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レッツ・ゴー!永田町

2001年10月期 水曜ドラマ
ストーリー

第1話

衆議院議員・稲山一郎(西村雅彦)の公設第二秘書・筒井五輪(石橋貴明)は、老練な第一秘書・江崎良二(佐藤B作)の指示の元、今日も永田町、霞ヶ関周辺を走り回っていた。陳情客の接待、官僚や記者への根回し・付け届け、その他、稲山の雑用の全てが五輪の仕事なのだ。稲山のスタッフは、五輪らの他、公設・政策秘書・高柳伸子(吉田日出子)、私設秘書・広瀬鈴子(柴咲コウ)の4人。そこに、今回、茶髪でピアスの奥村健太(辺土名一茶)が秘書見習いとして加わったことから、稲山の事務所は前にも増して賑やかになった。

稲山は、人口24万人の静岡県富士山市の選挙区から選出された与党民自党の議員で、支持団体は地元の建設会社や地場産業の業者など。つまり、稲山は利益誘導型の典型的な族議員であった。現在の総理は、国民に人気のある外相・田坂真以子(室井滋)の協力でその座に就いた改革派の和泉俊一郎(岩城滉一)。だが、二世議員の稲山は議員になった当初から元総理の野本広太郎(江守徹)に世話になっており、当然その野本を領袖とする党内最大派閥・野本派に所属していた。

そんなある日、和泉派の若手議員・青沢正樹(内藤剛志)の秘書・結城(吹越満)が五輪に接近し、思わぬ話を囁いた。青沢は当選3回までの若手議員だけで新しい政策集団を作ろうとしているらしいのだが、結城は、ここに稲山を参加させて欲しいという。政策集団とはいっても、その実体は、和泉派の別働隊。五輪は“野本先生命”の稲山がその話に同意するはずはない、と結城の申し出を一蹴する。

だが、そのあと結城が漏らした情報は、五輪に大きな動揺を与えた。和泉の政策が失敗した場合、解散総選挙が考えられるのだが、和泉は、稲山の選挙区の県会議員で、かねてから国政への進出をうかがっている池田潔も公認するつもりらしいのだ。動物的なカンで危機を察知した五輪は、池田の公認を抑えるという交換条件を出して、稲山の説得を約束した。

しばらくして、稲山は、自分が新政策集団『21世紀国政研究会』に参加したことを野本の秘書・早瀬(塩見三省)に指摘され愕然となった。それが五輪の仕業だと知った稲山は、怒り心頭で事務所に駆け戻る。だが、稲山は、待ち構えていた五輪他、5人の秘書全員に1枚の印刷物を突きつけられ、説明を求められた。それは、稲山と銀座のクラブのホステス・鈴木ひとみとの不倫を暴露する内容の怪文書。この種のスキャンダルがマスコミに流れれば、間違いなく、稲山の議員生命は断たれるのだ。ひとみとの不倫をしぶしぶ認めた稲山は、新政策集団の一件もあって、すこぶる機嫌が悪い。

だが、そんな稲山に、江崎はいきなり真顔で「野本派を抜けましょう!」と切り出した。江崎の確かなスジからの情報によると、怪文書の出所は、野本の所。つまり、今回のスキャンダルのリークは、反旗を翻した稲山を粛清し、これを見せしめにして派閥を引き締める野本の作戦だったのだ。

五輪をはじめ、健太、江崎、鈴子らは、それぞれ稲山を守るために動き出して――。

 

第2話

21世紀国政研究会を立ち上げた青沢がマスコミで脚光を浴びる中、財務大臣砂糖川の秘書官が受託収賄容疑で逮捕された。政治記者・柴田(近藤芳正)の話から、この一件が野本派のリークで露見したと知った五輪(石橋貴明)は、次は稲山の番ではないかと気が気ではない。また、青山の秘書・結城(吹越満)から、青沢の21世紀国政研究会を立ち上げた本当の理由が、和泉(岩城晃一)から入閣の声が掛からなかった面当てだと明かされア然となった。

