ストーリー

第5話2022.5.21 放送

カフェで待ち合わせをしている最上(岸井ゆきの)。しかし、相手は一向に現れない。
小比類巻(ディーン・フジオカ)たち科学犯罪対策室は、女性の変死事件を捜査することに。街中で突然倒れて死んだ女性の死因は老衰と診断されるが、老人にしか見えない彼女の実年齢は35歳だった———

女性の身元は、サイエンスライターの速水(栗山千明)。最上がカフェで待っていた相手であり、最上の大学時代の先輩だった。速水は最上に会いに行く途中、体が急激に老化して死に至った。

小比類巻と長谷部(ユースケ・サンタマリア)は、最上がショックを受けているのではないかと気遣う。平静を装う最上だったが、変わり果てた速水の姿を見て動揺する。
速水は、元ウイルス研究者で最上のかつての共同研究者でもあった。最上と速水は3年前に研究を中止して以来、会っていなかった。そんな速水から突然「直接会って話したいことがある」とメールが来て、最上は会う約束をした。

柴山(三津谷葉子)からの報告で、速水は未知のウイルスに感染していたと判明。最上は、その正体を即座に理解した。
「…プロメテウス・ウイルス」
それは、最上と速水が共同研究していたウイルス。プロメテウスは、人間に火を与え、光をもたらしたとされるギリシャ神話の神。
最上は小比類巻と長谷部に、速水との研究で起きた出来事を語り始める。最上が科学の世界から姿を消した真相が明かされる———

自分たちが生み出し、封印したはずのウイルスが変異し、恐ろしい事件を引き起こしていると知った最上は、自分で食い止めなければいけないと決意。速水は最上を裏切り、秘かに研究を続けていたのか!?
そんな中、速水と同様に急激な老化で死んだ男性・河合(松本実)の遺体が発見され———!?

ついに明らかになる、最上の過去。封印したはずのプロメテウス・ウイルスがなぜ存在し、速水が老化して死んでしまったのか? 小比類巻たちは、危険なウイルスの拡散を止めることができるのか!?

以下 ネタバレを含みます

4年前、ウイルスの研究を続けていた最上と速水は偶然、未知のウイルスを発見し、それが老化を止める作用を持つことを突き止めた。

「不老不死が現実になる!?」このウイルスが人類の光になるかもしれないと考えた最上と速水は、“プロメテウス・ウイルス”と名付けた。

2人は、プロメテウス・ウイルスの研究に没頭。そんな中、このウイルスは常温にさらすと約半日で感染力を失い、激しい振動を与えると一気に活性化して気化するという特質を持っていることが分かる。ウイルスはチューブに入れて冷凍保存される。

最上と速水は、プロメテウス・ウイルスを人間に応用するために3匹の猿を被検体とした実験を行う。研究開始から16ヵ月後に1匹の猿にウイルス感染が確認された。科学者として、人類の未来を変える大発見に喜ぶ最上と速水。しかし、2人は最悪の事態に直面する。感染した猿が他の猿を共食いしていたのだ———。プロメテウス・ウイルスに感染すると不老不死の代償として、生命活動を維持するための大量のエネルギーが必要になり、感染した猿はエサを求めて目の前の仲間すら食べてしまったのだった。

「私たちのせいでパンドラの箱が開きかけてる。ここで封印しなきゃ」
最上は躊躇う速水を振り切り、プロメテウス・ウイルスを焼却して封印した…はずだった。

第2の犠牲者となった河合には、スリと引ったくりの前科があった。彼はアミューズメントパークで遊んでいた少年・(中村朗仁)と、まこと(宇賀山大成)に手品を見せている最中、急激に老化して倒れた。

2日前に引ったくりをする河合の姿を、監視カメラが捉えていた。その映像で、河合が速水から保冷ケースを奪ったことが確認される。

小比類巻と長谷部が河合の部屋を捜索すると、ウイルスが入ったチューブが破裂し、ウイルスが飛散した痕跡があった。さらに、メールの履歴から河合が薬物の売人と取引する予定だったと分かる。2本のチューブを手に入れた河合は、その中身を高値で売れる違法薬物だと思い込んで売りさばこうとしていた。

小比類巻は、河合の行動を推理。速水から保冷ケースを奪った河合は、その時にウイルスの入ったチューブを揺らしてしまった。それによってウイルスが活性化して気化し、チューブが破裂。河合は噴き出したウイルスに感染した。

2本あったウイルス入りのチューブ、1本は河合が破裂させた。残りのもう1本のチューブは、どこにあるのか? 河合が倒れた時の映像を見返すと、翔が背負うリュックのポケットにチューブが入っていた。このチューブが破裂したら、またしても惨事が起こってしまう! 長谷部は、現場のアミューズメントパークへ急行。翔を見つけ出し、やっとの思いでチューブを回収する。

速水は密かにプロメテウス・ウイルスを手元に残し、1人で研究を続けていたのだった。小比類巻と最上は、速水が使っていたレンタルラボへ向かい、研究の様子を記録した映像を見つける。そこには、速水がウイルスに感染した一部始終が映っていた。プロメテウス・ウイルスを変異させて、外部から大量のエネルギーを求めるという副作用をなくすことに成功したと興奮する速水。その時突然、停電が発生した。そのままでは冷凍庫が止まり、冷凍保存が必要なプロメテウス・ウイルスは失われる。動揺した速水は、チューブからウイルスをばらまいてしまった。彼女はウイルスを守るため、チューブを保冷ケースに入れて部屋を飛び出した。

プロメテウス・ウイルス変異株は外部からのエネルギーは必要としないものの、その代わりに感染者自身のエネルギーを使い果たしてしまう。それが、速水と河合が急速に老化して死に至った理由だった。苦い思いをかみしめる最上を、小比類巻は見守ることしかできなかった。

事件は解決したかに思われたが、小比類巻には気になることがあった。停電が起こり、速水がプロメテウス・ウイルスを持ち出し、引ったくりに遭った。これは、本当に偶然の出来事なのか?

どこかの研究室で、何者かがチューブを冷凍庫に入れている。プロメテウス・ウイルスは、まだ存在している———

速水は、プロメテウス・ウイルス変異株を特許申請するつもりだった。速水が書いた特許申請書には、連名で最上の名前が記されていた。ウイルスの副作用をなくすことができれば、最上が科学の世界に戻ってくれるに違いない。速水は、そんな思いでプロメテウス・ウイルスの研究を続けたのだった。小比類巻は最上に「科学をもう一度信じてみませんか?」と告げる。最上は答えないものの、少し心が動いたようだ。

小比類巻は星来(鈴木凜子)を保育園に送っていく途中、ある女性の姿を見かけて衝撃を受ける。亜美(本仮屋ユイカ)と瓜二つのその女性の正体は———!?

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