全国から実験自慢が集結!第3回「実験グランプリ」!今回は、家でもできちゃうオモシロ実験満載!
夏休みの宿題に困っている良い子のみんな、自由研究の参考にもなりますよ!前後編、2回に渡ってお送りします!
①すぐマネできる!不思議で楽しいシャボン玉実験
1組目は、小学生を中心に、様々な実験を体験する科学塾「麻布科学実験教室」。創立38年目。生徒数は、およそ160人という人気教室なんです。この実験教室で、室長を務めるのが、この道25年のベテラン講師、阿部昌浩先生。子供たちを科学のトリコにする阿部先生が見せてくれる実験は…不思議なシャボン玉実験!これは、台の上に人形を置いて、その周りにシャボン玉を作るというもの。まずは、ユージさんが箸を使って、シャボン玉の中にある人形を割らずに取り出そうとするも…失敗。
続いて、阿部先生が挑戦すると…なんと割らずに人形を取り出しました。
先生によると、実は、手をしっかり、水やシャボン液で濡らすだけで割れないと言うんです。乾いた手だと触ったときに割れてしまいます。
シャボン玉の膜というのは、水の分子同士がくっ付いて出来ており、乾いたもので触ると、水分子同士が離れてしまい、割れてしまいます。しかし、水で濡らしたモノだと、そのモノについた水分とシャボン玉の水分がくっつき、離れないので、割れないんです。
続いて先生が取り出したのは、手袋。すると、阿部先生とユージさんが、シャボン玉でキャッチボールに挑戦!では一体、なぜシャボン玉を割らずにキャッチボールできるのか?ヒミツは、どこにでも売っている、「アクリル繊維の手袋」。
この手袋は、繊維が細かく規則的に毛羽立っており、シャボン玉が接する面の力が分散されるので、割れにくいんです。繊維の種類は何でもいいですが、毛足の長いものよりも、長さが均等に整っている化学繊維のものが比較的割れにくいです。さらに今度は、シャボン玉を空中に静止させる実験に挑戦!水槽にシャボン玉を作って入れると、沈まずふわふわ浮いたまま留まるというもの。実はこれ、水槽の中でドライアイスを気化させ、重い二酸化炭素が底にたまり、シャボン玉が沈まなくなったため。
ドライアイスは二酸化炭素なので気体になると空気より重いため、水槽の底に溜まっていたんです。そのため、シャボン玉はそれより下に沈まず、空中に止まったように見えているんです。
②偏光板で遊べるマジック!不思議でカワイイ実験
2組目は、長岡技術科学大学で活動する「Kawaii理科プロジェクト」。
味気ないイメージの理科を「かわいくオシャレ」に楽しめるよう、工夫をこらした様々なアイデアを生み出す理系女子プロジェクトチーム。代表を務めるのは、物理化学専門、吉武裕美子助教。
普段着る白衣も可愛くアレンジし、真っ白で無地だった定番の白衣を自由に可愛くデコレーション!実験にも可愛さをプラスしています。
彼女たちが見せてくれる実験は…ちょっと不思議でカワイイ実験!
さっそく取り出したのは…一本の半透明の筒。ここに指を入れると…なんと真ん中の黒い壁を通り抜けました!一見、黒い壁があるように見えますが、実はこの筒、縦から見てみると、黒い壁はありません。でも、さっきと同じようにみると、真ん中に黒い壁があるように見えます。実はこの筒、偏光板というものを使っています。
偏光板は、光の振動の方向をひとつに選ぶことができるシート。簡単に言うと、偏光板は細いスリットがたくさん入っているシートのようなものです。光というものは、縦方向、横方向などいろいろな方向に振動しながら進んでいきます。縦方向にスリットの入った偏光板に光を通すと、縦方向に振動しているものだけが通り抜けられるというわけなんです。
縦方向の偏光板を2枚重ねても、縦の光が通っているので、向こう側が透けて見えます。でも、一枚を90度回して、縦方向と横方向に偏光板を重ねると、向こう側が見えなくなり、黒くなってしまいました。
コレは、縦も横も光が通れなくなったからなんです。2枚の偏光板を、縦横それぞれの向きになるよう筒状に丸めて近づけると、縦と横が重なった部分が光を通さないために、黒い壁のように見えた、というわけなんです。
続いて、この偏光板を使ってカワイイ実験!1枚の偏光板に、セロハンテープを何枚か重ねてハート型に切り抜いたものが貼ってあります。
この上にもう一枚偏光板を重ねると…色がついてとっても可愛くなりました!では、なぜ色がついたのかというと…そもそも光というものは、実は、色々な色が混ざっているんです。光を分けるプリズムを通すと、白い光が、虹色になって出て来ていますよね。普段は色んな色が合わさって見えているので分からないですが、一つ一つの色を分けて見れば、色がちゃんと見えます。偏光板とセロハンテープを組み合わせるとその色を見えるようにすることが出来るんです。そもそも光は縦横斜め、色々な方向に振動していて、それぞれの方向にいろいろな色が混じっています。
最初に縦向きの偏光板を通ると、縦方向の光だけが通ります。通り抜けた光がセロハンテープに当たると、プリズムを通したように光が分かれて、さらにぐるっと回転します。この性質を「複屈折」といいます。色によってセロハンテープを通った時、回転の大きさが違います。
そのため、色ごとにバラバラになりました。最後に、横向きの偏光板を通るとき、横になった光だけが通り抜けます。さらに、セロハンテープの厚さによって見える色が変わるんです!例えば、1枚だけだと水色。2枚重ねると、重なった部分が紫に!3枚重ねると、黄緑色に見えました。重ねた枚数、つまり厚さによって様々な色が見えるんです。
ほかにも、光の色が回転する「複屈折性」を持つプラスチック製品を偏光板の間に挟むと…色んな色が見えました。これは、身近にある色々なプラスチック製品でもできるので、ぜひお試しあれ!
③お茶の水女子大学から参戦!親子で楽しめる不思議実験
3組目は、お茶の水女子大学サイエンス&エデュケーションセンターの露久保先生。今回、露久保先生が見せてくれる実験は…「音が見える実験」!これは、ご家庭にある「塩」を使ってできる実験なんです。
まず用意したのは、30cm四方の鉄板。鉄板の裏にはスピーカーが取り付けてあります。音が出る方が鉄板に向いています。
アンプをスピーカーにつなぎ、平らな台の上に置き、アンプはタブレット端末につながっていて、ここから音を出します。
そして鉄板の上に塩を撒きます。そして、音を出してみると…なんとあっという間に塩が幾何学模様に!続いて、今度は高い音を出してみると…別の模様に変化しました!実はこれ、「クラドニ図形」といって、ドイツの物理学者、クラドニ博士が行った実験を元に、物体の振動を見えるようにする方法なんです。音の振動が伝わったとき、鉄板には振動している部分としていない部分ができます。振動している部分からは塩が弾かれ、していない部分に塩が集まるため、このような幾何学模様ができあがったというわけなんです。低い音だと波長が長く、大きめの模様になり、高いと波長が短く、細い模様になるんだとか。このような装置が家になくても、料理に使うボウルに、黒いゴミ袋をピーンと張って塩をまけば、声でも簡単に振動を見ることが出来るんです!
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