検 索 無料配信 番組表

プリマダム

2006年4月期 水曜ドラマ
ストーリー

第1話

2006年4月12日放送

製薬会社の営業マンをしている夫・高太郎(古田新太)、2人の娘、舞(夏帆)、結(志保)の一家4人で平凡な家庭を築いている主婦・万田佳奈、44歳。

昼はハンバーガーショップでパート店員をしている佳奈が、ある日、夫が接待のために用意していたバレエのチケットが余ったことから、クラシックバレエを鑑賞する機会を得た。実は佳奈は幼い頃、バレエが好きで好きでたまらず、プリマになることを夢見ていたのだが、家の経済的事情からバレエを諦めていたのだった。もちろん久々にバレエに触れた佳奈は、大興奮。しかもその公演の主催者が倉橋バレエ団理事長の倉橋嵐子(中森明菜)だと知った。

佳奈より4つ年下の嵐子は、実は子供の頃、同じバレエ教室に通っていた幼なじみ。その後、佳奈はバレエから遠ざかったが、嵐子は才能を磨き、ロイヤルバレエ団のプリマにまでなっていたのだった。嵐子と遭遇した佳奈は、懐かしさもあって思わず声を掛け、その手を固く握りしめる。だが、佳奈の存在は嵐子の記憶からすでに消えていたらしく、戻ってきたのはありきたりの言葉だけ。ショックを受けた佳奈は、しょんぼりと家路に着くことになった。

嵐子との再会の興奮も冷めやらぬある日、佳奈は、パート先の向かいのビルの2階に、バレエ教室が新しくオープンしたことを知る。早番の仕事を終えた佳奈が下から見上げて観察してみると、生徒はかなり集まっている様子。まもなく、教室の関係者らしき女性に誘われた佳奈は、同じく教室を見上げていた1人の少年・はるお遥生(中島裕翔)と一緒に、中を見学した。

この教室は、土井匠(小林十市)というバレエダンサーが開いた教室だった。土井はパリ・オペラ座の舞台にも立ったことがある超有名ダンサー。誘われるままに、遥生はいつの間にか、匠らと一緒に軽やかなステップを踏んでいた。少年とはいえ、そのバレエは経験者のそれ。見学しているうちについ浮かれた佳奈もまた、昔を思い出してジャンプ! しかし着地に失敗してしまい、いきなり足を挫いてしまった。

匠に付き添われて行った病院には、パート先の店長・山本(加藤雅也)からの連絡で夫・高太郎も駆けつけ、大騒ぎとなった。家に戻った佳奈は、高太郎から、「オバサンのバレエなんかモスラのバレエぐらいみっともないんだよ!!」と暴言を浴びせられる。高太郎の言葉に反論できない佳奈は、傷つき、ただ絶句するしかなかった。

数日後、バレエ教室に未練を抱きながらパートの仕事をこなしていた佳奈は、匠と一緒にやって来た遥生から、一緒にバレエをやろうと誘われた。このままただ年をとって死んでいくのは嫌だ、と思っていた佳奈は、バレエをやりたい意思は示しつつも、金銭的な余裕がないことを告げる。だが、話を聞いていた匠は、そんな佳奈に、教室で掃除や雑用などのパートをしてバレエを好きなだけ見たらどうかと勧めた。もちろん佳奈は、即座にこの話を受けた。

そんな中、遥生が、常々思っていた心のモヤモヤを匠にぶつけた。遥生は、バレエが女性のものだとの偏見を持つ学校の友達から、“カマオ”と呼ばれ、バカにされているらしい。そして、このイジメでバレエに対する情熱を失いかけているようなのだ。

話を聞いた匠は、そういう時はみんなを黙らせてやればいいと答え、その場で力強く32回転の『ア・ラ・スゴンド・トゥール』を決める。匠の男性的で見事なターンに、佳奈、遥生、山本はもちろん、店にいた保険外交員の吉村夏芽(高岡早紀)らお客たちもビックリ。店内は、一瞬の静寂の後、お客たちの総立ちの拍手と「ブラボー!!」の声に包まれた――。

