第100回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。佐賀代表・佐賀東の初戦は二回戦、大みそかの31日に前回大会の優勝校・山梨学院(山梨)と対戦します。歴代の佐賀県代表の戦いを振り返り、前回王者に挑む佐賀東の思いに迫ります。
■佐賀県勢最高成績は全国ベスト8
歴代佐賀県代表校の最高成績は全国ベスト8。過去に4度、いずれも佐賀商業が達成しています。選手権の全国大会に県内最多13度出場している伝統校です。第57回大会に初出場しベスト8、その後は第60回、第65回、第74回でベスト8入り。いずれも準々決勝で涙をのんできました。その悔しさを知るのが、今大会の出場校・佐賀東の蒲原晶昭監督です。第65回大会、佐賀商業で1年生ながら右SBとしてスタメン出場。準々決勝では、秋田商業に3対1で敗れました。
その蒲原監督率いる佐賀東は、今大会が12度目の選手権全国の舞台。過去最高は第95回大会の全国ベスト16。初戦の2回戦、初出場だった石川・鵬学園に4対0で勝利し、9度目の全国で初のベスト16入り。しかし、3回戦は兵庫・滝川第二に5対0で敗れ、ベスト8入りとはなりませんでした。
2回戦スタートとなる今大会、蒲原監督は「短期決戦なので、波に乗るのは大事。2回は最低でも勝ちたい、勝たせてあげたい」と佐賀東史上初のベスト8入りを目指しています。
■新たな歴史を作ってきた今年の佐賀東
「佐賀東の歴史を塗り替えたい」――そう思っているのは選手も同じです。佐賀県大会9得点で得点王に輝いた右サイドハーフの森田悠斗主将は今年のチームについて「たくさんの選手が点を取れる、得点力の高いチーム」だと話します。今年は、新チーム発足当初から快進撃を見せました。今年1月の新人戦で優勝(新型コロナウイルスの影響で決勝は実施されず、佐賀商業との両校優勝)。新人戦九州大会に出場し予選リーグを突破、決勝トーナメントでは東福岡を破り創部初の決勝進出。決勝で国見に敗れたものの、史上最高となる2位になりました。その後、夏のインターハイ・冬の選手権でともに県大会を制覇し、10年ぶりとなる県内三冠を達成しました。
森田主将は「九州2位という一つの歴史を作ることはできた。次は選手権の舞台でベスト8以上を達成し、また一つ佐賀東の歴史を塗り替えたい」と強い思いをのぞかせます。ただ、初戦の相手は前回王者・山梨学院。全国の勝ち方を知る相手にも臆することはありません。「全国一の守備の相手に自分たちの今年の攻撃力が試される一戦。そういう意味では良いカードを引いたかなと思います。全員が主役になれる今年のサッカーで、自分が点を決めてチームを勝たせたいです」
前回王者・山梨学院に、県大会30得点の攻撃力で挑む佐賀東。全国ベスト8入り、その先に待つ佐賀県勢初の準決勝・国立の舞台へ。100回大会、佐賀東の挑戦に注目です。
※写真は左:蒲原晶昭監督 右:森田悠斗選手
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/福岡放送)
シェアする