国会では、砂糖川に対する野党の追及が激しさを増し、野党第一党・主民党代表の鴨山は、内閣不信任案を提出すると息巻く。

まもなく、和泉に砂糖川の罷免を求めてあっさりかわされた青沢が、なんと報道陣に野党が提出する内閣不信任案に賛成するとぶち上げた。数の計算からいくと、21世紀国政研究会の41人が全員賛成票を投じれば不信任案は成立する。青沢から、改革を目指す和泉が鴨山と手を結ぶ可能性がある、と囁かれた稲山の心は大いに揺れる。そして、鴨山から直々に大臣ポストを約束すると言われた稲山は、無邪気に舞い上がった。

だが、この稲山の決意に対し、秘書たちの反応は様々だった。単純に稲山を大臣にしたいと大賛成する五輪。稲山に付いて行くしかないという江崎(佐藤B作)。これに対し、以前、野本の事務所にいた伸子(吉田日出子)は、政権与党にいなければ話にならないと冷たい。

そんな中、とにかく地元の票固めが必要だと考えた江崎は、稲山が改革派に属したことで冷え切っている後援会会長・野々村(平田満)との関係修復に乗り出した。江崎は、野々村の好みのタイプの鈴子(柴咲コウ)を連れて行くことはもちろん、先代と関係が深い野々村の父親・彦左衛門にも手を回して、野々村と和解。この結果、稲山は、21世紀国政研究会の組織固めに使うための資金2億円の調達に成功した。

ところが、稲山、青沢らが金を使って組織の引き締めをはかる中、野本の様子を見に行っていた伸子から驚愕の事実が伝わって――。

 

第3話

総理の和泉(岩城滉一)が野本と手を結んだ結果、野党が提出する内閣不信任案に賛成するとぶち上げた青沢、稲山らの21世紀国政研究会は窮地に立たされた。収賄疑惑が出た財務大臣の砂糖川(笑福亭松之助)を罷免した和泉は、その後釜に野本派の藤原(Dr.コパ)を据え、両派の協力体制は一応万全。勝ち目なしと見た研究会の会員たちは、一人また一人と脱落していった。

これを見た青沢と稲山は、藤原の財務大臣就任に批判的な外務大臣の田坂真以子(室井滋)に着目し、自分たちの陣営に取り込もうと考えた。田坂は、和泉を総理にした立役者の一人で、党内に20人程の信奉者がいる。さっそく、田坂に接触した稲山は、厳しい条件付ながらも、内閣不信任案に賛成するとの同意を取り付けた。

ところが、ある事件が起こり、青沢、稲山らは完全に追いつめられる事態になる。これを見た五輪(石橋貴明)、江崎(佐藤B作)ら秘書たちは、稲山を生かすためにある作戦を考えて――。

 

第4話

偽装入院で本会議を欠席し、首の皮一枚で除名処分を免れた稲山。だが、ベッドに縛りつけられた稲山の怒りは収まらず、クビを宣告された江崎(佐藤B作)、伸子(吉田日出子)、五輪の3人は、次の仕事を探すはめになった。稲山が和泉派の総会に出席した話を五輪から聞いた靖子(鈴木杏樹)は、風見鶏のように腰が定まらない稲山の姿勢を嘆く。

そんな五輪の元に、野本の秘書・早瀬(塩見三省)から呼び出しの電話が入った。ところが、高級料亭で待つ五輪の前に現れた早瀬の後ろにはなんと野本本人。自分の事務所で働かないか、という野本の誘いに、五輪の答えは「稲山を野本派に復帰させて下さい!」。五輪はその後の質問にも口の固い所を見せたことから気に入られ、野本の私設秘書に取り立てられた。

まもなく、“バツイチ”和泉に隠し子がいたという事実が発覚した。その隠し子とは、離婚原因となった不倫相手のイギリス人との間にできた10歳の女の子。マスコミ、とりわけ女性視聴者が多いテレビのワイドショーなどは、こぞってこのスキャンダルを取り上げ、認知をせず養育費も出さずに我が子を見捨てた和泉の姿勢を厳しく批判する。

運悪く、特殊法人の民営化策で行革担当大臣の岩原(利重剛)と衝突した国土交通大臣の扇子(藤田憲子)が、責任を取らされ辞任。隠し子スキャンダルと扇子辞任のダブルパンチで、圧倒的な人気を誇った和泉内閣は、支持率が50パーセント台にまで低下してきた。

そんな中、野本に呼ばれた五輪が、思わぬ頼みごとをされた。野本は、テレビの街頭インタビューが写っているビデオとそれを起こした写真を五輪に手渡し、写っている若い女を捜して欲しい、と告げたのだ。一体、この女性は何者なのか!?

