするほど似てたので、ある事をしてみました。まず、メイクしたざわちんを撮影し、杉野アナもマスクを着けて撮影。この写真を普段杉野アナと顔を合わせている同僚アナウンサーに見せるとどうなるでしょうか?見てもらうのは水卜アナ。第一印象でざわちんを杉野アナだと勘違いし大混乱。さらに桝アナにも同様の実験をしてみたところ、やはり勘違い。杉野アナに親しい人達でもざわちんメイクを第一印象で杉野アナだと思ったのです。
 それでは、人の顔を見分ける機械もだませるのでしょうか?まずは、顔認識装置に、杉野アナ本人の顔を登録します。そして、人の目を欺いたざわちんが、杉野アナの顔認証に挑戦。すると、流石に他人であるという判定が出ました。続いて、ざわちんの、メイク前とメイク後、まるで違う2つの顔を比較すると…同一人物だと認識されました。一般的に顔を認識する機械は、簡単に変化する髪型やメイクなどの情報では顔を判断しません。その代わりに、ほとんど変わることのない骨格、特に目の周りの距離や窪みを見極めて判断していたのです。

所さんのポイント
ポイント2
人間は目元の印象で顔を判別しているが、機械は印象の情報は排除していたのだ!

③モノマネ芸人の身体の秘密を科学のメスで大解剖

 モノマネ芸人は、一般人の身体と何が違うのか?科学の力で徹底分析します!モノマネ中のホリさんの身体はどうなってるのか観察です!?最初の検査に協力してくれるのは人間の話し声に関する研究を行っている、甲南大学の北村教授。わざわざMRIまで使って、ホリさんがネタをやっている時の口を撮影します。装置の中に入ったらモノマネ開始です。ホリさんがいろんなモノマネで「えー」と言っている時の状態をMRIで撮影。全部で9人のモノマネをやってもらったところ・・・専門家もビックリするほどバリエーションが豊富でした。
 例えばホリさんが一番楽な状態で「え」と言っている画像と、滝口順平さんのモノマネをしている画像を比べると舌に力が強くかかり盛り上がっている上、あごを前に突き出し、のどを絞めていることが分かりました。
 さらに中尾彬さんだと、のど仏を下げてスペースを広く取り低く太い声を作っていることが分かり、YOUさんのモノマネだと、口やのどのスペースがほとんど無くなってしまうほど締めていることが分かりました。モノマネレパートリーの秘密は変幻自在な口とのどにあったんです。
 さらに後日…諏訪東京理科大学、脳科学の篠原教授に協力していただき、モノマネをしているホリさんの脳の働きがどうなっているのかを観察します。その結果は…モノマネ中、脳が活発に働いていました。専門家によると、ものまねするといくつもチェックポイントがあるとのこと。モノマネはまず観察し、それを思い出して、さらに自分で再現までするという複数の作業を同時にこなすために脳トレとして優れていたのです。

所さんのポイント
ポイント3
モノマネは、脳トレやアンチエイジングに繋がるのだ!




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