 

第2話

2006年4月19日放送

娘・舞(夏帆)や結(志保)、そして、もちろん高太郎(古田新太)にも内緒で始めたバレエのレッスン。店長の山本(加藤雅也)も、男性ながら違う時間帯で教室に通い始めたらしく、ライバル心いっぱい。

ハンバーガーショップの常連で一緒にバレエ仲間となった保険外交員・吉村夏芽(高岡早紀)の情報によると、佳奈(黒木瞳)の教室での主なお仲間は、夫と青果店をやっている三崎レイ(映美くらら)、ダイエット目的の専業主婦・岩井千里(黒瀬友美)、外務省職員夫人の高杉民江(松島トモ子)、不動産会社社長夫人の青葉笑子(神田うの)ら。

娘・冬美(亜希子)と二人暮らしの夏芽は、35歳という年齢を考えて「ママ、バレエ始めたの」とは言い出せず、ヨガ教室に行っていることになっていた。

翌朝、全身筋肉痛ながら気分爽快の佳奈は、バッタリ出会った遥生(中島裕翔)にバレエのポーズを練習していたところを見られてしまう。当の遥生は通学中も母親の秘書にガードされている様子だったが、匠(小林十市)は、親がいくら止めても遥生は必ず土井バレエ教室に戻ってくると断言する。

その匠から、雑用のパートをすれば好きなだけレッスンしてもいい、と言われた佳奈はヤル気満々だった。

ところが、佳奈のレッスンに思わぬジャマが入った。夕方のレッスンを受けたい山本が、佳奈にパート時間の延長を指示したのだ。パートの後はすぐに家事に取り掛からざるを得なくなった佳奈は、レッスンも受けられず、まさに踏んだり蹴ったり。佳奈は、勤務時間を元に戻してほしいと山本に頼み込むが、受け入れてもらえそうになかった。

そんな折、高太郎が会社の部下たちを夕飯に呼ぶ、と一方的に言い出した。パートもあるからそんなの無理! と佳奈は言うが、高太郎は聞く耳を持たない。レッスンが出来ない佳奈は、深夜、舞に見られているとも知らず、キッチンの縁に掴まって密かにレッスンをしてストレスを発散した。

高太郎が部下を呼ぶ日、山本が張り切りすぎてギックリ腰になったため、急に佳奈が以前通り夕方のレッスンを受けられるようになった。喜び勇んで教室に入った佳奈は、さっそくレッスンを開始。そこに制服姿の遥生も現れ、教室内は一気ににぎやかになった。

レッスン終了後、佳奈は、遥生に、その将来を心配する嵐子(中森明菜)と十分に話し合うよう諭した。そして、夕食のことを思い出した佳奈は、秘密を知ったらしい舞に協力を求め、慌てて準備を始めて――。

 

第3話

2006年4月26日放送

佳奈(黒木瞳)のレッスンを目にしてしまった高太郎(古田新太)は、「モスラの踊りは絶対許さん!」と怒鳴りまくる。佳奈は、心配する仲間たちの励ましの声を聞きながら、何とか高太郎に自分の思いを分かってもらおうと心に誓った。そして、その夜、正座をして頼み込んだ結果、家事の手抜きはしない、レッスン費用は掃除のパートをすることで免除、という条件で、晴れてバレエを続けられることになった。

そんなある日、夏芽(高岡早紀)は、街中でコーヒーをこぼされたのがきっかけで、竹之内(小田井涼平)というイケメン男性と知り合い、食事に誘われた。バレエを始めて姿勢も表情も良くなったといわれ、ちょっぴり自分に自信が持てるようになっていた夏芽は、とまどいながらもOKの返事をする。そんな夏芽の姿をたまたま見かけた佳奈は、心から応援してあげようと思った。