折も折、稲山後援会の最高顧問が入院したことから、稲山に思わぬ危機が迫っていることが分かった。これを知った五輪は、慌てて稲山の元に駆けつけて――。

果たして、稲山の政治生命を脅かすほどの危機とは何か!? そして、野本に頼まれた捜索を、五輪はどう解決するのか!?

 

第5話

看板の構造改革が進まない事に業を煮やした和泉総理(岩城滉一)が、ついに解散を宣言。永田町は、和泉が民自党を抜け主民党と新党を結成するとの噂があったことから、大揺れになった。

そんな中、稲山(西村雅彦)は、自分の選挙区静岡10区から和泉派の現職大臣・岩原伸光(利重剛)が立候補すると知り、愕然となった。岩原は、構造改革のシンボル的存在で全国区の人気を誇る人物。まともに選挙を戦えば稲山の苦戦は目に見えているのだ。

岩原陣営がハデな時局講演会をブチ上げるのを目の当たりにした五輪(石橋貴明)ら秘書たちは、“白”をシンボルカラーにする岩原に対し、“赤”でまとめるイメージ作戦を計画。同時に、野々村(平田満)が岩原の後援会長に乗り換えたことから、地元建設業界と地場産業をまとめる津野田に新後援会長を依頼し、草の根の選挙運動をスタートさせた。

ポスター撮影では、女性の好感度をアップさせるため、鈴子(柴咲コウ)が稲山にカツラを付けることを勧める。地元回りでは、五輪、健太(辺土名一茶)らが、草野球をやっている子供たち、ゲートボール場の年寄りたちにも頭を下げた。無論、一票でも多く票を獲得するためだ。

選挙運動を続けながらも稲山らには重大な問題が残っていた。岩原が名乗りをあげたことで、定員1名の静岡10区で、2人の民自党員が争うことになる。その場合、党の公認は一体どちらになるのか。保守支持層の多い富士山市の場合、民自党というブランド名は絶対に外せないのだ。

この公認を得るために政策秘書の高柳(吉田日出子)はじめ秘書たちは一斉に動き始めた。果たして、公認はとれるのか!?
そんな中、考えられない問題が発生する。当の稲山が、時局講演会の直前、なぜか突然姿をくらましてしまった。会場にぞくぞくと集まる有権者たち。

果たして、五輪らはこの難局をどう切り抜けるのか? そして、稲山失踪の原因とは?

 

第6話

和泉(岩城滉一)の解散宣言で選挙戦に突入。静岡10区(定員1名)では、稲山(西村雅彦)と行革担当大臣・岩原(利重剛)、共に現職の民自党員同士の一騎打ちとなった。党の公認を取った稲山に対し、岩原は無所属での立候補。だが、以前、稲山の後援会長だった野々村(平田満)が岩原側に付いたため、情勢は互角。全ては、選挙戦の戦いいかんにかかっていた。

出陣式を終えた稲山陣営は、直ちに街頭にくりだした。予定していたウグイス嬢が岩原側に引き抜かれたため、急きょ、鈴子(柴咲コウ)が超ミニの制服姿で街宣車に乗り込む。選挙事務所には、お腹の大きい五輪の妻・靖子(鈴木杏樹)や、古井海孝太郎(安居剣一郎)というボランティアの若者らが駆けつけて賑わう。

やがて、“稲山の金髪秘書は大麻・覚醒剤をやっている”とかいったお決まりの怪文書が出て、選挙戦は次第に加熱し始めた。稲山はクリーンな戦い方をしたいと主張したが、そうも言っていられない情況になってきた。髪の毛を黒く染めて岩原の事務所に潜入した健太(辺土名一茶)の報告によると、岩原陣営は一万円札が入ったオニギリを“お客”に配っているらしいのだ。

稲山の妻・静恵(桜井幸子)が“涙作戦”で応援演説をしたものの、中間の世論調査の結果は、『岩原優勢』。まもなく、総理の和泉と外務大臣・田坂真以子(室井滋)の人気コンビが岩原の応援演説をすると決まったことから、稲山陣営はいよいよ追いつめられた。

五輪(石橋貴明)は、なんとか状況を建て直そうと、田坂に接触して極秘工作をするが…。

そんな中、静恵が不吉なことを思い出した。信頼する占い師のワン先生が、『死んだら、稲山は当選する』との予言である。

果たして、この予言の意味することとは!?

