ストーリー

第8話2022.6.11 放送

全身の血液がすべて失われペシャンコになった遺体が見つかった。小比類巻(ディーン・フジオカ)、最上(岸井ゆきの)、長谷部(ユースケ・サンタマリア)が解剖室で見たのは、亜美(本仮屋ユイカ)そっくりの女性の遺体。彼女は誰なのか!?激しく動揺する小比類巻。最上は、彼の胸の内を察して気遣う。

遺体の身元は、ヨガインストラクターの黛美羽(本仮屋ユイカ・二役)。彼女は生まれてすぐ、養子として引き取られて育った。養母の黛かえでは、すでに亡くなっていた。
亜美も、聡子(石野真子)が引き取った養子…。小比類巻は聡子に、亜美とそっくりな女性の遺体が見つかったことを知らせ、亜美が双子だったのではないかと尋ねる。聡子は、亜美が双子だとは聞いていないと答えるが…。

小比類巻と最上は、黛家を捜索。美羽とかえでの部屋は、何者かにひどく荒らされていた。かえでの本棚から、幻の『エルマー遺伝子』に関する科学雑誌の記事が見つかる。
エルマー遺伝子は、免疫に関わる遺伝子で、あらゆるウイルスや病原菌に対抗する強い免疫力をもたらすとされ、1997年に南米で発見された。しかし、その後は見つかっておらず、発見自体が捏造とも言われている。最上の説明に、小比類巻は不穏な予感を覚える。

美羽の死因は、サイトカインストーム(免疫暴走)による多臓器不全と判明。何らかのウイルスに感染した美羽の体内で、免疫システムがウイルスを攻撃しようとして暴走。健康な細胞まで攻撃されてしまい、死に至ったという。
長谷部は、美羽の身辺を調査。美羽の生い立ちは、非常に複雑だった。その報告は、小比類巻にとって、あまりに衝撃的で…。

長谷部の調べで、美羽の周辺に西城(平山祐介)が現れていたことが分かる。西城は元刑事で、現在は裏社会の便利屋として暗躍する人物。西城は、原康生(加藤雅也)の命令で動いていたことがわかる。
さらに、美羽が感染していたのは、プロメテウス・ウイルスと判明。速水(栗山千明)が研究を続け、彼女の命を奪ったこのウイルスは、すでに消滅したはずだったが…。

次第に明らかになる亜美の秘密と、原の真の目的。その発端となる32年前の“悪魔の子事件”とは?そして星来(鈴木凜子)に伸びる魔の手…。小比類巻たち科学犯罪対策室が、原が画策する恐るべき陰謀に立ち向かう———

以下 ネタバレを含みます

亜美と美羽は、須藤あかりという女性が精子バンクを使って人工授精で産んだ一卵性双生児で、エルマー遺伝子を持っていた。美羽はプロメテウス・ウイルスに感染したが、エルマー遺伝子の強い免疫力がウイルスに抵抗。その結果プロメテウス・ウイルスの副作用である老化は防いだものの、代償としてサイトカインストームによる多臓器不全を起こしてしまったのだった。

長谷部は西城のアジトに踏み込むが、あと一歩のところで西城を取り逃がす。アジトを調べると、原が美羽を拉致するよう西城に指示していたことが分かる。

三枝(佐藤隆太)の調査によると、原は、1990年に“悪魔の子事件”を起こした産婦人科医・原茂吉の息子だった。茂吉は、不妊治療と称して受精卵に遺伝子操作を行っていた。茂吉が遺伝子操作技術を使って思い通りの人間を作ろうとしたこの一件は“悪魔の子事件”として当時世間を騒がせた。茂吉は大バッシングを受けた末に、人権団体の過激派に殺害された。

どんなウイルスや病原菌にも対抗できる免疫を生む遺伝子があれば、人間は不老不死に近づく。茂吉は、エルマー遺伝子を持った人間を遺伝子操作によって人為的に生み出そうとしていた。茂吉のクリニックで不妊治療をしていたあかりが、その実験台にされたのだった。あかりの出産後、「悪魔の子が双子で生まれた」と噂が広まった。生まれた双子は、安全のために出生を隠して別々に育てられた。引き取ったのは、クリニックの看護師だった聡子とかえで。聡子は亜美、かえでは美羽の母となった。

「亜美は…悪魔の子…」
亜美の出生の秘密を知り、混乱する小比類巻。さらに彼は、原の真の狙いに気づいた。
「本気で不老不死を実現させようとしている」
プロメテウス・ウイルスによって不老不死を実現させるのが、原の最終目標なのだ。速水がひったくりに遭ってプロメテウス・ウイルスを奪われたのは、原の差し金だった。原は速水が変異させたプロメテウス・ウイルスを手に入れたものの、急激に老化を進行させて死なせてしまう副作用があり、普通の人間には使うことができない。どんなウイルスにも強いエルマー遺伝子を持つ人間を宿主にして変異させることで、副作用のない真の不老不死のウイルスの完成を目指しているのではないか。

かえでの遺品から自分の出生の真実を知りたいと思うようになった美羽は、自ら原を訪ねた。原にとって美羽は、ずっと探し求めていた“悪魔の子”。彼女は、原の研究に利用され、命を落とした。原は、まだエルマー遺伝子を持つ人間を必要としている。次に狙われるのは、亜美の遺伝子を受け継ぐ星来。小比類巻と最上は、星来の安全確保を急ぐ。

原は聡子を連れ出し、もう一人の“悪魔の子”の行方を教えるようにと迫っていた。その時、聡子のもとに小比類巻から電話が来る。星来を保育園まで迎えに行ってほしいと言う小比類巻に聡子は、原がそばにいることをそれとなく知らせる。原は聡子のスマホから星来の存在を知り、保育園に追手を送り込む。

その頃、星来は公園で保育士とかくれんぼをして遊んでいた。隠れていた星来に「パパが待ってるから、帰ろうか」と、見知らぬ女性が声をかける。それは、原の部下・影山沙也香(鷲見玲奈)だった。

小比類巻が駆け付けた時、星来が乗せられた車が走り去っていく。緊急配備が敷かれるものの、見つかったのは乗り捨てられた車だけだった。小比類巻は激しい怒りを抱いて、星来救出に向かう———

相関図 詳しくはこちら