その頃、嵐子(中森明菜)は遥生(中島裕翔)にレッスンをつけていたが、どうしても踊りに心が入っていないことを見破っていた。しかし、遥生が匠(小林十市)の教室で教わったレッスン“廊下掃除のバレエ”を楽しそうに踊っているのを目撃。その輝くような笑顔を見て、自分の教え方が遥生に合わないと察した嵐子は、「好きなようにしなさい!」と暗に匠の教室でレッスンすることを許した。

晴れて嵐子の許可を得て、土井バレエ教室にやってきた遥生。佳奈は嬉しそうな遥生を見て、自分のことのように喜んだ。その上、嵐子が遥生のレッスンをこっそり見るため、教室内が窓越しに見えるハンバーガーショップの2階席にやって来たと知り、ほっとする。コーヒーを運んだ佳奈は、懸命に弁解する嵐子に、わが子の成長を見守る母親の姿を見た思いがした。

夕方、佳奈は思わぬ人物に声を掛けられて驚いた。なんと夏芽とデートするはずの竹之内が、佳奈の服にコーヒーをこぼしたのを口実に食事に誘ってきたのだ。言葉巧みに佳奈を喫茶店に連れ込んだ竹之内は、さっそくとばかり保険のパンフレットを広げる。竹之内が人の心を弄んで保険の勧誘をしていると気付いた佳奈は、夏芽もまた生保レディーだと明かし、憤然と席を立った。

デート場所で待ち続けている夏芽のことを思った佳奈は、家事の時間が迫っていることも忘れて、その場所に急いで――。

 

第4話

2006年5月3日放送

笑子(神田うの)と、笑子の夫の愛人・大河内美樹(西山繭子)が皆の前で激しいバトルを繰り広げた後、今度は佳奈(黒木瞳)の夫・高太郎(古田新太)に愛人疑惑が浮上。笑子が、高太郎がカフェで女に泣かれているところを見かけたと報告してきたのだ。そういえば最近の高太郎には奇妙な言動が多い。

佳奈は、笑子に誘われるままにその営業先の病院に行って偵察。病院内の一角で、高太郎の胸に顔をうずめるようにして泣く見知らぬ女を目撃した。佳奈は、姿を隠したまま携帯に連絡してみるが、高太郎はウソの返事をし、浮気を確信する。

その夜、佳奈と笑子は匠(小林十市)の教室に忍び込み、浮気された者同士、仲良くウサ晴らしの自己レッスン。

ところが翌朝、家の玄関先に例の女・佐藤幸子(岩下道子)が現れたことから、思わぬ事情が明らかになった。

実は、幸子は、高太郎がお得意様にしている病院の外科部長の愛人だった。その外科部長から幸子と手を切りたいと仲介役を頼まれた高太郎は、立場上断るに断れず、幸子をなだめすかし、土下座までして別れて欲しいと頼み込んでいた。その朝やって来た理由は、不倫の清算を決めた幸子が、高太郎に礼を言うためだったのだ。

自分の誤解に気付いた佳奈は、高太郎の優しさを再認識したこともあり、ホッと胸をなでおろした。

まもなく、笑子と愛人騒ぎをからかったレイ(映美くらら)が揉み合いになり、とばっちりでズボンを破いた遥生(中島裕翔)が、万田家にやって来た。遥生は、突然の訪問にも、高太郎、舞(夏帆)、結(志保)から大歓待を受けて大喜び。佳奈から連絡を受けた嵐子(中森明菜)は、一抹の寂しさを感じながらも、何かを心に決めた様子だった。

嵐子に命じられて迎えにやって来た畠山(内藤剛志)は、遥生の気持ちが完全に匠に傾いていると知り、危機感を募らせる。

そんなある日、佳奈は、海外出張中だった笑子の夫が、今夜、帰国すると知った。どうせ愛人が成田まで迎えに行くと虚勢を張る笑子に、佳奈は…。

 