 

第7話

静岡10区、さらに、比例区でも落選し“ただの人”になった稲山(西村雅彦)は、早々に議員会館と宿舎を出るよう迫られた。五輪(石橋貴明)、伸子(吉田日出子)と共に野本(江守徹)に土下座して謝った稲山は、父親の代から40年も守ってきた議席を失ったショックを改めて実感し、ガックリと肩を落とす。そして、政治に対する情熱を失った稲山は、富士山市の支援者たちを前に、引退を宣言。まもなく、“支援者たちから借りた金を返すため出稼ぎに行く”、との書置きを残し、静恵(桜井幸子)と共に関西方面に消えてしまった。

一方、民自党の圧勝という形で決着した政局は、内閣の総辞職、首班指名へと動き出した。自信満々の総裁派閥・和泉派に対し、“和泉総理”を何としても阻止したい最大派閥の野本派では野本自身が立候補するとの空気も流れる。そんな中、田坂(室井滋)と会っていた野本が突然苦悶の表情で倒れた。事の重大性を知る早瀬(塩見三省)は直ちに箝口令を敷き、極秘で野本を病院へ搬送する。もちろん、田坂への口止めも忘れなかった。

だが、“野本が重病で入院”との情報をキャッチした和泉は、党内での主導権をにぎるべく揺さぶりをかけてきた。野本と2人で話し合うとマスコミに流した和泉は、入院の事実を効果的にバラそうと画策したのだ。心臓病か、それともガンなのか――。

その頃、稲山は、静恵と一緒に大阪の焼肉屋で、住み込みで働いていた。慣れぬ仕事に汗を流す稲山にとって、テレビから流れる政局のニュースは遠い彼方の出来事のように思えた。そんな折、稲山は、近所の住人たちが、行政の力のなさから道路の整備が調わず、多発する交通事故に困り果てているのを目のあたりにし、政治、行政の大切さを実感するのだが…。

 

第8話

静岡10区で落選、比例区でも敗退したものの、比例区当選議員の急死で繰り上げ当選を果たした稲山(西村雅彦)。喜びに涌くその稲山の事務所に、さらに嬉しいビッグニュースが伝わった。

政局は、第二次和泉(岩城滉一)内閣が発足。田坂(室井滋)は外務大臣から国土交通大臣に配置換えとなったのだが、稲山がなんとその国土交通省の政務官に指名されたのだ。政務官というのは、大臣、副大臣の補佐役で特定の政策や企画に参画して政務を行う重要なポスト。ゾンビのように復活した稲山にとって、まさに夢のような抜擢であった。

稲山には、国土交通省から派遣された園田(東根作寿英)という事務秘書官が付いた。この園田の言う通りに動いていれば、職務に対する支障は全くない。国土交通関係の問題にうとくても、園田を中心とする優秀な官僚たちが、完全にフォローしてくれるのだ。総合政策局の課長は、補正予算枠で静岡の地元に50億円の災害被害緊急対策費を決定し、稲山を喜ばせた。民自党の最大派閥のドン・野本(江守徹)がかなり稲山を可愛がっているとの噂があり、官僚たちの稲山に対する態度はかなり丁重であった。

浮かれ、気が大きくなった稲山は、挨拶にやって来た野々村(平田満)、津野田(斉藤暁)に50億円の話を明かし大威張り。選挙で岩原(利重剛)の応援にまわった野々村には、50億円の威力で裸踊りまでさせてしまった。こんな様子を見て憂慮した五輪(石橋貴明)は、顔見知りの主民党議員・早乙女(益岡徹)に、ある頼み事をした。

そんな中、五輪らに、例の50億円を巡り談合が行われる、との情報が伝わって――。

 

第9話

利益誘導型政治からの脱却を決意した稲山(西村雅彦)は、談合の必要性を口にした江崎(佐藤B作)をクビにし、新たなスタートを切った。だが、公共事業の入札を中止したため省内での風当たりは強く、稲山は全ての役人から足を引っ張られるようになった。

