第100回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。長崎代表の長崎総大附属は29日に北海道代表の北海と1回戦で激突。長崎総大附属のチームの特長と注目の選手を紹介します。
■県大会の得点の8割が「後半」走り負けないスタミナが武器
2年ぶり8度目の全国出場を決めた長崎総大附属。今年の県大会はシード校として3回戦から登場。決勝までの4試合で12得点1失点。このうち8割以上の10得点が後半、試合終盤に底力を発揮し勝利をつかみ取ってきました。その強さを支えるのは、「走り負けないスタミナ」。1キロ3分30秒で走り切るペース走を、最大で8キロも走るフィジカルトレーニングで培ってきました。県大会決勝でもその成果を発揮。去年の覇者、創成館との一進一退の攻防が続く中、後半10分に先制点を。そしてアディショナルタイムにダメ押し弾を決めて県の頂点に上り詰めました。
今年の長崎総大附属は新チームで始動した当初から結果を出していたわけではありませんでした。1月の県大会新人戦では初戦で敗退。攻撃面での連係がうまくいかず、いい形でフィニッシュにつなげられないことが課題でした。その後、攻撃力強化に重点的に取り組み“個性を生かしたアクションサッカー”を目指します。
迎えた6月の県高総体では6試合で39得点とトレーニングの成果を発揮。3大会ぶりの優勝を果たしました。しかし、インターハイ初戦では結果的に優勝した青森山田を相手にシュートを1本も打つことができず0-3の完敗。その時の悔しさも胸に、この冬に向けてさらなるレベルアップを図ってきました。
■監督は高校サッカー界の名将・小嶺忠敏監督
チームを率いるのは、高校サッカー界の名将として知られる小嶺忠敏監督(76)。島原商業、国見の監督を経て、長崎総大附属の監督に2011年度就任しました。国見時代には戦後最多タイとなる6度の冬の選手権制覇を成し遂げています。100回の節目を迎えた今大会は、準決勝・決勝が8年ぶりに国立競技場で行われます。小嶺監督の選手権の出場は41回目。指揮を執ったチームが準決勝に進出すれば17大会ぶりとなります。「国立競技場は夢を実現させてくれた場所。そして新たな夢を与えてくれた場所。ただ、全力を尽くすだけ」と国立への思いを語っています。
■先輩が超えられなかった“全国ベスト8超え”を目指す
攻守ともにキーマンとなるのがトップ下の2年生、背番号8番の竹田天馬選手。正確なパスが持ち味でクロスやスルーパスなどで攻撃を牽引します。プレーのバリエーションが豊富なのも魅力です。「学年に関係なく声を積極的に出し、運動量でチームに貢献できるのが自分の武器、練習から質を上げて一体感を出して全国に挑みたい」と話しています。
また、2019年冬の選手権で1年生ながらゴールを決めたボランチで10番を背負う別府史雅選手(3年)も注目。前線へのロングパスで攻撃を活性化させます。「局面を打開できるようなキックが出来たらいい」と全国への意気込みを語っています。守備の要はキャプテンの5番、児玉勇翔選手(3年)。1年生の時からセンターバックでレギュラーとしてチームを支えます。長崎総大附属の最高成績は2017年度の第96回大会、安藤瑞季選手を擁して3回戦で青森山田を破り勝ち上がったベスト8。児玉主将は「先輩たちのベスト8の壁を乗り越えたい」と強い思いを胸にピッチに立ちます。
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/長崎国際テレビ)
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