ニュージーランドとオーストラリアを舞台に開催され、16チームが招待参加。日本は宮地克実HC、林敏之主将、司令塔に平尾誠二を置くメンバーで臨んだ。
初戦のアメリカ戦ではともに3トライを奪いながらキックの失敗が響き競り負け、続くイングランド戦では大敗を喫し、世界レベルのパワーを思い知らされた。
最終戦では優勝候補のオーストラリアを相手に一時はリードを奪う大善戦。逆転負けを喫したものの、それまで「親善試合」のレベルでしか世界と戦ってこなかった日本にとって、世界レベルの強さ、パワーを経験できたのが最大の収穫だった。
優勝はニュージーランド。トライ王となったジョン・カーワンは後に日本代表ヘッドコーチとして2007年・2011年大会で指揮を執った。
名前 | 所属 | |
---|---|---|
HC | 宮地 克実 | |
FW | 八角 浩司 | トヨタ自動車 |
木村 敏隆 | ワールド | |
洞口 孝治 | 新日鐵釜石 | |
相沢 雅晴 | リコー | |
藤田 剛 | 日新製鋼 | |
広瀬 務 | 同大4年 | |
大八木 淳史 | 神戸製鋼 | |
栗原 誠治 | サントリー | |
桜庭 吉彦 | 新日鐵釜石 | |
(C) | 林 敏之 | 神戸製鋼 |
宮本 勝文 | 同大4年 | |
シナリ・ラトゥ | 大東大2年 | |
千田 美智仁 | 新日鐵釜石 | |
河瀬 泰治 | 摂南大助手 |
名前 | 所属 | |
---|---|---|
BK | 生田 久貴 | 三菱商事 |
萩本 光威 | 神戸製鋼 | |
平尾 誠二 | 神戸製鋼 | |
松尾 勝博 | ワールド | |
朽木 英次 | トヨタ自動車 | |
吉永 宏二郎 | マツダ | |
吉野 俊郎 | サントリー | |
大貫 慎二 | サントリー | |
沖土居 稔 | サントリー | |
ノフォムリ・タウモエフォラウ | 東京三洋 | |
向井 昭吾 | 東芝府中 | |
村井 大次郎 | 丸紅 |
ラグビーの母国・イングランドを中心とした英連邦(イングランド・ウェールズ・スコットランド・アイルランド)とフランスの共催。大会は大きくスケールアップし、チケット販売数は約100万枚、TV放映国は100超、TV視聴者数も約14億人となった。初めて世界各地で予選も行われ、日本は宿澤広朗HC、平尾誠二主将体制でアジア・オセアニア予選を突破し、本選に出場した。
優勝候補の一角と言われたスコットランドとの初戦では、前半接戦を演じながら後半に突き放され大敗。しかし続くアイルランド戦では3トライを奪い、敗れたものの大きな成長を見せた。そして、ジンバブエとの最終戦ではこの大会最多となる1試合9トライを奪取。52-8の圧勝で、記念すべきW杯初勝利を挙げた。
優勝はオーストラリア。大会を通じて奪われたトライがわずか3つという堅いディフェンスを武器に、開催国・イングランドとの決勝を制した。
名前 | 所属 | |
---|---|---|
HC | 宿澤 広朗 | |
FW | 太田 治 | 日本電気 |
木村 賢一 | トヨタ自動車 | |
田倉 政憲 | 三菱自工京都 | |
高橋 一彰 | トヨタ自動車 | |
薫田 真広 | 東芝府中 | |
藤田 剛 | 日本IBM | |
林 敏之 | 神戸製鋼 | |
エケロマ・ルアイウヒ | ニコニコ堂 | |
大八木 淳史 | 神戸製鋼 | |
梶原 宏之 | 東芝府中 | |
宮本 勝文 | 三洋電機 | |
中島 修二 | 日本電気 | |
大内 寛文 | 龍谷大1年(元リコー) | |
シナリ・ラトゥ | 三洋電機 |
名前 | 所属 | |
---|---|---|
BK | 堀越 正巳 | 神戸製鋼 |
村田 亙 | 東芝府中 | |
松尾 勝博 | ワールド | |
青木 忍 | リコー | |
(C) | 平尾 誠二 | 神戸製鋼 |
朽木 英次 | トヨタ自動車 | |
元木 由記雄 | 明大2年 | |
吉田 義人 | 伊勢丹 | |
増保 輝則 | 早大2年 | |
松田 努 | 関東学大3年 | |
細川 隆弘 | 神戸製鋼 | |
前田 達也 | NTT関西 |
