田舎暮らし
の科学 ②
第1259回 2015年1月18日
番組では、自然を相手に研究を続けてきた科学者たちが、科学の力を使って田舎暮らしを実践すれば、誰もがやってみたくなる憧れの田舎暮らしを実現できるのでは?という壮大な長期実験を行っています。
前回までは、高齢のため東京都内に引っ越した柴田さんのご厚意で、茨城県常陸太田市の2000坪の土地をお借りしました。そして農業の専門家、東京農工大学の松村先生に企画に協力してい頂くことも決まり、土壌調査の結果、作物を育てるのに最適な土地だということもわかりました。
今回、新たな科学者が、目がテン流の田舎暮らしに合流し、科学者達による驚きの田舎暮らしがいよいよ本格的に動き出します!
①敷地を探索…ワクワクの発見連発!
土は問題ないことがわかり、次に松村先生は農業に使えそうなものが残っていないかを調べてみることに。すると3年間、放ったらかしで荒れた物置の中で井戸を発見!実は、この一帯はかつて池だったそうで、地下水が豊富にあるということ。つまりポンプで水を上げられれば、畑づくりの強力な武器になるはず。
さらに周辺に、どんな植物が育っているのか調査すると、庭の片隅でひっそりと実をつけていたカリンを発見!
古くから咳に良いとされ、砂糖漬けや果実酒にしても楽しめます。さらに、キウイも発見!外国の果物であるキウイがなぜ?実はこのキウイの木は、27年前、柴田さんが植えたもの。土地が荒れてしまった今なお、力強く実をつけていたんです。誰も世話していなくてもキウイが実をつけているとは、さすがPH6の土地!そして、その近くでは、荒れ放題だけど使えそうな温室も発見!冬の間、常陸太田は雪が積もりますがこの温室を上手く使えば冬でも作物を栽培出来る可能性が出てきました。
周辺を調査してみると農業に役立つものが色々残されていた!夢が広がるのだ!
②新たな科学者登場!
松村先生が周囲を散策していると新たな科学者が登場!「科学者たちの田舎暮らし」に名乗りを上げてくれた専門家、足利工業大学の根本泰行教授。水力、風力、太陽光など様々なエネルギーを利用し発展途上国ケニアにも明かりを届ける、自然エネルギーのスペシャリストです。早速見せてもらったのは、低い風速でも回る風車。風速1、8mで回るよう設計してあり風速4mで3Wくらい発電可能だとのこと。
さらに見せて頂いた、すぐに役立つ装置が「ロケットストーブ」。一斗缶をつなぎあわせただけに見える手作り感満載の装置ですが、実はこれ、煙突のような筒状の構造にすることで、熱が逃げず、それが強い上昇気流となり煮炊きや暖房として利用できます。従来の薪ストーブより格段に熱効率が良いものなんです。効率よく燃えるので薪の節約になるんだとか。火力もハイパワーでお湯が沸くのもあっという間。お茶を沸かすのにも、里山にいくらでもある薪や枯れ枝で燃料には困りません。
しかし、最大のポイントはこの強力な火力ではなかったんです!実はこれ発電も出来るというのです。発電の仕組みは、鍋の下がストーブの熱で熱くなるが、鍋の上は水が入っているため100℃より熱くなりません。その数百℃の温度差を使って発電する装置が鍋に入っているんです。使えば、ライトをつけたり携帯を充電することも出来ます。エコなロケットストーブに松村先生も感動!
根本先生も加わり、科学者たちの田舎暮らしはさらにパワーアップしたのだ!
③ロケットストーブが大活躍!
料理をしながら発電出来るロケットストーブを持ち込んだエネルギーの専門家、根本先生が「これを使って引越しソバでもどうですか?」と提案。常陸太田市の名産品の調査も兼ねて根本先生が車で山を降り、ソバを買い出しに行くことになりました。30分走り街に出てようやく見つけた魚屋さんで地元の名産品を聞いてみると、常陸太田市は江戸時代から続くソバの名産地との情報が。地元の人が、郷土の味として愛するのが名物・常陸秋そば!
山あいの傾斜地で、昼と夜の温度差が大きいという気候が、豊かな風味と強い甘みがあるそばを育てると言われています。収穫したての今がまさに食べごろの常陸秋そば。「けんちんそば」がオススメの美味しい食べ方ということで、地元食材を扱う直売所で名物常陸秋そばと里芋、人参、ネギなど地元の野菜を買い調理します。地元の野菜を煮て、麺つゆだけでシンプルに味付けなのに味は格別!来年はこの土地で穫れたもので、目がテンオリジナルそばが食べられるかもしれません。
農業の松村先生、エネルギーの根本先生と、強力な2トップから科学者たちの田舎暮らしが始まり今後の展開も楽しみなのだ!
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