12月28日に開幕する第100回全国高校サッカー選手権。奈良代表の奈良育英は29日に専大北上(岩手)と戦います。10年ぶりの選手権全国大会を決めた奈良育英の注目選手やチームの特長を紹介します。
■課題克服で掴んだ優勝、練習重ねたセットプレー
奈良育英は地区大会を通して5試合13得点3失点。セットプレーからの得点が多かったのが特長です。キッカーを務めるキャプテン千田陽介選手は、正確なキック力が持ち味。五條との決勝は、同点で迎えた後半アディショナルタイムで千田陽介選手のコーナーキックから瀧陽向選手(3年)のヘディングシュートが決勝点となりました。
しかし、今年のチームはもともとセットプレーが苦手だったと梶村卓監督は話します。「このままでは駄目だ」と、選手権前から必ずゲーム前にセットプレーの練習をするようになりました。千田選手は「セットプレーは練習でも上手くいかないことが多く、地区大会も正直どうなるかわからなかった。でも練習積み重ねてきたことを信じて、失敗しても次また挑戦する気持ちでやってきた。全国までにより精度を上げて、またセットプレーから点を生み出したい」と話し意気込んでいます。
■結果が出ていない状況、OBとして寂しかった
梶村卓監督は奈良育英高校サッカー部出身。在学中の3年間、奈良育英は選手権全国大会へ出場しています。そんな梶村監督は県内の高校でコーチや監督を務めた後、去年、母校である奈良育英にコーチとして帰ってきました。そして今年、監督就任1年目でチームを選手権全国大会へと導きました。梶村監督は「結果が出ていない状況はOBとしてずっと寂しいという思いがあった。周りのOBの思いもわかっている分プレッシャーもあったが、自分が伝えられることを伝えて、それが結果に繋がればと思い指導してきた」と振り返りました。
また奈良育英の伝統は「全員攻撃・全員守備」。地区大会を通して得点者は9人、また準決勝では去年の王者・山辺高校を無失点におさえるなど攻守ともに連係したプレーを魅せました。梶村監督は「今年は多くの選手が複数のポジションをこなすことができ、スタメンとサブが遜色なくプレーできる。ただ地区大会では個人個人に任せきっていた部分もあったので、伝統の『全員攻撃・全員守備』を改めて突き詰めたい」と29日の初戦に向けて語りました。
※写真は千田陽介選手
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/奈良テレビ放送)
シェアする