そんな中、五輪は(石橋貴明)、富士山市の自宅に帰った江崎から呼び出しを受け、野々村(平田満)に会うことになった。稲山の元後援会会長だった野々村は、地元の建設業協会の会長を務める人物。この野々村から、いきなり「ミラノ建設からいくらもらった!」と切り出された五輪は、ア然となった。理由が分からない五輪は、その旨を素直に答えるが、野々村は疑いの表情を崩さない。

野々村の話によると、ミラノ建設は旧建設省の官僚が天下りをしており、その人物に国土交通省の発注担当者が再入札の予定価格を洩らしている――“官製談合”があるというのだ。最近、ミラノ建設が落札した国土交通省の工事が全て2パーセント以内の誤差だ、という野々村は、憤懣やるかたないといった様子。

稲山の許可を得た五輪は、直ちに健太(辺土名一茶)にミラノ建設の調査を指示。まもなく、ミラノ建設に、旧建設省の局長だった岸本(鶴田忍)という人物が道路公団経由で天下りしていることが判明、落札価格に関しても野々村の指摘通りだと分かった。

だが、稲山の動きを秘書事務官の園田(東根作寿英)を通じて知った官僚たちは、前にも増して様々な妨害を仕掛けてきた。資料を稲山に見せないのはもちろん、業務連絡を遅らせたりもする。揚げ句の果て、女性スキャンダルで辞めさせようと、美人秘書を接近させたりしてきた。

関係者のマークを続けてきた五輪は、再入札の前日、岸本と道路局の課長・下野(渡辺寛二)が同じスナックに入るのを確認。ホステスとして潜入していた鈴子(柴咲コウ)が証拠写真を撮影して――。

 

最終話

旧建設省のOBと国土交通省の現役官僚の癒着を示す内部資料を、五輪(石橋貴明)経由で手に入れた主民党の早乙女(益岡徹)が、国土交通委員会で暴露したことから、民自党は大混乱に陥った。資料には、他に各地の建設会社から裏ガネをもらった“N” “S” “A”などの議員のイニシャル。選挙区から判断すると、“N”は野本(江守徹)、“S”は鈴木(徳井優)、“A”は有賀(大林丈史)と、派閥の領袖・野本を始め、容易に野本派議員の名をイメージすることができる。

これを知った和泉(岩城滉一)は、一気に野本派にダメージを与えようと、その中の一社・ミラノ建設への家宅捜査を指示し、まもなく新たな裏ガネ献金リストを入手した。

ところが、この献金リストの中に“I”という議員のイニシャルがあったことから、稲山事務所はア然となった。話を聞いたところ、稲山(西村雅彦)はもちろん、五輪、健太(辺土名一茶)、鈴子(柴咲コウ)、高柳(吉田日出子)も、全くミラノ建設とは付き合いがない。稲山を心配する電話が入れてきた江崎(佐藤B作)も、この一件とは無関係。だが、事務所内を調べた五輪、健太らは、ミラノ建設の子会社から贈られた胡蝶蘭の鉢の中に埋まっていた1000万円の現金を発見。“I”がやはり稲山だったことが明らかになった。

翌日、五輪は、金庫の中に入れたその札束が消えていることに気付き、慌てて稲山に胡蝶蘭の鉢の話を打ち明けた。犯人は一人姿が見えない健太。稲山を守るため、健太が自らドロを被ったと気付いた五輪は、自分も盗もうとしたことを稲山に告白する。稲山は、健太の献身的な行動を知り、直ちに鈴子に捜索を命じた。

一方、国会の予算委員会は、ミラノ建設への強制捜査で見つかったの献金リストを巡って主民党など野党の攻勢が続き、審議が全く進まなくなった。これを見た和泉は、抵抗勢力・野本派を切り捨てるために主民党との連携もありうる、と臭わして鴨山(津村鷹司)らを牽制。まもなく、公約していた道路4公団の民営化問題を玉虫色で決着。ミラノ建設の献金リストの一件も、捏造があったとして不問に付してしまった。

稲山には、青沢(内藤剛志)、早乙女から、新党結成についてのアプローチがあった。だが、何としても日本の政治を刷新したい稲山は、自分の政治生命を投げ打ってでも、ミラノ建設の不正献金、和泉の嘘の発表の一件を全て公表しようと腹を固め、野本とサシで話し合った。

だが、稲山の思いを知った野本は、思わぬ行動に出て――。

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