1990年上半期▼2月 不思議シビれて超魔術 　#019　90/02/04 　全ての物には電気が有ります。普段はこの＋と−がつりあっているのですが、摩擦 などの刺激を受けた場合、そのいずれかが外れ帯電します。これが静電気なのです。 実は雷も静電気。大気中の摩擦により雲が帯電したものなのです。 　では、日常生活ではどんな時に静電気が起こるのでしょう。番組では2年め（当 時）の村山アナウンサーに一日静電気センサーをつけて測定。その結果、起床して布 団をめくった時に始まり、朝食で海苔の袋を開けた時、車のドアや部屋のドアのノブ を触った時、上着を脱いだ時、人と接触した時、カラオケのマイクを触った時 （!）・・・とその回数は実に１日に２４０回にも上ったのです。　 　静電気の威力は強力！帯電した所さんが指を油に近づけるとなんと点火し、鈴木ア ナが10万ボルトの静電気を帯電すると髪の毛が逆立ちました。 　そんな静電気ですが、上手に使えば役に立つのです。硬い人形で毛がふさふさしている物が有りますが、これは糊をつけた人形に静電気を帯電させそこに毛を付着させ ているのです。これは静電気植毛といわれています。スタジオでは鈴木アナに 体験（?）してもらいました。 　 　 静電気には・・・静電気植毛、コピー、車の塗装など、有効な使い方も有る のだ！ 驚きミカンで車が動く 　#020　90/02/18 　 　ミカンの皮を折り曲げると出てくる液体。目に入ると痛いですが、この液を火に近 づけるとあら不思議、パチパチと火花が出るんです。なんとこの液体は、油だったんです。d-リモネンを始めとして、γ-テルピネン、ミルセン…など様々な油の成分が含まれていました。実際、この油は工業原料や洗剤、化粧品にまで使われていたのです。 　では油ならば、車も走らせる事が出来るのではないでしょうか？番組でこの無謀な 試みにチャレンジ。まずは材料集め。ミカン1個からとれる油の量はたった1ｃｃ。20リットルの油を採るためにはなんと20万個のミカンが必要なのです！しかしこれは愛媛のミカンジュース工場で調達しました。まずは皮を取り、その皮から液体成分を取り、その中から油を取り出しました。更にこれから不純物を抜き精製。結果、純度97.5％のd-リモネンが取れたのです。 　ところが、予備実験でこの油でエンジンを動かそうとしたところ、うんともすんとも言いません。実はこの油、着火しやすさであるセタン価がとても低いのです。残念 ながら実験失敗か？ 　 　そこで番組では、エンジンをまず別の燃料で温めて着火しやすくなったところでミカン油に切り替えるという秘策を編み出しました。そして、ミカン油自動車のエンジ ンキーを入れました。すると・・・ 　 　 　 ミカンの皮の油で車は走った！ 　 驚き！海から金が出る！ 　#021　90/02/25 　 　元素記号Au。貴金属の王様、金。3センチ×5センチ、厚さ1ミリの金、銀、銅の板を準備しその性質を調べてみます。まずは重さを比較。銀が15.48g、銅が13.28gなのに対し、金は30.43gと圧倒的に比重が重いのです。今度は火を当てると、銀が溶け、銅が酸化して変色するのに対し金はびくともしません。硝酸（HNO3）に浸けても、銀銅が溶けるのに金は溶けません。更に、1グラムの金を延ばすと、なんと3ｋｍもの糸になりました。 　こんな金は、様々な用途に使われています。窓ガラスに貼ると断熱効果が有り、人体に影響が少ないので、鍼治療の針にも使われ、伝導率がいいことから、電話のモジュラーの接続部分や、IC、半導体にも使われているんです。番組では、電化製品のスクラップ2トンからどれだけ金が取れるかチャレンジ。結果は2g。もろもろの費用が44,500円かかったのに、金は4000円分しか採れなかったんです。　 　更に番組では、海水から金が採れないかチャレンジ。海水に塩酸、テルル、ヒドラ ジンを加え、沸騰させろ過したところ、微量ながら金がろ紙に付着していました。東 京ドーム4〜5杯分の海水から、やっと1gの金が採れることになるのです。しかし、 　 　 　 地球全体の海水には、なんと50億トンの金が含まれている！ ［目がテン!?ライブラリーフロントへ］