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最古の温泉! 松山道後  #453 98/10/25

 道後温泉はかつては聖徳太子が入浴したといわれ、有馬温泉などと並んで日本最 古の温泉のひとつ。夏目漱石の坊っちゃんの舞台としても知られ、かつてはウマな どの家畜も入浴するところがあったといわれています。ところが、周辺の開発など でお湯の量が激減!湧き水のように噴出していた温泉が止まってしまったのです。 そこで、現在はポンプで汲み上げ、温泉として利用しているのです。

温泉の岩の上に腹這いになっている矢野さん  源泉でのお湯の温度を測定してみると、50度程度。ちょうど温泉として利用しや すい温度です。しかし、よく考えてみると、別府・草津など有名な温泉地では、 100度近くの温泉が沸いています。しかも、温泉地には火山が付き物なのに、道後に は火山がない!実は、火山のマグマを熱源とした火山性温泉とそうでない非火山性 温泉があり、非火山性温泉では、地球そのものが持っている熱・地熱を熱源として いるため、程良い温度の温泉となるのです。

 道後温泉に入浴してみると、すぐに分かるのがそのヌルヌル感。実は、ヌルヌル するのはアルカリ性泉だけ。日本に多い酸性泉では、体験することができないので す。アルカリ性泉に含まれている成分が、皮脂と結合して石けんと同じよう な成分ができ、それがどんどんまわりの皮脂を溶かしていくため、ヌルヌル感が出 るうえ、汚れも落ちるのです。古くからアルカリ性泉が美人の湯と呼ばれて いるのには、理由があったのです。ところが、皮脂は完全な汚れというわけではな く、皮膚を乾燥から守るという役割もあり、無くなってしまうと一時的に皮膚病に なってしまうこともあります。そこで、試しにスタッフが長時間入浴し、アルカリ 性泉にどのくらい皮脂が溶け出すのか見てみます。すると2時間入浴後、皮脂はほ とんどなくなってしまったのです。

所のポイントアルカリ性泉に長時間入っていると、皮脂を奪いすぎてしまう!


 温泉の料理といえば温泉卵。半熟卵とは逆に、白身がとろりとしているのに、黄 身は固まっています。別府などでは、100度近い温泉に卵をつけて温泉ゆで卵をつく っているのですが、これではゆで卵になってしまい、いわゆる温泉卵ではありませ ん。そこで、とりあえず道後温泉に生卵をつけてみたところ・・・温泉卵が出来な い!(あたりまえ)。かといってお湯ではダメ。実は、お湯の温度が重要で、65〜 70度ぐらいに保つのがポイントなのです。これは、黄身と白身のタンパク質の凝固 温度が異なるためで、黄身の方が凝固温度が低いため、65〜70度でじっくり時間を かけて茹でてあげれば、黄身だけ固まるのです。

 温泉では石けんがあまり泡立たないのが常識。体を洗うとなると、相当量石けん を使わなくてはなりません。ところが、道後温泉で石けんを使ってみると・ ・・おや、泡立つではありませんか!なんと酸性泉では、石けんは酸と反応 して沈殿してしまうのですが、アルカリとは反応せず、立派に泡立つというわけで す。しかし、アルカリ性泉が皮脂を奪うのは先程述べたとおりですが、石けんも皮 脂を奪います。つまり、ダブルパワーで必要な皮脂まで落としてしまうというわけ なのです。

所のポイントアルカリ性泉では必要以上にゴシゴシ体を洗ってはならない!


道後温泉で泡立たせている矢野さん(ぷっと吹く前のBS)  浴衣も温泉には欠かせない風物詩のひとつ。しかし、あんな薄い着物で湯冷めは しないのでしょうか?しかも、どうやらその秘密は炭酸ガスにあるらしいのです。 炭酸ガスといえばやっぱりコーラ。そこで、スタッフがホットコーラとお湯に腕を つけ、10分間耐え、血流量の変化を測定してみます。すると、お湯よりホットコー ラほうが、血流量の減りが少なく、血行が良いのが分かります。実際には体には感 じませんが、多くの温泉にも炭酸ガスが含まれており、湯冷めを防いでいるのです。


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