第100回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。富山代表の富山第一は31日の2回戦で宮崎日大(宮崎)と対戦。富山第一の注目選手とチームの特長を紹介します。
■ハイプレスとサイド攻撃
富山第一は地区大会を通して5試合33得点1失点。守備では前線からハイプレスを仕掛けて、相手に主導権を握らせません。攻撃では守備の時より高いポジションを取るウイングバックを中心にサイドから仕掛けていきます。「今年の武器は両ウイングバックの突破力」と大塚一朗監督は高く評価しており、クロスから得点を決めることが多いチームです。セットプレーも得点源の1つで、ショートコーナーなどを多用してゴールを狙います。
注目は富一伝統の10番を背負う中川晟選手(3年)。攻撃のアイデアが豊富で、広い視野を武器にチャンスを生み出します。1年生から全国選手権に出場し、周囲からの信頼も厚いチームの要です。吉田圭佑選手(3年)は地区大会チーム最多の8得点と決定力があり、実力が伯仲する準々決勝から決勝戦まで3試合連続得点と勝負強さが光ります。
■国立最後の王者として
富山第一といえば、第92回大会の全国制覇を思い出す方は多いでしょう。建て替え前最後の国立競技場で行われた決勝戦。後半42分、2-0からの逆転劇は高校サッカーファンの脳裏に焼き付いているはずです。瞬間最高視聴率は富山地区において62.6%。多くの富山県民が2度目の歓喜の瞬間を待ち望んでいます。
チームを全国制覇へ導き、欧州やアジアの指導者資格を保有する大塚監督は、今大会終了後にモンゴル代表監督に就任することが決まっています。自身の母校でもある富山第一の指揮を執るのは今大会で一区切りとなるため、監督はもちろん選手達も特別な思いで臨みます。国立最後の王者が、高校サッカーの舞台にかえってきた新たな国立で、再び頂点を目指します。
※写真は大会後モンゴル代表監督に就任する富山第一・大塚一朗監督
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/北日本放送)
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