フクロウ、小柄でずんぐりむっくり、かわいい鳥ですが、飛んでいるのを見たことがありませんよね。森の奥深くで、夜きらりと目を光らせ、じっとしている、そんなイメージのフクロウ、実は、バードウォッチング界では、憧れの的なのです。野生のフクロウを見るのは至難の業!
フクロウはワシやタカと同じ、猛禽類。かわいいながら、食べるものはしっかり鶏肉。意外にどうもうな奴なのです。フクロウは顔がハート型をしたメンフクロウと、そうでないフクロウに分かれますが、一般的には頭に耳のような飾り羽のついているものはミミズク、そうでないものがフクロウと呼ばれています。普段はなかなか見ることができないというフクロウも、なんと東京に頻繁に来るといいます。そのポイントが明治神宮。ところが、明治神宮にやってくるのは渡り鳥のフクロウのため、今の時期は見ることができないのです。そこで矢野さんはフクロウを求めて山梨県甲府へ。
昼間はあまり動かないフクロウ。それもそのはず、フクロウは夜行性なのです。暗闇の中、餌のネズミを差し出してみるとものすごい勢いで獲物におそいかかり、アッという間に食べてしまいました!ネズミは身動きもできません。猛禽類の一員であることを思い出させる食いっぷりです。そのパワーの秘密はフクロウの足にありました。ワシやタカの指は4本、内訳は前3本指・後1本指なのに対し、よりしっかりと獲物をとらえるため、前2本指・後2本指なのです。
暗闇の中で獲物の位置を知るには、なんといっても音。フクロウの耳は正面から見ると、少し上下にずれています。実は、この「ずれ」がポイント。このずれを利用して、上下左右どちらから音が出ているか知ることができるといいます。そこで、フクロウの耳擬似体験マシーンを矢野さんが装着!上下にずれている耳の効果を体験してみることにすると、なんとか左右は理解することができるものの、数日間の訓練程度では、脳がついていかず、上下はまったく理解できないのです。
| フクロウの耳は上下左右の音を理解できる!
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フクロウ探しを続ける矢野さん、なかなか見つかりません。実は、フクロウが見つけにくいのは、空を飛ぶときの羽音がしないからだといわれています。これこそが、獲物に気づかれずにこっそりと近づくことができる秘密なのです。いくらはばたいても、全く音がしないフクロウの羽。よく見てみると、細かいギザギザのようなものが実は、羽に切れ目があるため、騒音の原因となる大きな渦が細かい渦となり、騒音が小さくなるんです。最新の新幹線にもその技術が応用され、パンタグラフに凹凸がついています。
| フクロウの羽の技術が新幹線に応用されていた!
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餌を丸飲みしてしまうフクロウは、消化できない骨や羽をペリットと呼ばれる塊にして吐き出してしまいます。それを探して森の奥へ奥へと踏み込んでいく矢野さん。ついにフクロウの巣とヒナを発見!まもなく親鳥もやってきて、まずはめでたしめでたしだったのです。
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