100回目を迎えた全国高校サッカー選手権は12月28日に国立競技場で開幕。記念すべき舞台に挑む高知県代表・高知高校の初戦は東京A代表の堀越高校です。「直感的な判断力」をテーマに掲げる高知高校の県大会決勝を振り返り、全国大会を展望します。
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県内最多17回目の冬の選手権を目指す高知高校と、2年連続9回目の優勝を目指す明徳義塾の対戦。両チームは昨年この大会の準決勝で対戦をし、4対1で明徳義塾が勝利を収め、勢いに乗り県制覇。全国でも1勝をあげました。
新型コロナウイルスの影響もあり、昨年以来の直接対決がない高知と明徳。高知を率いる大坪裕典監督は「去年の嫌なイメージを忘れることなく取り組んできた」、対する明徳の小松晃監督は「リベンジする気持ちで向かって来る。力まず自分たちのサッカーをしたい」とコメント。高知県内の高校サッカーを牽引している両者の対決は壮絶なゲームとなりました。
試合は前半11分、左サイドを突破した主将の松井選手のクロスに1年生の森選手が頭で合わせ先制。3年間で磨いてきた「直感的な判断力」を武器にパスやドリブルなど、その場の状況に応じた攻撃を展開。前半を1-0で折り返します。
追いかける明徳は後半13分、佐伯選手から前線へのボールに対して、今大会13得点の原山選手がタメを作ってスルーパス。走り込んだ佐伯選手が得点を決め、1-1の同点とします。後半29分には原山選手がドリブルで突破し2点目。2-1と明徳が逆転します。
昨年は流れを断ち切れずに4-1と敗戦した高知高校は冷静でした。「まだ時間はある。自分たちのサッカーをしよう」と高知の笹岡選手。ベンチも動きます。後半34分には秘密兵器という1年生の大久保選手と正確なクロスが持ち味の川竹選手を投入。直後の後半36分に、その川竹選手のクロスからエリア内にこぼれたボールを谷選手が豪快に右足を振り抜き、2-2の同点に。
延長戦もあるかと思われましたが、後半のアディショナルタイムに笹岡選手のCKを大久保選手がヘディングで決め、3-2。高知が激戦を制しました。
試合終了後、主将の松井選手は「目標はベスト4。そのためにやれることに取り組む」と話しました。県勢の最高成績がベスト8。新しい歴史を作るために100回目の舞台に臨みます。
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/高知放送)
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