第100回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。山梨代表の山梨学院は、31日に2回戦で佐賀東(佐賀)と対戦します。歴代山梨県代表校の中で唯一、選手権で優勝しているのが山梨学院。前回大会の優勝を含め、過去に3度の全国制覇(選手権2回、インターハイ1回)を誇り、ユニホームの胸には日本一の証しとして「3つの星」が刻まれています。
歴代の山梨県代表は、全国でどんな戦いを繰り広げてきたのか、過去の成績を振り返ります。
■88回大会 山梨学院が初出場・初優勝
初出場ながら決勝まで駒を進めた山梨学院と青森山田との一戦。4万3635人が見守る中、試合は前半、山梨学院の碓井鉄平主将がミドルシュートを豪快にネットに突き刺し、先制点を奪いました。その後、一進一退の攻防が続きますが、4試合連続無失点のDF陣が踏ん張りゴールを割らせず、山梨県勢として初の選手権優勝、全国3763校の頂点に輝きました。チームを日本一に導いたのは、かつて韮崎(山梨)を率いて5年連続のベスト4、準優勝3回の実績を残しながら、頂点にたどり着けなかった横森巧監督でした。横森監督は試合後、「サッカーを通して人を知り、人に学び、ここまで来ることができた。サッカーが私をここまで育ててくれたと思う。チャンピオンだなんて思っていたら終わり。いつだってチャレンジして、雑草のように粘り強く、サッカーの面白さを分かってもらえるようにこれからやっていきたい」と語りました。
■99回大会 11大会ぶり2度目の優勝・山梨学院
11大会ぶりの優勝を狙う山梨学院と3大会連続で決勝に進んだ青森山田、奇しくも11大会前の決勝と同じ顔合わせとなりました。新型コロナウイルス感染拡大防止のため無観客で行われた試合は、前半、山梨学院の廣澤灯喜選手がゴールを奪い、先制に成功しました。後半、逆転を許した山梨学院でしたが、背番号10を背負う野田武瑠選手の起死回生ゴールで同点に追いつきます。試合は延長戦でも決着がつかずPK戦に突入すると、ここまでチームをけん引してきたGK熊倉匠キャプテンが魂のPKストップを見せ、全国3962校の頂点に立ちました。2018年のインターハイ優勝と合わせ、3度目の日本一に輝き、3つ目の星を胸に刻みました。
■100回大会でも主役に
全国連覇のかかる今年のチームでキャプテンを託されたのは、前回大会、2年生ながらボランチとして全試合にフル出場し、全国制覇の原動力となった谷口航大選手。「前回大会の経験を生かし、チームを勝たせたい気持ちが出てきた」とキャプテンに立候補しました。地区大会決勝では、県内最多34度の選手権出場を誇る韮崎とのPK戦までもつれた死闘を制し、選手権連覇のスタートラインに立ちました。前回王者として注目を浴びる100回大会へ向け、「連覇することしか目標にない。自分たちの代で4つ目の星を獲得したい」と活躍を誓っています。
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/山梨放送)
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