第5話

2006年5月10日放送

取引先の院長の機嫌をとるために、高太郎(古田新太)が嵐子(中森明菜)に病院の慰問を依頼し、快諾してもらった。

しかし、匠(小林十市)が倉橋バレエ団に引き抜かれるというウワサを聞いた佳奈(黒木瞳)は、教室の生徒たちが次々と倉橋バレエ団のスクールに移籍していたこともあり、意を決して嵐子に抗議しに行く。ところが、嵐子は畠山(内藤剛志)の引き抜き工作を知らなかったらしく、佳奈と全く話が噛み合わない。

遥生(中島裕翔)についても、佳奈は子供の気持ちを考えない嵐子の身勝手さを責め、喧嘩別れ。高太郎の慰問の件もあったが、「絶対に謝らない!」と息巻く。

一方、偶然、嵐子と畠山の会話を聞き、母親が土井バレエ教室をつぶそうとしていると思い込んだ遥生は、レッスンにも身が入らずしょんぼり。そんな遥生を見かけた高太郎は、いつもの調子で彼を銭湯に連れて行く。

そんな2人の関係を快く思わない畠山は、早々に遥生を迎えに行き、高太郎に対しても“遥生坊ちゃんを利用している”と言い放つ。カッとなった高太郎は、なんと嵐子への慰問の依頼を自らキャンセルしてしまった。

まもなく、慰問の一件で困った高太郎が匠を訪ね、生徒たちに手伝ってほしいと頼み込んだ。生徒たちは大乗り気だったのだが、匠は技術的な未熟さを指摘し、あっさり断る。

しかし、やる気満々の生徒たちは、こっそりと慰問の手伝いをしようとそれぞれレッスンを始めた。家でモップを手に特訓する佳奈。店の中で、公園で、早朝の教室で、生徒たちは一生懸命レッスンを重ねた。

そして、ちょうど母の日と重なった慰問の日、佳奈、笑子(神田うの)、遥生ら生徒たち、高太郎、舞、結(志保)、冬美(亜希子)らが、病院の控え室に集まった。

だが、嵐子が来ていないと知った佳奈は、遥生の思いを伝えるため倉橋バレエ団に向かって――。

 

第6話

2006年5月17日放送

それぞれが練習を重ねてきた病院の慰問。しかし、「まだ早過ぎる」と言った匠先生(小林十市)の予想した通り、大失敗。途中で夏芽(高岡早紀)が山本(加藤雅也)の足を踏んでしまったのをきっかけに、めちゃくちゃになってしまった。しかも、内緒だったはずの匠にまで、慰問に出かけたことがバレてしまい、全員落ち込む。

数日後、責任を感じた夏芽が、教室を辞めると連絡してきた。心配した山本は佳奈(黒木瞳)に、「自分もバレエを辞める」と伝えて、有給休暇を取って姿をくらます。

山本がいなくなった影響をもろに被った佳奈は、ハンバーガーショップの仕事が忙しく、レッスンどころではない。さらに、レイ(映美くらら)は、夫と大喧嘩をしてバレエが出来なくなったと言い出した。

一人また一人と欠け、バラバラになっていくバレエ教室。教室の仲間が唯一の友達だった、だから一人もやめて欲しくないという民江(松島トモ子)の言葉が、佳奈の胸に響く。

さらに佳奈にはもう一つ心配事があった。それは、何かを隠しているような嵐子の言葉。佳奈は忙しい時間をさいて嵐子に会うが、嵐子は強気の姿勢を崩さず、秘密を明かそうとはしなかった。

そんな嵐子の様子をむしろ痛々しく感じていた畠山(内藤剛志)は、ついにある決意をする…。

 

第7話

2006年5月24日放送

発表会という大きな目標が出来た佳奈(黒木瞳)ら生徒たちは、前にも増してレッスンに励むようになった。レッスン終了後にはビデオを見て、バレエ談義で盛り上がる生徒たち。教室には舞(夏帆)も通い始め、生徒たちの発表会への思いはエスカレートするばかり。

