日本の冬、お魚のおいしい季節となってまいりました。その中でも、お酒のおつまみに欠かせない魚といえば、シシャモ。日本ならではの味覚です。シシャモは今がシーズン真っ盛り。今回の目がテンは、いぶし銀の魚「シシャモ」を科学します。
お店にシシャモを買いに行くと、なにやら本物だと銘打って売っている高価なシシャモがあります。値段は普通のシシャモの倍近くもします。でも、シシャモに本物と偽物があるのでしょうか?そこで、普通のシシャモの生産地となっている茨城県へと向かうと・・・なんと、そこにはトラックの中にぎっしり詰まった木箱を発見!そこにはなにやら英語が書かれているではありませんか!なんと、普段私たちがシシャモとして食しているのは、アイスランド産のものだったのです。しかも、その魚はキャペリンと呼ばれ、シシャモとは似て非なる魚だったのです。
| シシャモには本物と偽物があった! |
|
では、本物のシシャモはいったいどこで漁を行っているのでしょうか?そこで、北海道にあるというシシャモの町に矢野さんが向かった!実は、シシャモは北海道の太平洋側の一部、しかも10月から11月の間、わずか一ヶ月しか採れない貴重な魚なのです。そのほとんどは現地で干物に加工されて出荷されます。そこで、東京じゃ味わえない、採りたてのシシャモ寿司に所さんがチャレンジ!これがまたさっぱりしていておいしい!
生きている状態では、見た目で区別できるシシャモとキャペリンですが、干物になってしまうと、見分けがしづらくなります。シシャモはキャペリンよりもウロコが大きく、包丁でこすってみると、キャペリンはスムーズなのに対し、シシャモは引っかかりがあり、その違いがすぐにわかるのです。
シシャモはやっぱり焼き立てが最高。そこで、魚ちゃんがシシャモの焼き方を教わりに出かけました。すると、なんと網で焼くよりも、ホットプレートやフライパンで焼くのがいいというのです。作り方は、軽く焦げ目が付いたらひっくり返すだけ。とてもおいしそう。ところが、本物では焼いても何も問題がないのに、偽物のキャペリンでは、同じ焼き方をしても、焼ける前にお腹が破裂してしまいます。これは卵に何か違いがあるはず。そこで、本物と偽物の卵の量対決!シシャモとキャペリンの卵を細かく分解してひとつひとつ数えていくのですが・・・なんと、卵の数に大差はありません。実はシシャモの卵は比較的厚い皮に守られているため、破裂しないのです。
本物と偽物の大きな違いのひとつは、その産卵方法。偽物のキャペリンは、アイスランドの海岸沿いに集結し、その場で産卵します。ところが、本物のシシャモは、海岸では産卵せず、まるでサケのように川をさかのぼるのです。その遡上は小さ
いながらも大迫力。そこで産卵を行うのです。
| シシャモは川を遡る魚だった! |
|
サケの受精は、川が白く濁るほど精子を放出するのが普通です。ところが、シシャモはほんの一瞬、なんだかあっさりとしたものです。ところがよくスローで見てみると・・・なにやらオスがメスに巻き付いている!?シシャモはサケのようにむやみと精子を放出するのではなく、メスが産んだ卵を尻ビレで受け止め、そこに集中して精子をかけていたのです。精子が少ないのを技でカバーしていたのです。さらに、普段食べているシシャモの卵にも、川の流れに流されないための不思議な工夫があります。粘着卵と呼ばれるネバネバした卵は、水に当たると反応して、石などに接着剤のようにくっつくのです。そこで、本来ならばニシンの卵を利用している子持ち昆布をシシャモの卵で作ってみました!でも、これが見た目はともかく案外おいしい!
|