アパルトヘイト(人種隔離政策)の影響で参加を拒否されていた南アフリカが初参加し、開催国となった。日本は小藪修HC、薫田真広(前15人制男子強化委員長)が主将、大会2カ月前に司令塔・平尾誠二が代表復帰し、大きな期待の中で大会に臨んだ。しかし初戦でウェールズ、第2戦でアイルランドに敗れて予選プール敗退が決まると、第3戦、ニュージーランドに21トライを奪われ、17-145。「ブルームフォンテーンの悲劇」と言われる大敗を喫した。W杯に向けて長期的に強化を続けてきた世界の強豪と、アマチュアの流れが抜け切れていない日本との差を見せつけられた大会となった。
決勝戦はノートライのまま史上初の延長戦となり、開催国の南アフリカがニュージーランドに勝利。マンデラ大統領がピナール主将に優勝カップを手渡す感動的なシーンで幕を閉じた。この大会は、クリント・イーストウッド監督の映画「インビクタス/負けざる者たち」のモデルにもなっている。
名前 | 所属 | |
---|---|---|
HC | 小藪 修 | |
FW | 太田 治 | NEC |
高橋 一彰 | トヨタ自動車 | |
田倉 政憲 | 三菱自工京都 | |
浜辺 和 | 近鉄 | |
(C) | 薫田 真広 | 東芝府中 |
弘津 英司 | 神戸製鋼 | |
桜庭 吉彦 | 新日鐵釜石 | |
ブルース・ファーガソン | 日野自動車 | |
赤塚 隆 | 明大4年 | |
梶原 宏之 | 勝沼クラブ | |
シナリ・ラトゥ | 三洋電機 | |
井沢 航 | 東京ガス | |
シオネ・ラトゥ | 大東大4年 | |
羽根田 智也 | ワールド |
名前 | 所属 | |
---|---|---|
BK | 堀越 正巳 | 神戸製鋼 |
村田 亙 | 東芝府中 | |
松尾 勝博 | ワールド | |
廣瀬 佳司 | 京産大4年 | |
元木 由記雄 | 神戸製鋼 | |
吉田 明 | 神戸製鋼 | |
平尾 誠二 | 神戸製鋼 | |
吉田 義人 | 伊勢丹 | |
増保 輝則 | 神戸製鋼 | |
ロペティ・オト | 大東大4年 | |
今泉 清 | サントリー | |
松田 努 | 東芝府中 |
ウェールズを中心に、欧州5カ国を舞台に開催された第4回大会は、ラグビーがオープン化(プロ化)して初めてのW杯だった。出場チームは16から20に増え、チケット販売数は約170万枚、TV放映国は209、TV視聴者数も約31億人と、大会規模もさらにスケールアップした。
日本は平尾誠二HCのもと、アンドリュー・マコーミックを初めての外国出身キャプテンに指名。前回大会ニュージーランド代表として出場していたジェイミー・ジョセフ(現日本代表HC)ら外国出身選手6人を代表に加える大胆なメンバーで臨んだ。だが第1戦でサモアに完敗。第2戦ではエースの大畑大介が鮮烈なトライを奪うもウェールズに完敗。最終戦も実力では同格と見られていたアルゼンチンにノートライで敗れ、力を出しきれぬまま大会を終えた。
決勝ではオーストラリアがフランスを破り、史上初めて2度目の栄冠を手にした。
名前 | 所属 | |
---|---|---|
HC | 平尾 誠二 | |
FW | 長谷川 慎 | サントリー |
中道 紀和 | 神戸製鋼 | |
薫田 真広 | 東芝府中 | |
坂田 正彰 | サントリー | |
中村 直人 | サントリー | |
小口 耕平 | リコー | |
ロバート・ゴードン | 東芝府中 | |
大久保 直弥 | サントリー | |
桜庭 吉彦 | 新日鐵釜石 | |
田沼 広之 | リコー | |
グレッグ・スミス | 豊田自動織機 | |
渡邉 泰憲 | 東芝府中 | |
木曽 一 | 立命大3年 | |
石井 龍司 | トヨタ自動車 | |
ジェイミー・ジョセフ | サニックス | |
伊藤 剛臣 | 神戸製鋼 |
名前 | 所属 | |
---|---|---|
BK | グレアム・バショップ | サニックス |
村田 亙 | 東芝府中 | |
廣瀬 佳司 | トヨタ自動車 | |
岩渕 健輔 | 神戸製鋼 | |
(C) | アンドリュー・マコーミック | 東芝府中 |
元木 由記雄 | 神戸製鋼 | |
吉田 明 | 神戸製鋼 | |
古賀 淳 | 三洋電機 | |
増保 輝則 | 神戸製鋼 | |
大畑 大介 | 神戸製鋼 | |
バティリアイ・ツイドラキ | トヨタ自動車 | |
三木 亮平 | 龍谷大4年 | |
松田 努 | 東芝府中 | |
平尾 剛史 | 神戸製鋼 |
第5回はオーストラリア大会。日本は向井昭吾HCのもと、箕内拓郎主将、副将に大久保直弥と大畑大介と、昭和50年生まれの同級生トリオをリーダーに臨んだ。
