ストーリー
望美(柴咲コウ)は多恵(鈴木保奈美)を亡くした喪失感に沈みながらも、両親が残した家に愛美(橋本愛)と共に住むことを決める。一方で結人(坂口健太郎)との再会を望むが、中途半端な自分のまま連絡する勇気が持てずにいた。
今村家では家族として再生を始めた3人が食卓を囲んでいた。進次(田中哲司)と達也(竜星涼)はそれぞれある決意を胸に抱いているがまだ言い出せずにいた。
デザイナーとして就職先を見つけられない愛美は相沢(細田善彦)と遭遇。藤子(大友花恋)と破局したことを知った愛美は、新しい会社で一緒に営業をしないかという誘いに心揺れる……。そんな中家に帰ると、母を死なせてしまった罪悪感と虚無感から放心している望美を見て、愛美は姉を元気付けようと結人に電話するが、二人は頑なに会うことを拒む。
教え子がいじめを苦に転校を決めたことに悩む結人は自分にできることはないのかと無力感を感じていた。生徒の家に行き、助けになろうと必死に説得する結人であったが、生徒は部屋から出てくることはなかった……。翌日、結人は退職願を手に最後の授業に臨む……!
それぞれが自分の生き方を模索する中、望美の元にある結婚式の招待が舞い込み、そこで結人との再会を果たすことになる・・・壮絶な人間ドラマの最後の幕が上がる。
望美は、多恵のいない喪失感に沈みながらも、愛美と母が25年間一人で守り続けたこの家に住むことを決める。愛美は相沢から営業の仕事に誘われ心揺れるが、望美に背中を押されデザインコンクールに応募することに。
そんな中、結人は電話の望美に励まされいじめを受ける生徒の家へ。しかし生徒は部屋から出てこないまま……。翌日、退職覚悟で最後の授業に臨む。「もう見て見ぬふりはやめてほしい」という結人の言葉に初めて答える生徒達……。結人は改めて自分らしい教師の道を進む決意をする。
今村家では、父と同じ家を売る仕事をしたいという(竜星涼)の姿に触発され、(田中哲司)が本当は建築士を目指したいことを告白。夢に向かう決心をした夫と息子の姿に(富田靖子)は応援することを誓う。
一方望美は、同級生の結婚式で久々に結人に再会。しかしトラブルで急遽司会代理を勤めることに!花嫁の親子喧嘩で壊れそうになった式を、母親の愛情の深さを語り、その場を収めた望美は、なんと参列者の一人から北海道の小さなテレビ局でアナウンサーをやってみないかと誘われる!この話を受ければ、せっかく再会した結人と離れ離れになる。その夜、悩む望美は亡くなる前の多恵の唯一の写真を見つける……。
翌日、図書館で再会した望美と結人は、離れた場所でお互いを思いながらも自分の夢を諦めないことを誓い合い、最後の抱擁を交わす。
出発前、多恵の墓の前に晴れ晴れとした望美と愛美が訪れる。北海道に旅立つ望美と、コンクールで受賞した愛美は多恵に新しい人生の門出を報告する。愛美のデザインには、姉・望美の姿が描かれていた。タイトルは「35歳の少女」
その後―。今村家では建築士を目指す進次とハウスメーカーで働く達也を加奈が張り切って支えていた。愛美はデザイン事務所に就職し、結人は教師として自信を身につけていた。
そして粉雪の舞う北海道の街角には、アナウンサーとして街ゆく人に話を聞く望美の姿が―。自信と喜びに満ちたその心にはこんな言葉が浮かんでいた。「これが、あたしだ!」