#1016
『吉浜のスネカ』(24/1/28 放送)
岩手県 大船渡市 吉浜地区
岩手県大船渡市吉浜地区に伝わる伝統行事「スネカ」。毎年1月15日に行われる小正月の奇習で、わらみの姿で小刀を持ち、奇妙な面をかぶった「スネカ」が、地域の家々を回ります。「スネカ」は、寒い冬に怠けていろりの周りにばかりいることでできるすねの火斑を皮ごと剥ぎ取る「スネカワタグリ」とされています。怠け者や泣く子を戒めるしぐさや風貌は地方色豊かで、子供の健やかな成長と、豊漁や五穀豊穣を祈ります。2004年には国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
■ DIRECTOR'S COMMENT
岩手県大船渡市三陸町吉浜地区の伝統行事スネカ。いつから始まったかは定かではないそうですが、江戸時代には行われていたといわれています。今回は吉浜スネカ保存会の会長さんのご協力のもと撮影させていただきました。怠け者やわがままな子を戒めるスネカですが、少子化の影響か撮影でお邪魔した中でお子さんのいるお宅は1軒のみ。スネカとなって家々を回っていた会長さんも少し物足りなさそうでした。スネカは奇怪な姿をしていますが、春を告げ五穀豊穣や豊漁をもたらす使者とされています。先のことは分かりませんが、どんな状況になろうともおっかないけど縁起の良いスネカの訪問が末長く続いて欲しいと思います。(千葉朋寛)
■ ACCESS
三陸鉄道「釜石駅」から三陸鉄道「吉浜駅」まで電車で約20分