通勤地獄と呼ばれた昭和三十年代、当時の満員電車はすさまじいものでした。乗車
率はなんと300%!つまり定員の3倍という超ラッシュ。戦後、急激に増えた人口に
、運行されている電車の数が追いつかなかったのです。ところが、そんな状態を打破
するために開発された、ある商品がありました。その名も「ラッシュコート」!当時の新素材だったナイロンで作られたそのコートは、つるつる滑るコートで、満員でも動きやすく、乗下車しやすいのです。
現在の満員電車は一番ひどいものでも乗車率250%程度。そこで、乗車率300%当時
の状態を再現するべく、実際の電車を使い、どこまで乗車することが出来るか挑戦で
す!
まずは、乗車率100%の再現から。とりあえず、イスと吊革がひとつひとつ全部使われている状態が、乗車率100%です。イスの数に対して、吊革の数が多いのは、意外にも吊革の間隔は肩幅ではなく、進行方向に向かって平行に並んだと仮定して、胸の厚さを基準に考えられているから。この時点での一人あたりの専有面積は、およそ50センチ四方。全然余裕たっぷりです。そこでさらに、どんどん人をつめこんでいきます。すると・・・少なくとも足の踏み場がある?状態での限界は、なんと321%!一人あたりのスペースはわずか靴底の面積と同じ、27センチ四方しかありません。
| 現代のラッシュはまだ甘い! 321%までイケる!! |
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満員電車は人間にどんな影響を及ぼすのでしょうか?そこで、昭和三十年代の地獄のラッシュを経験した方と矢野さん、そしてラッシュなんて見たこともないという、この春上京したばかりの大学生が、乗車率200%の埼京線にチャレンジ!体にかかる圧力を測定できる紙、プレスケールを巻き付け、どれだけの力を受けるのかチェックします。その結果、なんと15分間で900kg以上の力が掛かっていることが判明しました!若者とも比較も、やはりベテランの方がポジション取りが上手く、相対的に受けている力が少ないのです。
満員電車を克服する方法、実は、その極意は日本人古来の掟、「和」にあった!?
合気道の達人に、満員電車の極意を尋ねたところ、なんと「自然体」が大切だと言うではありませんか!それはいったいどういうことなのか?そこで、人間の代わりに、電車の動きに逆らわずに動く白い玉を、実際の電車に乗せて満員状態にし、その動きを観察してみましょう。電車が動き出すと、なんと玉はゆらゆらと電車の動きに合わせて漂うように動き、全体として負担のない、スムーズな形を保っています。次に、その中に、電車の動きに対して逆らって踏ん張る赤い玉を入れてみます。すると・・・やはり動きが滞ってしまいました。満員電車では決して踏ん張ってはいけないのです。
| 満員電車克服の秘訣は身体を電車の動きにゆだねること! |
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