第100回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。一回戦で奈良県代表・奈良育英は29日に岩手県代表の専修大学北上高等学校と対戦します。11月14日に行われた地区大会決勝を振り返り全国大会を展望します。
■五條「2年前の景色をもう一度」
決勝戦は2年ぶりの選手権全国大会出場を目指す五條高校と、10年ぶりの選手権全国大会出場を目指す奈良育英高校の一戦となりました。
就任22年目、吉岡一也監督が率いる五條高校は2年前に初めて選手権全国大会に出場しています。しかし去年は奈良大会決勝敗退。今年の3年生は「自分たちが1年生の時に3年生が連れて行ってくれた舞台へもう一度行きたい」そんな思いを持って挑む決勝となりました。
■奈良育英「名門復活を目指して」
一方、奈良育英高校、率いるのは就任1年目、奈良育英高校サッカー部OBでもある梶村卓監督です。奈良育英高校はこれまで、選手権全国大会に13回出場、第73回大会ではベスト4の記録を残し、サッカー元日本代表の楢崎正剛氏らを輩出したサッカーの名門。しかしここ10年は苦しい時代が続いており、3年ぶりの奈良大会決勝となりました。
そんな2校の強い意志がぶつかった一戦。試合序盤、ゲームの流れをつかんだのは五條、伝統のドリブルサッカーでゴール前に迫ります。そして前半24分、五條2年生・幸田愛流選手のヘディングシュートが決まり先制。
そのまま試合は後半へ。立ち上がりから両者攻め合うも得点につなげることができず、このまま試合終了かと思われた後半36分。奈良育英3年生・山尾星翔選手のゴールで同点に追いつきます。
そして迎えたアディショナルタイム。奈良育英にチャンスが…。選手権前に力を入れて練習を重ね精度を高めたというセットプレー。キャプテン千田陽介選手のコーナーキックから、3年生・瀧陽向選手が頭で押し込み逆転。劇的な試合展開で奈良育英高校が10年ぶり14回目の選手権全国大会への切符を手に入れました。
奈良育英高校・千田陽介主将は「強い奈良育英をもう一度全員で取り戻そうと努力をしてきた。結果につながってすごく嬉しいです」と喜びを語りました。
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/奈良テレビ放送)
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