2回目でもおいしい!目がテン!?ライブラリー


1990年上半期3月



美味!“すし”の科学  #022 90/03/04


 なぜおすしは、普通のご飯よりも沢山食べることが出来るのでしょう?すしのご飯はごぞんじ酢飯。この酢飯のpHを測ってみました。すると4.3〜4.4のなかなかの酸性。ヨーグルトほどの酸性だったのです。

 そこでこの酢飯と、普通のご飯にそれぞれだ液を加え、10分ほど揺らしました。口の中で噛んだのと同じ状態です。すると、普通のご飯はヨウ素を加えても全く反応しなかったのに対し、酢飯の方は青く変色しました。つまり酢飯の方は、ご飯のデンプンが分解されず残っていたのです。デンプンがだ液で分解されると、糖分になり甘く感じられます。ところが酢飯は、酢の酸性がデンプンから糖への分解を押さえるため、甘さを感じずさっぱり食べられるのです。これがおすしがたくさん食べられる理由でした。

鮒ずし   そんなおすしのルーツはどこに有るのでしょう。日本のすしのルーツは、滋賀県に今も残る鮒(ふな)ずし。塩漬けにした鮒をご飯に半年間漬け、ご飯が発酵して乳酸菌が増え、それが雑菌の繁殖を押さえるという保存食。匂いも強く酸味も強いなかなかの一品です。こういう保存食のようなおすしのルーツは馴れ鮨と言うのですが、更にそのルーツは、ミサゴと言うタカの一種の海辺に棲む鳥に有りました。


 
所のポイントミサゴは魚を岩場に置き、海水の塩分で発酵させ保存食にした。これぞすしの元祖!


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空飛ぶイカの逆襲  #023 90/03/11

 
イカのかぶりもの馬場さん登場  イカの口のように見える飛び出た器官、あれは漏斗(ろうと)といって、水を吐き出し泳ぐ時の推進力となる器官なのです。そして、この漏斗から吐き出した水を薄い膜にして翼代わりにし空を飛ぶ、その名もトビイカというイカもいたのです。なんと水面5メートルの高さを50メートル泳いだ記録もあるとか。

 そしてイカの足ですが、10本と言われていますが、実はその内2本は触腕(しょくわん)と言われる腕で、他の足より長く伸び、エサを獲ることが出来るのです。  さらに食用としてもおなじみ、イカの墨。タコの墨同様、外敵から身を守るためのものですが、タコの墨が単なる目くらましなのに対して、

所のポイントイカの墨は、イカの体型そっくりの形で吐かれる。外敵はそちらにいってしまう。つまり、影武者になるのだ!

 イカは人間に思わぬ所で役立っています。まずはイカの内臓ですが、なんとこれから液晶が出来るのです。精度はまだまだですが、アクセサリーや靴などには使われています。そしてイカの神経は、生物の中で最も太く、直径0.5ミリから1ミリもあるのですが、この仕組みはヒトの神経とよく似ているのです。そして伝達のスピードも大変速いので、未来のバイオ・コンピューターの研究に使われているのです。
 


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快感?猫も飛ぶ無重力  #024 90/03/18

 
 重力の変化を楽しむ代表的なものがジェットコースター。富士急ハイランドの代表的なジェットコースター(当時)、ムーンサルトで重力の変化を測定したところ、なんと最高で6.5Gの重力がかかっていました。これはつまり、体重が6.5倍になったように感じるということ。この重力の変化が、血流の変化に繋がり、快感を生むというのです。

 重力の変化は、意外に身近な所でも感じることが出来ました。それはエレベーター。馬場憲治リポーターが向かったのは、東京池袋の高層ビル・サンシャイン60のエレベーター。この中で体重計に乗って、上昇と下降をしてみます。すると、体重71キロの馬場さんの体重が、上昇を始めた瞬間80キロになりました。G(重力)がかかったからです。そして頂上に近づきブレーキがかかると、逆に体重は62キロまで減りました。Gが減ったのです。今度は下降してみると、最初体重は減り、その後地上に近づくと、体重は増えました。

所のポイントエレベーターで昇り終わりの時と、下り始めの時、みかけの体重は軽くなる。これぞエレベーターダイエット!?

かごの中で浮く猫。  無重力を体験できるマシーンも登場しました。それはフリーフォール。東京サマーランドのフリーフォールは、高さ40メートルから垂直落下、ほんの数秒間の無重力を体験できるのです。ADさんがコップの中に水を入れて落ちると、確かに水はほんの一瞬、球状になりました。そこで今度はADさんの愛猫をかごに入れて、フリーフォール体験をしてもらいました。猫は未体験の無重力にアタフタ。その後しばらく食欲も落ちたそうです。


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不思議いっぱい物語  #025 90/03/25

 
 タケは意外なことにイネ科の植物。イネのような地味な花を咲かせます。しかしタケの花はなかなか咲かないことでも有名。120年に1回ともいわれています。またタケは成長が早く、最盛期では1日1メートルも伸びるのですが、これはタケ独自のアミノ酸、チロシンによるのです。そしてタケノコには、たん白質も多く含まれ、また血行をよくするビタミンB12も豊富に使われています。なかなかの栄養食品だったんです。

 タケの断面を見ると、無数の小さい穴が空いています。これは水や栄養分の通り道、維管束の穴なのです。この維管束に沿って刃を入れて細かく切り、さらに叩いたりつぶしていくと、なんと筆が出来てしまいました。“筆”の字は、竹かんむり。そう、この竹筆こそ、筆の元祖だったのです。

所のポイントエジソンの発明した電球は、日本のタケがフィラメントだった!

点灯した竹フィラメント  しかもそのタケは京都・八幡産のものでした。そこで「目がテン!」が再現に挑戦!八幡産のマダケを、直径3ミリの竹ひごにし、これを電気炉で燃えないように注意しながら炭化したのです。そしてエジソンと同じ形の電球に入れて、スタジオで電気を通しました。すると、決して明るくはなかったのですが、確かに竹フィラメントは光りました!


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