ストーリー

第3話2022.5.7 放送

「遺体が蘇った…!?」
さまざまな科学研究を手掛ける笠森研究所で、遺体が自ら歩いて行方不明になるという事件が発生。小比類巻(ディーン・フジオカ)、最上(岸井ゆきの)、長谷部(ユースケ・サンタマリア)は、研究所のある山梨へ向かった。

「ありえないでしょ」と、死者の蘇りを信じない最上は、事件よりも、ほうとうと信玄餅に興味津々。長谷部もそちらに乗り気。そんな2人をよそに、事件に強い興味を抱く小比類巻。
笠森研究所には、研究に使用するための献体遺体が保管されている。遺体安置所の監視カメラには、不法侵入した動画配信者の八木(長谷川ティティ)と赤井(長村航希)が撮影中、遺体が起き上がって歩き出す様子が映っていた。その姿は、まさしくゾンビだった———

蘇った遺体の身元は、末期がんで亡くなった土屋という男性。前日に入院先の病院で死亡確認された後、研究所に運び込まれた。
騒ぎを大きくしたくないという地元山梨県警の意向で、捜査は秘密裡に行われる。最上は、研究所で植物バイオテクノロジーの研究者・安田(華優希)と出会う。天才科学者として名高い最上に会えて、感激する安田。最上は、熱意を持って研究に取り組む安田と語り合う。

八木と赤井が警察に出頭。彼らの取調べに長谷部も加わる。まったく反省する様子のない2人に、長谷部が一喝。長谷部は有能な刑事として地元の刑事・笠井(長尾純子)にも一目置かれ、遺体の捜索隊の指揮を任される。大張り切りの長谷部だったが…!?

小比類巻は三枝(佐藤隆太)に情報を求めるが、死者の蘇生に関する情報は乏しく、三枝は代わりに、有名な心霊スポットの話をする。30年ほど前、笠森研究所近くにあった床屋の店主が自殺し、それ以来、夜になるとハサミを持った店主の幽霊が店先に出るようになったのだという。死者の蘇りは霊的なものが関係しているのではないかと熱弁を振るう三枝。「幽霊はないでしょう」と、珍しく小比類巻と最上の意見が一致する。

そんな中、歩く遺体の目撃情報が入る。目撃者の車のドライブレコーダーに映っていた映像から、遺体は土屋と確認される———!死者の蘇りに隠された衝撃の真実とは!?

以下 ネタバレを含みます

遺体を目撃したのは、地元の青年・永山。土屋は、永山の車のフロントガラスに手を押し付けて立ち去っていた。最上は、フロントガラスに残された土屋の付着物を採取。安田の研究室で分析すると、付着物は植物のタンパク質(酵素)と判明する。植物の再生力を研究する安田は、人工タンパク質を作っていた。小比類巻と最上は、そのタンパク質が死者を蘇生させたと考えたのだった。

土屋は、がんとともに心臓弁膜症を患っていて、死の直前まで強心剤を投与されていた。安田の作った人工タンパク質が遺体の中に入ることで壊れた神経系が異常再生して強心剤と合成され、その刺激によって止まっていた心臓が動き出した。研究室内で管理されていたタンパク質は、どのようにして土屋の体内に入ったのか?土屋が蘇った当日、安田が人工タンパク質をドライアイスの上にこぼしてしまうというアクシデントがあった。安田は排気ファンを動かし、ドライアイスで気化したタンパク質を外に排出した…はずだった。

その日、研究所は空調メンテナンスが行われていて、通常の排気ルートが使えなくなっていた。安田が動かしたのは緊急排気ファンで、それによって部屋の気圧が大きく下がって逆流が発生。その結果、本来とは違うルートの気流ができて、特殊なタンパク質が遺体安置所に流れ込んでしまった。奇跡的な偶然が重なり、土屋の遺体は蘇ったのだった。
一方、土屋の行方を追う長谷部は、徹底的な捜索にもかかわらず見つけることができない。小比類巻は、土屋が家族との思い出の地に向かっていると考えていた。

土屋は20年前に妻と娘を亡くして以来、孤独だった。土屋の遺品には、子供が描いた絵があった。その絵には、父親と母親と娘の姿と湖に浮かぶアヒルが描かれていた。小比類巻は、土屋が家族で楽しく過ごした場所がアヒルボートの浮かぶ湖のある公園と推測。脳が機能していなくても心は肉体に宿っているはずだと主張する小比類巻に、最上は科学的根拠がないと反論する。

小比類巻たちは、公園へ向かった。土屋は、ブランコに座っていた。脈はなく、再び永遠の眠りについたようだ。ブランコからは、壊れたアヒルボートが見える。最後の願いを叶えた土屋を、優しいまなざしで見つめる小比類巻。

土屋の遺体は火葬され、事件化されず表沙汰にならずに終わった。自分の研究が恐るべき事態を引き起こしたことにショックを受けた安田は、研究所を辞めてしまった。この一件で小比類巻は、死者の蘇りは可能かもしれないと期待を抱く。最上は「科学者は、悪意がなくてもパンドラの箱を開けてしまうことがある。一度開けた箱は二度と閉められない」と小比類巻に告げる。

ある晩、最上は偶然、小比類巻の部屋をのぞいてしまう。小比類巻は亜美の遺体のライブ映像を見つめ、話しかけている。小比類巻の秘密に触れ、最上は動揺する———

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