初戦のスコットランド戦では一時4点差まで詰め寄り、最後は11-32で敗れたものの、地元紙からは「ブレイブ・ブロッサムズ(勇敢な桜の戦士たち)」と呼ばれるほどの奮闘を見せた。続くフランス戦でも一時は1点差に迫るも敗戦。その後、フィジーとアメリカにも惜敗し、W杯2勝目を挙げることはできなかった。
決勝ではイングランドが開催国・オーストラリアを破り優勝。北半球のチームが初めて世界の頂点に立った。準優勝のオーストラリアを率いていたのは、2015年大会の日本代表HC、そして現イングランド代表HCのエディー・ジョーンズだった。
名前 | 所属 | |
---|---|---|
HC | 向井 昭吾 | |
FW | 長谷川 慎 | サントリー |
豊山 昌彦 | トヨタ自動車 | |
山本 正人 | トヨタ自動車 | |
山村 亮 | 関東学大4年 | |
坂田 正彰 | サントリー | |
網野 正大 | NEC | |
田沼 広之 | リコー | |
アダム・パーカー | 東芝府中 | |
久保 晃一 | ヤマハ発動機 | |
木曽 一 | ヤマハ発動機 | |
早野 貴大 | サントリー | |
渡邉 泰憲 | 東芝府中 | |
(C) | 箕内 拓郎 | NEC |
大久保 直弥 | サントリー | |
浅野 良太 | NEC | |
伊藤 剛臣 | 神戸製鋼 | |
斉藤 祐也 | 神戸製鋼 |
名前 | 所属 | |
---|---|---|
BK | 苑田 右二 | 神戸製鋼 |
辻 高志 | NEC | |
アンドリュー・ミラー | 神戸製鋼 | |
廣瀬 佳司 | トヨタ自動車 | |
ジョージ・コニア | NEC | |
元木 由記雄 | 神戸製鋼 | |
ルーベン・パーキンソン | 福岡サニックス | |
難波 英樹 | トヨタ自動車 | |
大畑 大介 | 神戸製鋼 | |
北條 純一 | サントリー | |
栗原 徹 | サントリー | |
小野澤 宏時 | サントリー | |
松田 努 | 東芝府中 | |
吉田 尚史 | サントリー |
第6回はフランス大会(一部をウェールズとスコットランドで開催)。大会48試合の総観客数は約225万人(1試合平均約46800人)と、史上最多だった前回大会を40万人余り更新した。
日本は元オールブラックスの英雄ジョン・カーワンHC、前回に続き箕内拓郎主将の体制で臨み、最初の2試合で先発を総入れ替えする2チーム制を採用。しかし初戦でオーストラリアに大敗を喫し、続くフィジー戦も終盤の猛追及ばず4点差で惜敗。第3戦でウェールズにも敗れ、ノルマとしていた「2勝」を挙げることはできなかった。
しかし最後のカナダ戦では後半ロスタイム、平浩二のトライと大西将太郎のコンバージョンゴールで12-12に追いつきドロー。95年大会初戦のウェールズ戦から続く連敗を、引き分けながら13でストップさせた。
大会を制したのは南アフリカ。堅いディフェンスを前面に出す戦いで、12年ぶり2度目の栄冠を手にした。
名前 | 所属 | |
---|---|---|
HC | ジョン・カーワン | |
FW | 山村 亮 | ヤマハ発動機 |
山本 正人 | トヨタ自動車 | |
相馬 朋和 | 三洋電機 | |
西浦 達吉 | コカ・コーラウエスト | |
松原 裕司 | 神戸製鋼 | |
猪口 拓 | 東芝 | |
青木 佑輔 | サントリー | |
大野 均 | 東芝 | |
熊谷 皇紀 | NEC | |
ルアタンギ侍バツベイ | 近鉄 | |
ルーク・トンプソン | 近鉄 | |
(C) | 箕内 拓郎 | NEC |
渡邉 泰憲 | 東芝 | |
木曽 一 | ヤマハ発動機 | |
ハレ・マキリ | 福岡サニックス | |
フィリップ・オライリー | 三洋電機 | |
佐々木 隆道 | サントリー | |
浅野 良太 | NEC |
名前 | 所属 | |
---|---|---|
BK | 矢富 勇毅 | ヤマハ発動機 |
吉田 朋生 | 東芝 | |
金 喆元 | 近鉄 | |
小野 晃征 | 福岡サニックス | |
大西 将太郎 | ヤマハ発動機 | |
ナタニエラ・オト | 東芝 | |
今村 雄太 | 神戸製鋼 | |
平 浩二 | サントリー | |
ブライス・ロビンス | リコー | |
小野澤 宏時 | サントリー | |
遠藤 幸佑 | トヨタ自動車 | |
クリスチャン・ロアマヌ | 埼工大3年 | |
北川 智規 | 三洋電機 | |
