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松本清張 生誕100年記念スペシャルドラマ「霧の旗」「書道教授」

2010年3月16日・3月23日 放送
霧の旗

霧の旗

2010年3月16日放送

冤罪を二度も暴いたことで人気のエリート弁護士・大塚欽也(市川海老蔵)は、予約もなしで現れた柳田桐子(相武紗季)という若い女に、兄・正夫(カンニング竹山)の弁護をして欲しいと頼まれた。わざわざ福岡から上京して来た桐子は、正夫が強盗殺人の犯人にされ、死刑になる可能性もあるという。だが、時間的な余裕がない欽也は、同郷を理由に懇願する桐子の依頼を冷たく断わる。翌年、欽也は、桐子からの葉書で、無期懲役の判決を受けて控訴審中の正夫が獄死したと知った。

後味の悪さを感じた欽也は、正夫の公判記録などを取り寄せ、事件を分析してみた。この事件の被害者は、正夫も借金があった消費者金融の女社長。警察は、傷口の形状から、犯人が左利きだと推理。凶器から検出された指紋、衣服に付着していた血痕から、左利きの正夫が逮捕された。警察の追及で犯行を自供した正夫は、公判で無実を訴えたものの、一審では有罪。両親の死後、正夫と二人きりで生きてきた桐子は、もちろん兄の無実を確信していたのだ。

欽也の事務所で桐子とのやりとりを目撃していたフリーライターの阿部啓一(東貴博)は、1年後、桐子が銀座のクラブ『四季』でホステスをしていると知り、ア然となった。この店は、ママの乃里子(青田典子)が小倉出身とあって、関係者はほとんど九州出身。桐子は、店に呼んでくれた同僚の池上信子(柳原可奈子)のマンションに転がり込んでいたのだ。

一方、妻・芳子(中澤裕子)と家庭内別居状態になっていた欽也は、仕事で知り合ったレストラン『みなせ』のオーナー・河野径子(戸田菜穂)と密会を重ねていた。芳子への思いが消えた欽也にとって、径子の愛は、かけがえのないもの。だが、二人の関係に気づいた『みなせ』のフロアマネージャー・杉浦健次(井坂俊哉)は、かつて径子と関係があったこともあり、嫉妬と敗北感で苛立ちを募らせていた。

この杉浦が乃里子の弟だったことから、桐子は、憎い欽也の情報を入手することになった。杉浦は、正夫が高校時代に所属していた野球部の1年先輩。杉浦の同期の野球部員・山上(山西惇)も店に来ていた。桐子は、杉浦や、杉浦に心を寄せる信子の話を聞くうち、欽也が径子と愛人関係にあると知ったのだった――。

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