第100回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。5年連続で出場する神村学園は、2年連続ベスト4の帝京長岡(新潟)と初戦から激突します。年代別日本代表の2年生コンビ、福田師王選手と大迫塁選手が大きなインパクトを残した鹿児島県大会決勝を振り返り、全国での戦いを展望します。
■神村学園(5年連続9回目)
鹿児島県大会決勝は5年ぶり8回目の優勝を目指す鹿児島城西と、5年連続9回目の出場を目指す神村学園の対戦となりました。これまでの決勝での戦績は、共に5勝5敗のライバルです。
前半は、風上に立った鹿児島城西がロングボールから押し込む展開となり、崎野隼人選手が積極的なシュートで神村学園のゴールを脅かします。一方の神村学園は、鹿児島城西の前線からのプレスに苦しみ、シュートを1本も打てないまま前半を終えます。
しかし、後半は一転、神村学園がテンポの良いパス回しから攻撃のリズムをつかみます。すると後半5分、若水風飛選手のシュートのこぼれ球に、18歳以下日本代表の福田師王選手が詰めてゴールネットを揺らします。その2分後には、篠原駿太選手の縦パスを福田師王選手が落とし、最後は17歳以下日本代表・大迫塁選手の左足!2年生の代表コンビが一気に流れを引き寄せます。
鹿児島城西は後半21分、コーナーキックでのトリックプレーから川原琉翔選手が強烈なシュートを放ちますが、得点とはなりません。
猛攻をしのいだ神村学園は27分、左サイドでボールを受けた大迫塁選手のクロスに、福田師王選手が頭で合わせてダメ押しの3点目を奪います。さらに31分には、福田師王選手がゴール前の混戦から押し込み、ハットトリックを達成します。
神村学園はアディショナルタイム、大会直前のケガで本来はプレーできないキャプテン・抜水昂太選手を出場させるという粋な計らいも見せました。
神村学園が4-0で勝ち、5年連続9回目の優勝を果たしました。
鹿児島県大会5連覇の神村学園は、鹿児島実業がこれまで2度記録した連覇記録「5」(72~76回大会、80~84回大会)に並びました。
有村圭一郎監督はその鹿児島実業出身で、全国選手権優勝(74回大会)に貢献。母校の記録と並んだことについて「非常に光栄。もっと頑張らなければ」と力を込めました。監督就任後、何度も口にしてきた「もう一度、強い鹿児島を取り戻す」。今度は監督として、国立のピッチを目指します。
抜水昂太選手は「仲間のおかげで最高のピッチに立てた。神村らしく見る人を魅了する攻撃的なサッカーで全国制覇したい」と意気込みました。
【近年の鹿児島県代表の成績】
87回大会で、鹿児島城西が大迫勇也らを擁し、準優勝。88回大会で、神村学園がベスト8入り。それを最後に、ベスト16の壁を破れていません。
※写真はFW福田師王選手(2年)
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/鹿児島読売テレビ)
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