有賀 剛 | サントリー | |
久住 辰也 | トヨタ自動車 |
第7回はニュージーランド大会。日本は前回大会に引き続きジョン・カーワンがHCを務め、菊谷崇が主将を務めた。初戦ではフランスに後半4点差まで迫ったものの突き放されて敗戦。2戦目はニュージーランドに完敗し、必勝を期した3戦目もトンガに敗れ3連敗。最終戦のカナダ戦は、前回大会とは逆の展開となり、同点に追いつかれて23-23でドロー。またしても「W杯2勝目」が遠い大会となってしまった。
決勝では開催国・ニュージーランドがフランスに勝利。第1回大会以来優勝から遠ざかっていたが、地元で24年ぶりの頂点に立った。
名前 | 所属 | |
---|---|---|
HC | ジョン・カーワン | |
FW | 平島 久照 | 神戸製鋼 |
川俣 直樹 | パナソニック | |
青木 佑輔 | サントリー | |
堀江 翔太 | パナソニック | |
湯原 祐希 | 東芝 | |
畠山 健介 | サントリー | |
藤田 望 | ホンダ | |
大野 均 | 東芝 | |
北川 俊澄 | トヨタ自動車 | |
トンプソン ルーク | 近鉄 | |
北川 勇次 | パナソニック | |
ジャスティン・アイブス | パナソニック | |
(C) | 菊谷 崇 | トヨタ自動車 |
マイケル・リーチ | 東芝 | |
バツベイ シオネ | パナソニック | |
タウファ統悦 | 近鉄 | |
ホラニ龍コリニアシ | パナソニック | |
谷口 到 | 神戸製鋼 |
名前 | 所属 | |
---|---|---|
BK | 田中 史朗 | パナソニック |
吉田 朋生 | 東芝 | |
日和佐 篤 | サントリー | |
麻田 一平 | トヨタ自動車 | |
ジェームス・アレジ | ノッティンガム | |
マリー・ウィリアムス | 豊田自動織機 | |
今村 雄太 | 神戸製鋼 | |
ニコラス ライアン | サントリー | |
平 浩二 | サントリー | |
アリシ・トゥプアイレイ | キヤノン | |
小野澤 宏時 | サントリー | |
遠藤 幸佑 | トヨタ自動車 | |
宇薄 岳央 | 東芝 | |
ウェブ将武 | コカ・コーラウエスト | |
ブライス・ロビンス | ホンダ | |
上田 泰平 | ホンダ |
第8回イングランド大会、プール戦の主役は日本代表。エディー・ジョーンズHC、リーチ マイケル主将のもと、初戦で優勝候補の南アフリカを破る「スポーツ界最大の番狂わせ」で世界中を驚かせた。続くスコットランド戦には敗れるも、その後サモアとアメリカも撃破。3勝を挙げながら勝ち点差で決勝トーナメント進出はならず、「W杯史上最強の敗者」となった。初の決勝トーナメント進出、そしてその先へ…日本ラグビーの夢は2019年大会へと持ち越された。
優勝はニュージーランド。W杯史上初の連覇、史上最多3度目の栄冠となった。
名前 | 所属 | |
---|---|---|
HC | エディー・ジョーンズ | |
FW | 稲垣 啓太 | パナソニック |
畠山 健介 | サントリー | |
三上 正貴 | 東芝 | |
山下 裕史 | 神戸製鋼 | |
木津 武士 | 神戸製鋼 | |
堀江 翔太 | パナソニック | |
湯原 祐希 | 東芝 | |
アイブス ジャスティン | キヤノン | |
伊藤 鐘史 | 神戸製鋼 | |
大野 均 | 東芝 | |
トンプソン ルーク | 近鉄 | |
ホラニ 龍コリニアシ | パナソニック | |
マイケル・ブロードハースト | リコー | |
真壁 伸弥 | サントリー | |
(C) | リーチ マイケル | 東芝 |
ツイ ヘンドリック | サントリー | |
アマナキ・レレイ・マフィ | NTTコム |
名前 | 所属 | |
---|---|---|
BK | 田中 史朗 | パナソニック |
日和佐 篤 | サントリー | |
小野 晃征 | サントリー | |
クレイグ・ウィング | 神戸製鋼 | |
立川 理道 | クボタ | |
広瀬 俊朗 | 東芝 | |
マレ・サウ | ヤマハ発動機 | |
カーン・ヘスケス | 宗像サニックス | |
山田 章仁 | パナソニック | |
田村 優 | NEC | |
五郎丸 歩 | ヤマハ発動機 | |
福岡 堅樹 | 筑波大4年 | |
藤田 慶和 | 早大4年 | |
松島 幸太朗 | サントリー |