第100回全国高校サッカー選手権大会は12月28日に開幕します。大分代表・中津東は28日の開幕戦で関東第一(東京B)と対戦。歴代の大分県代表校は、全国でどんな戦いを繰り広げてきたのか。過去の成績を振り返ります。
■首都圏開催以前
全国高校サッカー選手権で大分県勢が初めて全国大会に出場したのは昭和34年度。当時の中津東高校でした。この頃は県大会優勝後、東九州大会に勝利しなければ全国切符が手に入りませんでしたが、九州の強豪を押しのけて中津東や、その後は中津工業(生徒数の増加で中津東から誕生)、そして大分工業といった名前が並んでいました。
■大分県勢初の全国ベスト4
全国高校サッカー選手権大会は昭和58年度に48代表校が出場する1都道府県1代表校制となります。62回大会では、1都道府県1代表校制となって以降初めて全国ベスト16入りしたのが大分工業高校。その後80回大会では、韓国人の朴英雄監督率いる大分高校がベスト8に輝き、大分県勢の最高成績を塗り替えていきます。しかし、81回大会以降9大会は残念ながら初戦敗退や2回戦敗退という結果が続き、「ベスト8の壁の厚さ」を思い知らされました。
全国ベスト8を超えるべく奮闘する大分県勢に転機が訪れたのは平成23年度の90回大会でした。当時の県代表だった大分高校は1回戦で北陸高校(福井)を相手に、昭和51年度に首都圏開催となって以降、最多得点差となる10対0で勝利。初戦で勢いづいた大分高校は2回戦の浦和東(埼玉)、3回戦では、あの青森山田(青森)を1-0で下してベスト8入り。準々決勝では市立西宮(兵庫)に3-2で勝利して、なんと大分県勢初の国立競技場のピッチに立ったのです。準決勝では優勝した市立船橋(千葉)に2-1で敗れましたが、まさに歴史に刻まれる激闘を見せてくれました。県内の高校サッカー関係者からは「大分の新たな歴史、そして新たな目標を作ってくれた」という声が多く聞かれ、県内のサッカー界にとどまらず多くの県民に勇気と感動を与えました。
■93回大会ベスト16 中津東
今大会、大分県代表として出場する中津東は93回大会以来7大会ぶり5回目の出場です。「全国での初得点・初勝利」を目標に掲げていた当時の中津東は、1回戦で青森山田に1-1の末、PK戦で劇的な勝利を手にすると、2回戦は郡山(奈良)に2-1で勝利。3回戦で履正社(大阪)の前に散りますが、中津東は見事大きな目標を達成しチームの歴史を塗り替えたのです。
今大会7年ぶりの出場となる中津東高校。チームを率いる村本輝キャプテンは「今大会、結果はもちろん、自分たちの納得できるサッカーをしたい。それが高校生活最高の終わり方につながると思う。今を全力で戦うこと、手を抜かずに取り組むことが明日につながる。未来につながる。高校生活一日一日を大事にして、この選手権を人生においてかけがえのない経験にしたい」と100回大会にかける熱い思いを語りました。
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/テレビ大分)
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