2回目でもおいしい!目がテン!?ライブラリー

泳ぐ二枚貝青森ホタテ  #401 97/10/12


 青森公開録画2回目は、青森の名産品を科学します。青森にはリンゴの他にも知られていない名産品がたくさんあるのです。そのひとつがホタテガイ。実は青森はホタテガイ養殖の発祥の地なのです。

 ホタテガイは「帆立貝」と書き、その昔は貝殻の片方を帆を立てるようにして水上を走るなどと信じられてきました。実はホタテガイは二枚貝の中で唯一泳ぐことができるのです!蝶番の近くからジェット水流を吹き出し、パックマンのように前に向かって不器用に泳ぎます。ホタテガイは数mが精一杯ですが、仲間のツキヒガイはなんと20m以上もの距離を泳ぐことができる!ではどうして、ホタテガイの仲間だけが泳ぐことができるのでしょうか?二枚貝は様々な方法で外敵から身を守っています。カキは波の強い岩場にくっつき、アサリは砂に潜ります。ホタテガイは泳ぐ力を得ることで、外敵から逃れることができるのです。

貝の寄り  私達がよく食べるホタテガイのあの大きなおいしい貝柱。でも他の貝の貝柱と比べると、特別に大きいような感じがします。そこで実験!貝柱の性格を調べるため、貝柱を取り出し、電流を流してみます。すると…カエルの足のようにピクピクと動いた!?実は巨大な貝柱は筋肉で、ホタテガイの泳ぎのエンジンのような役割を果たしているのです。さらに、よーく見てみるとホタテガイには貝柱がふたつ、大きな貝柱の側に三日月型の小さな貝柱が!実は大きな貝柱は泳ぐため、小さな貝柱は貝を閉じるために使われているのです。



所のポイント貝柱の干物にもちゃんと小さな貝柱がくっついている!

 大昔のホタテガイは、殻が分厚く、重かったため泳ぐことが出来ませんでした。ところが、外敵が出現してから、泳ぐ必要に迫られ、だんだんと泳ぎに適した殻の形になっていったのです。そこで矢野さんが立ち上がった!巨大な実験水槽にホタテガイを入れ、何度も走行実験をして揚力と抵抗力を調べます。揚力と抵抗力の差がもっとも大きい角度になるように、ウイング型の浮きを付けてバランスをとってやればOK!これでホタテガイはもっと華麗に泳ぐことができるはず!!!だが…浮きの抵抗が大きくあえなく失敗!

ひとつだけの目が光っている  ホタテガイは様々な方法で外敵を感知しています。臭いと振動もそうです。安静にしたホタテガイにヒトデエキスをかけてやったり、振動を与えてやると、いずれも慌てて逃げだします。それら以外にも、ホタテガイにはセンサーがあります。外套膜にある100個ほどの黒い点々、顕微鏡で見てみると、キラキラ光っています。なんとホタテガイには目があり、物を見ることが出来るのです。そこでホタテガイの見た所さんを映像再現!さらに、アクリルケースの中にホタテガイを入れ、臭いが分からないようにしてホタテガイに近付けてみました。すると、あれ、反応がない!実は、ホタテガイは目で物を見ていても、それをちゃんと認識するだけの高度な脳がなかったのです!


所のポイントホタテのヒモの干物に付いている黒い点々は、立派な目!なのだ


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