Story Navigation「偶然という贈り物」
美しい東京の夜景。
ある高層タワーの屋上に立つ一人の女性。
どこか人間離れした不思議な存在。
彼女は地上に舞い降りた天使。
天使は人間界を温かく見守っている。
“偶然”が紡ぐ、人々の奇跡的な出会いが、幸せにつながっていくことを…。
Story 1「アウトポスト・タヴァーン」
レストランプロデューサーとして成功し続けてきた男、武田祐市(沢村一樹)。
彼は「宇宙」をテーマとしたレストランオープンのためにNASAを訪れた。
だが今回の仕事に確実な勝算は無く、武田は行き詰りと焦りを感じていた。
そして、NASA行きの前日に家を出て行った妻・恵(紺野まひる)との離婚話が、彼の心をより一層暗鬱にさせていた。
ヒューストンの空港で、日系人の胡散臭そうな若者・三宅(金子賢)と“偶然”に出会った武田は、「アウトポスト・タヴァーン(日本語に訳せば「最先端の酒場」)」という店を紹介される。
だが、実はその酒場は…。
Story 2「スプーン」
世田谷の住宅街という「迷路」で深夜、波多野(伊藤淳史)は道に迷っていた。
彼女の里枝(福下恵美)の引越し先で些細なことからケンカ。
勢いでマンションを飛び出してしまったのだ。
細い路地に忽然と現れた灯りと食欲をそそるカレーの匂いにつられて、カレーの店「キャナル」に入ると、「お兄さん、甘口でいいよね」とオーダーを勝手に決めてかかる店主(津川雅彦)。
ムッとした波多野は激辛を注文するが、「辛すぎるから激辛は出せない」と言い張る店主と、意地になって激辛を注文しようとする波多野。
丁々発止の押し問答の末、出てきたカレーは…。
Story 3「セレンディップの奇跡」
32歳の誕生日を迎えて、年下の彼氏・堀井(柏原収史)に振られてしまった乃梨子(木村佳乃)は、大学時代の同級生・チカ(吉瀬美智子)の写真展で、華々しく輝いているチカと、さえない自分の落差に直面する。
偶然出会った少女を助けた乃梨子は、御礼にと少女(福田麻由子)の親が経営するビストロ「セレンディップ」を訪れる。
店主(小日向文世)から「セレンディップ」の意味=自分の人生にとって価値あるものを図らずも偶然に見つける天性の能力のこと、を教えられるが、乃梨子は「偶然や奇跡なんて選ばれた人にしか起きない」と悲観。そんな乃梨子の前に…。