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「俺の話は長い」ドラマのスパイス、隠れ家的Barクラッチのセットを解説!こだわりの間接照明とロゴデザインの秘話も公開!

2019.12.13 公開

日本テレビ系土曜ドラマ「俺の話は長い」。31歳でニート、言い訳とヘリクツの天才のダメ男・岸辺満(生田斗真)と彼に翻弄されながらも絆を深める家族の姿を描くコメディーホームドラマ。

満が光司(安田顕)と共に通う隠れ家的な「Barクラッチ」。イケメンマスター・海星(杉野遥亮)の佇まいにもハマるバーのセットには、オシャレな遊びが満載!今回も美術デザインを手掛けたデザイナーの髙橋太一さんにインタビュー。「岸辺家」「ポラリス」のセットとの違いも併せてお楽しみください!

 

―「Barクラッチ」は劇中の他のセットとはかなり雰囲気が違いますね。    
「クラッチ」は岸辺家と対比する空間ですね。イメージは足立区界隈、北千住近くにある5階建てくらいの雑居ビルの半地下の物件。元は別の事務所か何かが入っていて、そこをちょっと今どきのブルックリンスタイルのお店にリノベーションしたという、そんな雰囲気にしてみました。無機質なコンクリート、レンガ、ステンレスのペンダントライトや黒いフレームの窓ガラス、鉄骨の手すりといったハードなモチーフを使って、かなりシャープな印象になるように意識しています。「岸辺家」「ポラリス」の3つのセットの中でいうと、スパイスになる場所かなと思いますね。

―半地下の設定にはどんな意図があるんでしょうか?
お店の設定的にも2階とか3階にあるより半地下のほうが満たちの通う“隠れ家感”という意味でもハマるので、すんなりと決まりました。ここは最初から監督が「外観は決めない」とおっしゃっていたので、外観がないなら作っちゃおうと。ただ、スタジオセットの場合の外観は、窓の外の先にある景色を作り込むのが難しいのでリスクが高いんです。半地下にすることで外の景色は上のほうになるので、外観を作るのも空間をリアルに見せるのも、隠れ家としてのお店の立ち位置も、全て半地下の設定がかなえてくれていますね。

あとは、“半地下の窓外からお店の中が見える”というのが実はすごくやりたかったことなんです。カメラが「クラッチ」のロゴが入った看板を撮った先にカウンターがあって、そこに海星が立っているみたいな。例えば、お店に行くときに半地下の階段を降りてちょっとお店の中が見えたらワクワクしますよね。「今日は何人くらいお客さんいるのかな?」ってちょっと覗く感じをセットでやれたらいいなと思って。実際に実景のカットではそういう画を作ってくれているので、うまくいったかなと感じています。

―ロゴは外観にも内装にもピッタリです。
台本を読んで「クラッチ」という店名から、車のクラッチの機構をモチーフにしたロゴをデザインしました。切り替える、変速するとか何か力を次に伝えるとかそんなイメージを歯車の形に込めています。表の看板と内装のほかにもコースター、ボトルキープの札にもこのロゴを入れています。お店の存在的にも、心の歯車みたいなものが動き出すきっかけになる場所だと思っていて。そんな空間を表現したロゴですね。

―内装について「クラッチ」ならではのポイントは?
間接光を意識したところです。これが「ポラリス」にはまったくない要素なんです。洋酒棚の中の壁の装飾が格子模様に見えるんですが、これは実際に木を彫ってある壁材で。光が当たったときがすごく綺麗で、イメージ通りのものが見つかりました。海星の顔を撮った時に必ず背景が映りますが、シャープだけど木目であったかい感じもあって、そのバランスがすごく気に入っています。ほかにも、クラッチのロゴが付いている壁も石ですが凹凸のある壁材を入れることで、間接照明が綺麗に広がるようになっているんです。窓側のソファ横の部分にもわざとボコボコした壁の装飾材を貼っています。あとは天井でシーリングファンがクルクル回っているのも、画面の中に動きが出るのでやりたかった部分ですね。

―「ポラリス」同様にカウンターが中心になりますが。
コンクリートだけだと硬くなりすぎるので、カウンターの天板は重厚感のあるアンティークなウッド素材を使いました。同じ木目でもポラリスとは違うカウンターにしています。洋酒棚のパネル自体は取り外せるようになっているので、洋酒棚の間からカウンターに座る人の顔が撮れるようにという部分も計算して設計しました。「ポラリス」もそうなんですが、バーということでカウンターを挟んだお芝居がすごく多いので、どう撮ってもらうかっていうところはなかなか難しかったです。

―会話が途切れないためのセットという部分は3つに共通していると。
そうですね。「ポラリス」と同じく、カウンターの角度を少し捻っています。そうすると、カウンターに座る人の顔を撮ったときに背景の窓ガラスから外の半地下の階段や、お客さんが行き来しているのが見えるんです。その外と中との繋がりみたいな空間まで作ってあげることで、お店がどういうところにあるのかを感じられるし、空間としてのリアリティーみたいなものが出たらいいなと。今回は流れのある途切れないお芝居っていうのが主役の話ですが、撮りやすい空間ばかりを優先するとどんどん空間がカッコ悪くなっていったりするんです。気持ちとしては、6割カッコ良さ優先で、撮りやすさは4割くらいのつもりで作りました(笑)。

―こだわりの多い満が通うのも納得のオシャレなバーですね。
ドラマの中でここではみんな誰とのしがらみもなく、本音で喋れる空間ですよね。敷居が高いわけでもなく堅苦しくないし、かといってごちゃごちゃしてない。美味しいお酒と生パスタが出てきそうな、行きやすいなという印象のお店に仕上がったかなと思っています。自分だったら月に2回くらいは行きたいですね(笑)。見ている皆さんにも、こんなお店があったら通いたいと思ってもらえる場所になっていたらいいなと思います。

◆関連記事◆
『ホームコメディ「俺の話は長い」の会話劇を支える“岸辺家”セット&間取りの秘密に迫る!』

https://www.ntv.co.jp/orebana/articles/333s7boxz9b1kdu3s2l.html

『「俺の話は長い」常連客が集う軽食喫茶・ポラリスのセットを解説!木目で統一したレトロな空間のポイントは“白樺の丸太”』
https://www.ntv.co.jp/orebana/articles/333g4kkp2d8bil3r7c9.html

「俺の話は長い」
https://www.ntv.co.jp/orebana/

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