そんな折、山本(加藤雅也)が発表会に要する費用を計算。衣裳代やチラシなどの印刷費用を除いても、1人当たり6万円近く掛かると明かした。笑子(神田うの)ら、この費用を捻出できる生徒たちは納得。だが、青果店の経営が思わしくないレイや、家族3人で参加することになる佳奈は頭を抱えた。

一方、嵐子(中森明菜)の希望の光は、レッスンに意欲を見せるようになった遥生(中島裕翔)のこと。ロイヤルバレエ団に合格したら、一緒にバレエを踊るという遥生との約束を思い出した嵐子は、主治医の新藤(浅野和之)から勧められていた入院を決意。ニューヨークに2週間ほど仕事で行くとウソをつき、遥生を佳奈に預け、畠山(内藤剛志)に連絡した嵐子は、直ちに新藤の病院に入院した。

医者の接待でキャバクラに行った高太郎(古田新太)は、参加費用を稼ごうとバイトをしていたレイ(映美くらら)と遭遇。これがきっかけで、発表会の費用が3人で18万円も掛かると知る。高太郎は即座に全員不参加と言い出すが、いつになく真剣な舞と結(志保)の願いを聞き入れ、佳奈だけは参加させようと心に決めた。だが、佳奈はそれには同意せず、結局、万田家は全員が発表会に参加しないことになった。

まもなく、教室でレイと共に発表会不参加を切り出した佳奈に、匠(小林十市)が思わぬ話を始めた。なんと匠は、自分のツテで会場を借りれば、1人1万円も掛からないと断言したのだ。これには佳奈やレイはもちろん、他の生徒たちも大喜び。そして、全員で参加できる喜びで顔を輝かせる生徒たちに、匠は発表会での演目を告げた。

『トゥーランドット』…匠は、オペラの曲をアレンジして踊ろうというのだ。この曲に合わせて踊る匠を見た生徒たちは、その美しさに声を失い、魅了された。

その頃、入院中の嵐子は、ある新聞記事をみて呆然とする…。

 

第8話

2006年5月31日放送

秘書・畠山(内藤剛志)の裏切りにより全てをなくしてしまった嵐子(中森明菜)。佳奈(黒木瞳)は、貯金も行くあても全くないらしい嵐子と遥生(中島裕翔)をかくまおうと決意した。嵐子はマスコミの格好のターゲットになっており、記者たちは鵜の目鷹の目でその行方を捜しているはずなのだ。

バレエ教室では、海外出張中の匠(小林十市)が残していった発表会のレッスン用テープの在りかが分からず大騒ぎ。だが、そのこと以上に生徒たちの話題になったのは、嵐子の解任劇のことだった。佳奈は、みんなから行方が分からない嵐子の消息を聞かれるが、何も知らないとシラを切り続ける。

しかし、山本(加藤雅也)が万田家に嵐子がいることを察知。バレエ教室の生徒全員で家に押しかけてきた。

山本らは、匠の代わりにレッスンをして欲しいと頼み込むが、嵐子は「匠先生の教室で勝手に教えることはできない」と断る。それでも、遥生のまわりには暖かい人々がいることがわかり、ほっとする嵐子だった。

生徒たちのレッスンに熱が入る頃、お嬢さま育ちで世間を全く知らない嵐子は社会勉強を始めていた。お客が殺到するスーパーのワゴンセールの人の渦に飛び込んだり、屋台のラーメンを食べたりして、一般的な暮らしというものを知っていった。佳奈と高太郎(古田新太)の経済的な負担は増したが、遥生との距離も縮まり、2人の表情はあくまで明るかった。

ところがある日、遥生が自分たちの置かれている状況について知ってしまい、バレエを辞めると言い出した。

夢を諦めることがどんなに辛いことかを知っている佳奈は、なんとか遥生にバレエを続けさせようと奔走する…。

 

