#1023 『見島のカセドリ』(24/3/17 放送)

佐賀県 佐賀市 蓮池町見島

カセドリは佐賀市蓮池町見島で、毎年2月の第2土曜日の夜に催されている民俗行事。「カセドリ」は青年2名で、藁で編まれたみのと腰みのを着け、黒脚絆に白足袋でわらじをはく。顔と頭には白布を巻いて、目、鼻、口だけを出し、鉢巻をしめ甚八笠をかぶる。手には黒手甲をはめ、長さ1.7メートル余りの竹を1本持つ。竹は一方の端のところを2か所縄でしばり、3分の2くらいの長さは細く割られている。カセドリは、竹を打ち鳴らしながら家々の部屋にとび込み、膝をつき体を曲げて畳に竹を打ちつけて激しく打ち鳴らす。茶が1杯ずつすすめられ、終わると竹を打ち鳴らしつつ走り出る。各家を廻り終ると、熊野神社に集って、各家から貰い受けた餅を全員で食べながら、歓談するという。この行事は、以前は旧暦1月14日に行われていた小正月の行事であって、県内では他に伝承されていない小正月における神人訪問の伝統行事として注目されています。

#1023

■ DIRECTOR'S COMMENT

佐賀市見島地区のカセドリは、江戸時代から伝わる夜に家々を回る珍しい伝統行事です。暗闇の中を歩くため照明が直接顔に当たらないよう気配りしながら撮影は進み、暗い場所では竹を引きずる音しか聞こえないため初めて見る人は不思議な光景たったと思います。家の中や玄関で竹を激しく打つ音は、遠くからでも居場所が分かる程で夜の町中に響き渡っていました。(亀井清行)

■ ACCESS

JR「佐賀駅」から熊野神社(加勢鳥保存会)まで車で約20分

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