#1045 『イワツバメの子育て』(24/8/18 放送)

東京都 大田区 森ヶ崎水再生センター

イワツバメの全長はおよそ14cm、ツバメの仲間ですが小柄で、頭から背、翼の上面、尾の上面などは黒色、喉から胸、腹など下面は白色で、脚や指には細い白い羽毛が生えているのが特徴です。日本では夏鳥として渡来し、全国で繁殖しています。山地や海岸の崖地、洞窟の入り口あたり、橋、建物などの人工物にも巣をつくり、群性が強く、繁殖も集団で行います。「チリリッ」あるいは「ジュピッ」などと聞こえる声で、飛びながら早口で鳴いています。地上へ下りるのは巣材の土を集める時だけ、その時には脚に生えている白い短い羽毛をよく見ることができます。

#1045

■ DIRECTOR'S COMMENT

今回撮影に向かった場所は、東京都下水道局、大田区、自然保護団体リトルターンプロジェクトが人工的に作った営巣地です。リトルターンとは絶滅危惧種である「コアジサシ」の英名。2002年から下水処理施設の広大な屋上に砂利を敷き詰めて、これまで何度もコアジサシを営巣させて来ました。一番多かった時は2000羽以上が孵化し、広い敷地には多くのコアジサシが舞っていたそうです。ただ、近年はカラスやハクビシンなどが現れ、卵を取ってしまうらしく、今年は全く営巣するコアジサシがいませんでした。さて、そんな場所に間借りし元気に飛び回っていたのが、イワツバメです。これまで見てきたツバメとは違い、ツートンカラーのペンギンのようにとても可愛らしい鳥です。実はこちらも京都府ではレッドデータに載っている貴重な鳥です。そんなこともあり、今回、なぜ生き物を絶滅させては行けないのか、という事を深く勉強させて頂きました。この「なぜ絶滅させてはいけないの?」というワードから、視聴者の皆様が少しでも何かを考え、鳥や動物を愛でてくれたら嬉しいなあと思い、今回は撮影に臨みました。リトルターンプロジェクトの活動は今後も同じ場所で続いて行きます。是非ご参加して頂ければと思っております。(村上宗義)

■ ACCESS

東京モノレール「昭和島駅」から「森ヶ崎水再生センター」まで徒歩約3分

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