第9話

2006年6月7日放送

とうとう佳奈(黒木瞳)の目の前で倒れてしまった嵐子(中森明菜)。病院に搬送される嵐子に付き添った佳奈は、急を聞き駆けつけた高太郎(古田新太)の話から、主治医の新藤(浅野和之)が有名な心臓外科医だと知り、心配を募らせた。遥生(中島裕翔)に不安を与えないよう、高太郎と佳奈は普段通りにふるまおうとする。

一方、バレエ教室では、パリから帰国した匠(小林十市)が発表会のキャスティングを発表。生徒たちは、自分たちの役にそれぞれ役名をつけたりするなど大盛り上がり。だが、夏芽(高岡早紀)や笑子(神田うの)は、一人だけいつもとは様子が違う佳奈に首をひねった。

その後病室を見舞った佳奈は、嵐子と一緒に検査結果を聞いて呆然とした。新藤の所見によると、嵐子は心臓に爆弾を抱えており、このまま手術をしなければ危ないというのだ。しかも、その手術自体も成功率は五分五分だという。ずっと一人で病と闘ってきた嵐子は、佳奈に告白できたことでほっとし、遥生のことも佳奈に頼む。

そんな中、パリのソフィー・ルグラン(ウインドラス・ローラ)というバレエ教師が、匠の話から、遥生の才能に注目。彼をテストしてみたいと言ってきた。ソフィーはロイヤルバレエスクールにもたくさんの教え子を送り込んでおり、もし合格すれば、遥生のロイヤルへの道は大きく拓ける。

パリに一人で行くことに初めは戸惑いを見せた遥生も、嵐子から電話で励まされ、テストに合格することを約束する。匠の指導のもと、遥生は猛特訓を開始するが…。

 

第10話

2006年6月14日放送

遥生(中島裕翔)のパリ行き決定の興奮が冷めやらぬ中、匠(小林十市)が発表会を半年後に行うと佳奈(黒木瞳)らに伝えた。主役の笑子(神田うの)は生徒たちの憧れの的、トウシューズの使用許可を匠から得て、佳奈らは再びレッスンに熱を入れ始めた。

そんな中、高太郎(古田新太)に7月1日付けで熊本営業所への異動の辞令が出た。この話は所長として異動する栄転だったが、半年後の発表会のことを思い出した高太郎は気が重い。考え抜いた高太郎は、発表会で踊りたいという佳奈の子供の頃からの夢を叶えてあげようと、独断で単身赴任しようと決めた。

だが、この異動を夏芽(高岡早紀)から偶然聞いた佳奈は、高太郎が相談してくれなかったことに猛抗議。高太郎の優しい思いを知った佳奈は、舞(夏帆)、結(志保)を交えて家族会議を行った。その結果、万田家は発表会への参加をあきらめ、家族全員で熊本へ引っ越すことになった。

笑子や山本(加藤雅也)ら生徒たちは、匠に報告する佳奈の話を聞いて驚愕した。生徒たちは佳奈がメンバーから外れることを口々に寂しがる。その時、佳奈の思いを知る舞が、生徒たちの考えを代弁するように、発表会の時期を早めて欲しい、とポツリ。これに匠が、会場さえ決まれば、と前向きな発言をしたことから、話はすぐに動き始めた。

まもなく、東京中を奔走した夏芽と山本が会場の予約に成功し、発表会は6月21日、遥生がパリに出発する日に、前倒しして行われることになった。発表会がいきなり3週間後になったことで、生徒たちは目の色を変えて猛特訓を始める。

一方、手術を待つ入院中の嵐子(中森明菜)は、かつて自分で履いていたトゥシューズを佳奈に譲り、発表会で佳奈に履いてほしいと言った。頑張っている今の佳奈なら履ける、と。

そして、発表会が近づく中、嵐子の病室には、毎日のように匿名で花束が届けられていた…。

 

第11話

2006年6月21日放送

このページを
シェアする
©Nippon Television Network Corporation